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令和7年 決算特別委員会 総括説明・総括質疑

2025/09/30

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住宅政策について

たかじょう訓子 委員

 私からは、住宅政策について伺います。

 日本の住宅政策は、長年、持家政策を中心に据え、住宅の確保を自己責任として市場任せにしてきました。その結果、公的責任は後退して、新自由主義的な政策が進んできたという状況だと思います。

 都市部では、国家戦略特区などを利用した規制緩和の下、住民不在のまま、デベロッパーの利益を優先した再開発が進められています。その典型が、タワーマンションを中心とする高層住宅の林立です。

 この間、物価の上昇とともに住宅価格や家賃が急騰し、固定資産税の負担も増えました。東京二十三区では、二〇二三年に新築マンションの平均価格が一億円を超え、今年五月には中古マンションの平均価格も一億円を突破しました。もはや一般の勤労世帯や子育て世帯が都心部に住み続けることが難しくなりつつあるんじゃないでしょうか。こうした状況は首都圏だけでなく地方都市にも広がっています。

 しかしながら、政府は、この深刻な事態にほとんど無策です。日本の世帯の約四割は賃貸住宅に住んでいますが、借家人への家賃補助制度は極めて脆弱です。高齢者からは、年金だけでは家賃が払えず生活が成り立たない、子育て世帯や単身世帯からは、収入の半分以上が家賃で消えていくといった悲鳴が寄せられています。

 政府が行っているのは、住宅セーフティネット制度による家賃低廉化制度だけです。家主に対して最大月額四万円の補助を行うものですが、総額二百四十万円を限度とする小規模な制度にすぎません。しかも、実績は、制度開始から九年が経過した今でも全国で僅か六百三十戸にとどまっています。国の住宅政策は、セーフティーネットの役割を果たすには到底十分とは言えません。

 他方で、アメリカ、イギリス、フランスをはじめOECD諸国では、公共住宅の整備や家賃補助制度は当たり前の政策です。欧州では、賃貸住宅に住む世帯への家賃補助が一般的に整備され、所得に応じた負担で住まいを保障しています。日本の住宅政策がいかに立ち遅れているかは明らかです。

 このように国が責任を果たさない下で、住民に最も身近な基礎自治体である世田谷区が住まいは人権と掲げた住宅条例の立場を具体化できるかどうかが問われていると思います。

 世田谷区ではこれまで国の住宅セーフティネット制度を活用しておりまして、これは数少ない自治体の一つです。当初、制度の対象外であったJKK住宅で区独自の支援を実施し、その後、国の制度に組み込まれるなど、先駆的な役割を果たしてきました。こうした取組を評価します。
しかし、区内の住宅事情を見れば、まだまだ不十分です。アンケート調査でも、住宅支援のニーズが極めて高いことが明らかになりました。区民の切実な声に応えるために、国にも声を上げていただきたいですし、世田谷区自身が公共住宅の充実という明確な方針を掲げ、国や東京都に先駆けて実践していただきたいというふうに思っています。

 まず、JKKとの連携について伺ってまいります。現在、区内ではJKK住宅の建て替えが進んでいます。砧地域の大蔵住宅、祖師谷住宅、烏山地域の松葉通住宅、さらに、烏山北住宅でも今後、建て替えが見込まれています。

 区民の方、住民の方からは、家賃が上がる予定で元に戻れない、建て替え後も住み続けられるかどうかが不安だとの声が寄せられています。現状、家賃四万円台で住んでいた世帯が同じ水準の住宅を探す場合は、都営住宅か区営住宅、あるいは東京都下の古いJKKなどになります。建て替え後は当初は低額で入居できるとしても、一定期間を経ると本来の家賃に引き上げられてしまいます。結果として住み続けることができなくなります。これは、平成十六年の地方住宅供給公社法改定により導入された近傍同種家賃制度や継続家賃改定ルールが原因です。

 一方で、JKK自身も役割を見直しつつあります。高度経済成長期には中堅所得者・ファミリー層向けとして整備されたJKK住宅ですが、今は、高齢者や子育て世帯など住宅確保要配慮者を重視する方向へとシフトしています。しかし、近傍同種家賃制度に縛られるため、低廉な家賃設定はできません。このままではセーフティーネットの役割を十分に果たすことはできません。
そこで伺います。区がJKKと協力し、住宅確保要配慮者に対して家賃補助を行うなど、住み続けられるための支援に取り組むことはできないでしょうか。区の見解を伺います。

◎清水 副区長

 これまで、東京都住宅供給公社の住宅の建て替えに際しましては、高齢の居住者の方より戻り入居や転居先に関する御相談を受けており、区営住宅や都営住宅の高齢者向け住戸に関する情報提供や、お部屋探しサポート事業への紹介等を行ってまいりました。

 また、区が実施するひとり親世帯家賃低廉化補助事業では、東京都住宅供給公社と連携し、公社住宅の一部を補助対象住宅とする取組を進め、住宅確保要配慮者への家賃負担軽減などの支援も行っております。

 区といたしましては、東京都住宅供給公社と協力、連携をすることで、家賃補助やセーフティーネット住宅の活用がさらにできないか、引き続き住宅確保要配慮者への居住支援を検討してまいります。

たかじょう訓子 委員

 今おっしゃっていただきましたひとり親世帯家賃低廉化補助事業ですけれども、JKKの協力でそれを実現しているということだというふうに思うんですね。今、JKK住宅のほうでは、もう住宅確保要配慮者への支援が必要だということで、シフトしていると言います。ぜひここを積極的に進めていただきたいというふうに思います。

