2026/03/12
私からは、まずひきこもりについて伺います。
先日、ひきこもりの親の会、世田谷はなみずきの会、そして世田谷区社会福祉協議会主催のシンポジウムが行われました。ここでは基調講演と、それからひきこもりの親の会、世田谷はなみずきの会の方や、一般社団法人SHIPひきこもりと共生社会を考えるネットワーク代表理事の池上正樹さんなどが参加しておられました。区長も参加していました。
私も参加したんですが、はなみずきの会の中村さんは、ひきこもりの親はどのようにひきこもりの子どもに対して対応していいのか、どこに相談すればいいのか分からない方が多い。また、先の見通しがない、ひきこもりが長期化しているなど不安が大きい。だから早く支援につながることが重要だと。会ではひきこもりについての学習や不安を話し合ったりしています。親の会のチラシなどを様々な公共施設に置いてもらいたいと働きかけをするんですがなかなか難しい。ひきこもりで悩んでいる親に知らせたいので、ぜひこの辺の工夫してもらえないかとか、あるいは親の不安は先の見通しが見えないこと、足立区のリーフなどがとてもよいので参考にしてほしいなどの要望が出ていました。
実際に親の会のチラシを区の様々な施設に置いてもらうことや、区が発行するひきこもりに関するリーフなどの工夫というのは早速してほしいと思いますが、いかがですか。
区ではこれまでも、平成二十六年度にメルクマールせたがやを開設すると同時に、子ども・若者支援協議会を設置し、ひきこもりと社会のつながりが希薄な方への支援施策を行ってきました。さらに令和四年度のひきこもり相談窓口リンクの開設とともに重層的支援協議会を設置し、若者以外のひきこもり支援についても対象を広げ議論をしてきたところです。
ひきこもり当事者につながるまでに時間を要すると、相談支援の期間も長期化する傾向については、区としても重要な課題として認識しております。令和六年度のリンクの事業報告においても、ひきこもり期間が十年以上、二十年以上に及ぶ方が一定数存在しており、家族のみで問題を抱え込み、支援につながらない状況が続きやすい実態が分かっております。こうした状況を踏まえると、早期の相談支援が結果として当事者、家族双方の負担軽減につながるものと認識しております。そのためにも、ひきこもりの実態や支援の必要性について広く周知するとともに、相談窓口の存在や先の見通しを分かりやすく伝えていくことが極めて重要であると考えております。
区としましては、引き続き関係機関での情報提供、家族会、当事者会との連携等を通じ、他自治体や学識経験者の御意見等を参考にしながら、相談先や先の見通しが分かりやすく届きやすい環境の整備に努めるとともに、広報紙やホームページでの周知をさらに工夫し、支援が必要な方が安心して相談できる体制の強化に取り組んでまいります。
SHIPの池上正樹さんが、当日、区長に対して、ひきこもり支援協議会をつくってほしいと要望されていました。今ひきこもり支援協議会がないというのは事実でしょうか、なぜなんでしょうか。
区では、令和四年度から、ひきこもりに特化した協議体として重層的支援協議会を設置し、個別ケース検討をする支援会議や実務担当者で構成されるひきこもり就労支援部会、八〇五〇支援部会で様々な課題整理や多機関連携等を行ってまいりました。今年度もこれまでのひきこもり就労支援部会と八〇五〇支援部会は、それぞれ就労支援連絡会、ひきこもり支援連絡会として支援団体や関係機関など多機関が連携し協議の場をつくっております。
御指摘の協議会については、令和六年度から重層的支援体制整備事業が全区展開されたことに伴い、重層的支援協議会の所掌範囲をひきこもり支援のみに限らず、多機関連携が必要な地域の課題に対象を広げることとしましたが、関係者の方々から、会議が多いため負担であるとの御意見等もあり、現在協議会の運営方法や構成員については見直しを行っているところです。
上記取組以外にも、令和五年度から全職員向けに重層的支援体制整備事業の研修を毎年実施したり、地域保健福祉審議会にて全区版地域ケア会議を開催し、制度のはざまの複雑・複合化した課題への意見を伺う場を設けております。今後も引き続き、ひきこもりに関する御意見についても広く把握し、当事者やその御家族に寄り添い、実効性のある施策に反映させるよう努めてまいります。
協議会が休止している状況だということで、現在組織の見直しを行うということでしたけれども、どういう場であれ、行政だけでなく学識経験者や支援団体、関係機関が連携しながら地域の実態を共有する、支援の課題を整理する、施策の方向性を検討する役割を担う場が必要だと思います。
しかし、御答弁にありましたひきこもり支援連絡会、ここには学識経験者はいないと聞いています。ひきこもりの課題について学識を含めて協議し、政策に反映させるそういった仕組みはどうなっているのか伺います。
政策に反映させる仕組みとして、先ほど申し上げました全区版地域ケア会議において、ひきこもりについて協議いたしました。なお、学識経験者は六人です。
