2026/03/23
日本共産党世田谷区議団の質疑を始めます。
私からは、千歳烏山駅の再開発について伺います。
パネルを御覧ください。これは区が住民説明等で使っている資料です。千歳烏山駅前広場南側地区市街地再開発準備組合は、再開発の都市計画を昨年四月に区に対し提出しました。区は、この再開発を可能とする地区計画を策定し、九月に素案、この一月に案が示され、説明会を開催。公告・縦覧に基づく意見書も区民から寄せられました。これを受け、三月十日の都市整備常任委員会で千歳烏山駅前広場南側地区の第一種市街地再開発事業及び高度利用地区、地区計画の変更案が報告されました。
計画の内容は、容積率を七〇〇%まで緩和し、高さ百四十メートルのタワーマンションを建てるというものです。百四十メートルの駅前再開発のイメージというのが湧きにくいというふうに思うんですが、参考になるのが三軒茶屋のキャロットタワーの区画です。烏山の再開発地区の敷地面積は駅前広場を含めて約八千九百平米です。三軒茶屋のキャロットタワーの市街地再開発事業は一九九六年に完成していますが、地下の連絡通路を含め敷地面積は九千百五十平米と、烏山の再開発地区と同規模です。キャロットタワーは百二十四メートルで、烏山ではそれを超える百四十メートルのタワマンになりますが、内容は近いと思います。
市街地再開発は、地権者にとっては、所有する土地を権利変換し、再開発ビルの中に権利床と呼ばれる床を自己負担なく得ることができます。場合によっては、権利床だけでなく必要な床を購入する地権者もいるでしょう。
次のページがちょっと分かりやすいかもしれないので御覧ください。これには行政も関わります。今回の地区計画で区が示しているように、今後整備予定の都市計画道路補助二一六号に接道することや、公共貢献などを要件に容積率を七〇〇%まで緩和します。これによって、事業協力者であるディベロッパーは、高値で売れる百四十メートルのタワマンを造り、保留床と呼ばれる余剰の床を販売することができます。多額の税金が投入される事業ですが、結果的にディベロッパーが多額の利益を得る仕組みとなっています。
これまで区は繰り返し、地権者が住み続けられること、なりわいを継続できるようにするために再開発が行われると説明してきました。しかし、三軒茶屋の市街地再開発でも、従前、魚屋、煎餅屋、ケーキの不二家などがあって、キャロットタワーに入りました。煎餅屋は地下一階の東急ストアの中にコーナーを確保して今も継続しています。しかし、魚屋と不二家は、当初、地下一階に店舗がありましたが、今はありません。
品川区の武蔵小山での市街地再開発では、タワマンが複数完成し、商店街は一部再編されました。地権者の実態はというと、資金力があり、権利床を活用できた層は残りましたが、小規模店舗や高齢の個人地権者は離脱をしました。修繕積立金や管理費、固定資産税の合計は今までの五倍から六倍になるため、年金生活では住み続けるのは無理と、結果的についの住みかを追い出されているということでした。市街地再開発事業において、実際には従前よりも床面積が減る、家賃や管理費が上がる、住み続けることができなくなり売却して出ていく、営業継続が困難になり出ていくといった事例が多発しています。
繰り返しますが、これまで区は、地権者が住み続けられること、なりわいを継続できるようにするために再開発が行われると説明してきました。また、地権者が判断できるよう指導助言を行っていくと答弁してきました。地権者のためになると考えるその根拠をお答えください。
市街地再開発事業における居住やなりわいの継続につきましては、権利変換制度により、個々の権利状況や選択内容に応じて整理され、従前資産を新築建物の権利床に置き換えるなどの仕組みが法令に基づき整えられております。権利床は従前資産の評価に基づき算定され、事業計画や権利変換計画の認可手続の中でその妥当性が確認される仕組みとなっており、地権者が居住、なりわいを継続できるよう検討が進められるものです。区といたしましては、事業の成立性や資金計画について確認を行うとともに、地権者の方々が無理なく居住、なりわいの継続などができる内容となるよう、引き続き再開発準備組合に対して必要な指導助言を行ってまいります。
お答えいただきましたけれども、住み続けられる保証については答弁がございませんでした。実際に地権者が住み続けられるのかという点で伺っています。各地の再開発では、住み続けられず転出する事例が生じています。負担増により継続できなくなる可能性について区は想定しているのでしょうか、伺います。