 あわせて、このJKK法が改定されたことによって、近傍同種家賃制度、継続家賃改定ルールというのが大きく影響しているというふうに思います。我が会派としては、やはりこういった制度改正、これを元に戻していくということも必要ではないかというふうに考えているところです。

区営住宅の拡充について

たかじょう訓子 委員

 続いて、区営住宅の拡充について伺ってまいります。住宅のセーフティーネットの根幹は公営住宅です。ところが、日本では、ニーズが高いにもかかわらず、二〇〇五年度に二百十九万戸あった公営住宅は二〇二一年度には二百十三万戸に減少しました。全住宅に占める割合は僅か三・四%です。

 東京都では、石原都政以降、都営住宅の新規建設はゼロのまま、応募倍率は一般募集で二十倍、単身者向けでは五十倍を超えています。これは、実質的に入れない住宅になってしまっていると言えると思います。
世田谷区の区営住宅は一千五百十一戸、そのほか、特定公共賃貸住宅、区立ファミリー住宅、区立高齢者借り上げ集合住宅八十五戸にとどまっているという状況です。

 昨年の区営住宅の応募倍率は十四倍との答弁をいただいております。さらに、昨年行った区のアンケート調査で、住宅支援のニーズが非常に高いということが確認されております。それにもかかわらず、今議会に示された第四次住宅整備後期方針(素案)では、戸数拡充といった明確な方向性が示されていません。

 住宅のセーフティーネット施策の重要性についての認識、そして戸数を増やしていく明確な方針を上げるべきではないかというふうに思いますが、認識を伺います。

清水 副区長

 昨今の住宅価格の高騰は賃貸住宅の家賃にも影響を与え、物価高騰に加え、住宅確保要配慮者の生活の安定を脅かしつつあると考えております。これまで以上に公営住宅の果たす役割が求められている中、依然として応募倍率が高いなど、区内の公営住宅の供給には課題があると認識しております。

 区営住宅の再整備として、最近では、区営豪徳寺アパートの新たな建設における高齢者・障害者住戸の確保や、既存住宅では子育て世帯向けの住戸の段階的な拡充、今般の高齢者向けせたがやの家の終了に当たっては、その一部を区営住宅として借り上げ、都営住宅の移管受入れと合わせ高齢者向け住戸を再編するなど、多様な世帯に向けた住宅の供給に努めてまいりました。

 今後、区営住宅の入居世帯の状況や将来予測とともに、既存の住戸ストックや財政状況等に考慮しながら、区営住宅再編、整備に関する方針の検討の中で区営住宅全体のボリュームを検討してまいります。あわせて、都営住宅等の公的住宅の建て替え時には、多様な住まい方に対応した住宅供給を要請するなど、公的住宅のストックの整備に努めてまいります。

たかじょう訓子 委員

 応募倍率が十四倍という現状は、セーフティーネットとしては機能していません。区は再整備の中で検討するというような、それは計画のほうでも、方針のほうでも書いてありますけれども、それだけでは不十分だというふうに思います。本会議のところでも、若者、現役世代への住宅への支援について積極的な答弁がございましたけれども、パイの配分を変えるだけでは、その問題というのは解消いたしません。絶対数そのものを拡大する政策転換が不可欠だというふうに思います。

  世田谷区は住まいは人権と明らかにしておりますけれども、その言葉にふさわしく、住宅政策においても、新自由主義的な市場任せから転換し、公共住宅を抜本的に拡充することが求められているというふうに思います。

 ここで区長にもちょっと御意見を伺いたいんですけれども、区長はコモンの再生ということを主張されておられます。世田谷区が率先して住宅政策を転換していくということが非常に重要だというふうに思っているんですね。

 この間、私は子どもの貧困対策などを主に多くやってまいりましたけれども、その中で、例えばひとり親の家庭へのアンケート調査というのを定期的にやっています。そこで、家計を一番脅かしている、家計のうちで一番重いと感じるものは何かという問いに、一番がやはりずっとこの間、住宅なんですね。やはり、それはひとり親家庭だけに限りません。経済的に困難な方々、経済的な基盤が脆弱な方々にとってはこれは共通の意見だというふうに思っています。

 ぜひ世田谷区は住まいを人権として保障する姿勢を示すことが本当に重要だというふうに思います。区長、その辺の見解を伺いたいと思います。

保坂 区長

 日本の住宅政策は、戦後、かなりしばらくの時期、公団住宅と言われる、現在はURになっていますけれども、公的な住宅、あるいは都営だったり、県営だったり、あるいは雇用促進住宅と、公共的な住宅を拡充するという路線で来ましたけれども、九〇年代終わりか二〇〇〇年、小泉内閣当時ですけれども、もう公共住宅はつくらなくていいと、民間のマンションに任せればいいんだと、むしろ公共のほうはそれを邪魔してはいけない、こういう政策に大きく変わりました。

 ただ、諸外国では家賃の上昇にキャップをはめるような政策がなされていましたが、日本では全くそれができていなかったので、今日、非常に高過ぎる分譲価格、そして家賃の上昇ということがございます。住宅政策がこの間の本会議でも大変大きな話題になりまして、区としても喫緊の重要な課題だという認識をしております。

 清水副区長からもいろいろ答弁がありましたけれども、まず二つあって、短期的、即効性がある、やっぱり住宅に対する、住まいへの支援、これをやっていくこと、もう一つは、中長期的に区営住宅の建設、今、都営からの転換はやっていますけれども、例えば環境共生住宅もその転換でしたけれども、世田谷区としての公共住宅資源の拡充ということも課題として検討していきたいと考えております。

たかじょう訓子 委員

 ぜひ今回の方針のところでしっかりと示していただくことを求めまして、日本共産党の質疑を終わります。

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