具体的には、令和二年度から四年度までの三年間にわたりテーマとなったのが、八〇五〇問題、ひきこもりについてで、この間御審議いただいた結果、令和四年四月に、ひきこもり相談窓口リンクを開設することになりました。
全区版の地域ケア会議で学識経験者が入っているということで、ここが協議会に代わる役割を今果たしているということなんだと思います。以前はひきこもり支援協議会があって、現在は支援を個別政策ではなく、地域包括ケアシステムの中で、国の制度である重層的支援体制整備事業の枠組みの中で扱っているということなんですね。
重層支援体制は、高齢者、障害、子ども、生活困窮など分野ごとに分かれていた福祉を横断的に支援する仕組みであります。複合的な課題に対応する上で重要な取組であるし、このひきこもりの問題について、近年話題になっている八〇五〇問題のように、高齢の親と中高年の子どもの問題、まさに複数の福祉分野にまたがる課題であり、重層的支援体制の中で取り組むということは意義があると考えます。しかし、区民から見ると、重層支援の様々な課題の一つとしてひきこもり支援を扱っているわけですから、区としてどのような政策を進めているのかというのが見えにくいように感じます。
江戸川区では、支援は世田谷と同様に重層支援体制があります。それに加えて、ひきこもり支援協議会を持ち、実態調査、条例制定などを通じて、ひきこもりを区の政策課題として明確に位置づけており、行政主導で進められています。
江戸川区が二〇二一年度に実施したひきこもりの大規模実態調査というのがあるんですが、これは区内の七千六百四世帯に七千九百十九人のひきこもり当事者がいるということを明らかにしたと。調査は区内の約三十五万世帯のうち、給与収入に課税されていない人や介護などの行政サービスを受けていない人がいる十八万世帯を対象として実施し、十万世帯から回答を得たと。教育委員会で把握している不登校児童生徒の一千百十三人と、既に区の支援を受けている六十四人と合わせると、区内のひきこもりの数が九千九十六人に上っている、区民の七十六人に一人がひきこもりという結果が出ました。これは人口の一・三二%ですね。
アンケートをやったことを機に、支援にもつながっていると伺っています。内閣府の調査ではひきこもりの割合というのは一%から二%程度と言われておりまして、世田谷区においては九千人から一万八千人の間でいる可能性があると言われているんですね。でも、区ではどれほどのひきこもり状態の方が区内にいるのか、体系的な実態調査はまだ行われていません。支援を進める上では実態の把握というのが不可欠だと私は思います。世田谷区においても、江戸川区並みの実態調査を行うことを求めます。
また、国では、孤独・孤立対策推進法が成立し、自治体においても孤独・孤立対策の推進が求められています。区においては、比較的早い時期から福祉型のひきこもり支援を進めてきました。国の支援や国の制度が区の実践に追いついてきたと言っても過言ではないんですが、しかし、新たにひきこもりの長期化と高齢化の問題が課題となる中、社会的孤立が社会問題となっています。孤独・孤立対策を区の政策課題としてより明確に位置づけていく必要があるのではないでしょうか、見解を伺います。
区では、これまでも早い段階から福祉型のひきこもり支援を進め、地域の中で孤立を生まない取組を進めてまいりました。国において孤立・孤独対策推進法が成立し、孤独・孤立が社会的な課題として位置づけられたことは、こうした区の実践を後押しするものと受け止めています。
一方で、ひきこもりの長期化、高齢化など新たな課題が顕在化していることも認識し、基本計画にも位置づけてまいりました。区としても、今後、孤独・孤立対策を重要な政策課題の一つとして位置づけることを検討し、関係部門が連携し、切れ目のない支援体制の強化を進めてまいります。
積極的に位置づけて進めていただきたいというふうに思います。
それで、関係機関や家族会など、ヒアリング調査をこれまで世田谷区はやってきたというふうに思うんですけれども、そういうような調査だけでは、九千人から一万八千人いるひきこもり当事者までには届きません。アンケートなどをやることによって支援につながるということも期待されますので、これはやる必要があるのではないかと思っています。
子どもの貧困対策では、区内の小中学生と高校生を対象に大規模な実態調査が行われました。区は調査の結果に基づいて、子どもの貧困対策を政策主導の下体系的に推進してきた。これは強いです。区の基本計画においてひきこもり対策、今おっしゃっていただきましたけれども、孤立・孤独の対策を進めるとおっしゃっているのであれば、しっかりと実態調査を行うことを重ねて求めます。
次に、子どもの貧困対策について伺ってまいります。
子どもの貧困対策は、現在の生活の困難にとどまらず、教育の機会の格差が将来の子どもの進路や所得に影響し、次の世代へと貧困が引き継がれてしまう、いわゆる貧困の連鎖につながることが大きな課題です。その意味で、子どもたちが家庭の経済状況に左右されることなく学び、安心して成長できる環境を整えることは、子どもの貧困対策の中でも非常に重要な取組です。