委員御指摘のように、再開発事業後の建物に入居したものの、管理費や修繕積立金の負担増を理由として転出する事例があることは区としても認識しております。市街地再開発事業における管理費等は、建物規模や設備内容等に応じて設定されるため、今後の基本設計や事業計画の中で整理されるもので、本地区においても管理費等の負担について検討が進められると聞いております。区といたしましても、地権者が御自身の個別の事情を踏まえ、資金計画や将来の生活を見据えて判断できることが大切であると考えており、管理費等も含めた丁寧な説明が行われるよう、引き続き再開発準備組合に対して必要な指導助言を行ってまいります。
やはり個別の事情などにはもう関係なく、制度上の方法でやっていきますということなんですけれども、現代ビジネスの二〇二五年七月十四日配信でタカマツハウス取締役専務執行役員の金田達也氏はこう語っています。首都圏を中心に乱立したタワマンは、資産価値や生活の質の面で深刻な問題が続出し、タワマンはもう終わりとも言われる状況である。高さを誇るタワーマンションも、地震や災害時には思わぬ脆弱性を露呈する。高層マンションでは大規模修繕費用の不足が深刻化している。放置すれば建物の老朽化が進み、スラム化しかねない。入居者の高齢化が抱える問題も見逃せない。購入時に若かったファミリー層も、時がたてば一様に高齢化し、かつてのニュータウンのように同時多発的に老境を迎える問題が発生する。高層ゆえの災害リスク、巨額の修繕費用、コミュニティーの脆弱性、投機マネーによるゆがみ、これらの問題は今後ますます顕在化し、タワマン神話は終了へと向かう可能性が高いと述べています。
中野サンプラザ再開発は、白紙化、そして計画中断。足立区の六町駅高島屋計画がありましたが、これは撤退などに見られる、そもそも事業が成り立たない実態が顕著化している中、再開発を誘導することは、無責任ではないかと私は考えます。そもそも京王線の連続立体交差事業に伴う道路整備事業の一環として駅前広場が計画されました。京王線の連続立体交差事業では、道路、交通広場、再開発はセットで動いています。
そこで伺います。区は、準備組合が主体的に再開発を選んだと繰り返し説明していますが、都市計画段階から南側は再開発を前提に位置づけられていました。区が再開発の手法に誘導したのではないでしょうか。なぜ結果として再開発一択の流れになったのか、区の関与についてお答えください。
区では、平成二十六年に事業認可された駅前広場整備に伴う行き止まりやにぎわい減少への懸念といったまちの課題解決に向けた検討に当たり、当時の地区内地権者対象の個別連絡会において、他地区の事例とともに、一般的なまちづくりの手法として、市街地再開発事業を含む四案をお示ししております。その後、地区内地権者へのアンケート及びヒアリングの結果、市街地再開発事業について理解を深めながら検討を進めていくこととなり、区も支援を行いながら、まちづくり勉強会、まちづくり準備会を経て、再開発準備組合の設立に至るまで約十年間にわたり、段階的に意見交換を積み重ねながら検討が進められたものです。
区といたしましては、こうした地権者主体の検討経緯を踏まえ、必要な支援や調整を行ってきたものであり、事業手法の選択は地権者の判断によるものと考えております。
パネルの三ページを御覧ください。これが今答弁にありました四つの案ですね。一番右側が再開発となっていますけれども、一番左は何もしないということなので、まちづくりを取り組まないということなので、これはちょっと置いておいて、この三つの中でこれだけが自己負担なしで実現できる可能性のあるものだったわけです。これを見た地権者は、やはりそうですね、今本当に事業が小さい商店などは大変だから、これを選ぶしかないかなというふうになる。これを見てそういうふうに考えるのも考えられるだろうというふうに思います。
地権者主体というふうに言いますけれども、こういう状況は早い時期に、再開発を進めようというのは結構早い時期に決まっていて、そのとき少ない人数だったんですが、後で加わった方々は判断する余地はなかったというふうに思います。
さらに重大な問題があります。今回、再開発の都市計画決定は今年九月を目指すとしていますが、具体的な権利変換の内容や負担というのは、先ほどもちょっとおっしゃっていましたけれども、その後でないと明らかにはならないんですね。つまり、中身が分からないまま都市計画だけが先に決められるという構造です。
日本橋の市街地再開発の地権者で貸しビル業を営んでいる方はこう訴えておられました。権利変換により所有の千二百八十平米の床面積が四百四十七平米へと六五%減らされてしまった。協力事業者の三井不動産から、これに合意しなければ補償金も支払わないと言われた。また、借家人に対し、都市再開発法第七十七条五項に基づき貸主から床をもらえと伝えられているが、六五%減では与える床がない、床を与えられない借主もいる。貸主、借主とも困っているとのことでした。
地権者にとっては、一度再開発の都市計画決定をしてしまえば後戻りはできません。再開発をやめるということはできない。納得できない条件をのむか出ていくしかない、こういった状況です。判断材料が十分に示されないまま重大な決定を迫るものであり、市街地再開発事業は極めて問題のある進め方ではないかと考えますが、区の認識を伺います。
市街地再開発事業は、法令に基づき、まずは高度利用地区や市街地再開発事業等の都市計画決定、その後、再開発組合設立の認可、次に権利変換計画の認可といった手続の流れとなります。区域の決定から事業計画、権利変換計画に至るまで、制度上、それぞれの段階において説明会等の開催や、地区内地権者の合意や申出等が設けられています。区では、委員が懸念されていることが起きないよう、都市計画決定手続に入る前に、組合設立認可に必要な同意率を達成するよう指導してきました。
区といたしましては、できるだけ多くの地権者の理解の下、事業が進められることが重要であると考えており、さらに多くの同意が得られるよう丁寧な説明や情報提供を再開発準備組合に求め、引き続き必要な指導助言を行ってまいります。
指導助言と言いますけれども、再開発の手続では、都市計画決定前に権利床の面積や管理費等についての実際の数字というのは示さない。どうやって地権者は自分の権利を守ることができるのか。こうした中で再開発に参加することだけを決められてしまうと、結果として不利益を受ける可能性があるということを区は認識しているでしょうか。
市街地再開発事業においては、都市計画決定後、事業全体の建物計画や資金計画の精査に応じた整理の上、事業計画が作成され、これを基に要件を満たす地権者の同意を得た上で、再開発組合設立認可の手続がされます。その後、権利変換計画の検討の中で、段階的に権利床の面積等の具体的な数値が個別に示されていくことになります。現在、再開発準備組合は、市街地再開発事業の検討の進捗に応じて、説明内容を深めながら、地権者一人一人に対し個別面談を行い、意見交換を重ねていると聞いておりますので、面談を重ねる中で、段階的に数値についても具体化され、地権者が将来の条件も含めて検討できるよう進めていくものと認識しております。
区といたしましても、地権者が各段階での情報を基に判断できることが大切であると考えており、管理費等も含めた丁寧な説明が行われるよう、引き続き再開発準備組合に対して必要な指導助言を行ってまいります。
これまでの区の答弁を聞いていますと、マスタープランでこうなっているとか、再開発の制度はこうなっているという説明に終始していますが、現に暮らしている地権者やそこで働く人にとっては人生がかかっているわけです。簡単に計画だから、そういう制度だからと言われても納得できないのではないでしょうか。
また、周辺住民にとっては、景観が変わるという実害だけでなく、再開発のことを非常によく研究しておられて、私も述べてきたようなデメリットをよく知っておられる。だからタワマンに反対しているということが、寄せられている意見を見ればよく分かります。こういった声は無視できないのではないかというふうに私は思います。
これまで日本共産党世田谷区議団は、市街地再開発事業の制度上の問題があり、烏山においても行うべきではないと主張した上で、二〇一四年の駅前広場の都市計画決定に納得がいかない地権者の救済が必要だと、こういう点で周辺住民とともにまちづくりを考える必要性を訴え、参加と協働のまちづくりを求めてきました。参加と協働は進められてきましたが、この間の説明会や、ちとからまちづくりフォーラムの情報交換会、意見書など寄せられた声は、周辺住民のタワーマンション計画に反対するものがほとんどでした。
市街地再開発タワマン建設の課題は多岐にわたります。タワマンが建てられれば、周辺地区の地価の高騰による固定資産税の上昇など周辺住民への影響が大きいこと、六百世帯が入ることによる保育待機児問題や、学校の教室不足等の影響、そして何よりも地権者にとってのリスクが高く、決して最善策にはなり得ないというふうに考えることから、千歳烏山駅前広場南側地区での市街地再開発事業は実施すべきではないということを申し述べます。
その上で、駅前広場の地権者の救済措置を改めて検討することを求め、質問者を替わります。