まず、まいぷれいすについてです。区が実施しているまいぷれいすは、安心して過ごせる居場所を提供するとともに、学習支援や生活支援を行う取組であり、子どもたちの孤立を防ぐ上で大変重要な役割を果たしていると考えます。利用者の中には児童相談所に関わった経験のある子どもや、家庭での養育が困難な状況にある子ども、経済的困難を抱える家庭の子どもなど、複合的な課題を抱えるケースが多いと聞いています。こうした子どもたちにとって信頼できる大人との継続した関係は非常に重要です。
これまで私は、まいぷれいすを利用してきた子どもたちについて、中学校卒業後も支援が途切れることなく伴走支援を行う必要があるということを求めてきましたが、この間、区として取組が進められて、現在は中学卒業後も四十人に対し支援が行われていると聞いています。子どもたちの状況を踏まえた前向きな取組であり評価したいと思います。現在行っている卒業後の支援ですね。具体にはどんな形で子どもたちに関わっているのかお聞かせください。
まいぷれいすは、複合的な困難を抱えた家庭の中学生に対する事業ですが、中学卒業後も、高校中退防止や家庭の見守りのため、高校卒業までアフターケアを実施しております。具体的には、子どもと保護者への定期的な連絡、高校生世代の子どもを対象とした定期的なイベントの実施、調理ボランティアの機会の提供、保護者へ官民の支援サービスに関する情報提供を行い、必要に応じて高校とも連携し、登校支援や転学等のサポートをしております。
また、子どもたちの一部は高校入学後、生活困窮世帯の高校生等の学習支援まなラボや青少年交流センター等の利用につながっております。高校生世代はアルバイトや部活、通学等で時間の制約があるため、既存の支援サービスや地域資源等を活用しながら、高校をはじめ関係機関と連携し、義務教育終了後も切れ目なく支援してまいります。
大変手厚い支援をしていただいているというふうに思います。ぜひ引き続きお願いしたいというふうに思います。
次に、まなラボについてです。区では生活困窮世帯の子どもを対象とした学習支援としてまなラボの取組を実施しています。学習支援だけでなく、進路相談なども含め子どもたちの進学を後押しする重要な施策であると評価しています。実際にまなラボの利用者の中から、今年度は大学や高校への進学が決定した子どもが九割と聞いています。子どもたち本人の努力はもちろんですけれども、支援に関わる皆さんの継続的な関わりが成果につながっているものと受け止めています。
一方で、進学はゴールではなく新たなスタートでもあります。家庭の経済状況が厳しい子どもたちの場合、進学後も学習面や生活面で困難に直面することが少なくありません。子どもの貧困対策として、貧困の連鎖を断ち切るという観点に立てば、進学という節目だけでなく、進学後の子どもたちを見守り、必要に応じて相談や支援につなげるアフターケアの視点も重要ではないかと考えています。まなラボを利用して進学した子どもたちについて、進学後の状況の把握や相談対応など、区としてアフターフォローの必要性についての考えをお聞かせください。
生活困窮世帯の高校生等の学習支援事業まなラボは、高校中退防止や高校卒業に向けた支援を強化するため、令和七年六月より区内三か所にて実施しております。今年度利用登録した二十五名のうち、高校を卒業する四名全員の大学進学が決定いたしました。まなラボを卒業する子どもたちへのアフターケアの必要性を認識しており、区の若者支援や国及び民間の給付型奨学金の情報提供をするとともに、大学進学後も定期的な連絡を取りまして状況を把握し、必要に応じて相談に乗り関係機関へつなげてまいります。
本当にまなラボやまいぷれいす、それぞれアフターケアが必要だと思いますので、ぜひお願いしたいと思っております。区として、こうした子どもたちの伴走支援というのを今後どういうふうに充実させていきたいとお考えなのか伺います。
子どもの貧困の解消に向けて子どもの権利を保障する切れ目のない子どもの貧困対策を推進していくことが不可欠だと認識しております。子どもの貧困対策計画においても、親の妊娠・出産期から子どもが若者となり、卒業、就職して社会的自立が確立されるまでを見据えた支援の充実や、生活困難を抱える子どもや保護者が社会的に孤立せず、必要な情報を得て適切な支援につながるための支援体制の強化を目指しております。
そのため、支援者によるアウトリーチ支援やプッシュ型支援により生活困難を抱える子どもや家庭に直接的に働きかけ支援を届けると同時に、要保護児童支援協議会や子ども・若者支援協議会、重層的支援会議等の枠組みの活用などを通じて、顔が見える関係による支援体制を強化する取組を進めてまいります。
副区長に伺います。短くてすみません。まなラボ利用者は、生活保護と住民税非課税世帯です。ここに対する支援をやっていただいていますけれども、奨学金をまなラボに通う住民税非課税世帯へと拡充していただきたいと思いますが、ちょっと時間が足りなくなりましたので、これは次の機会にさせていただきます。
子どもたちへの支援をぜひ拡充していただきたい。ありがとうございました。