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一般質問 令和7年02月21日定例会

2025/02/21

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教育の無償化に向けた取組の推進を

たかじょう訓子 議員

 通告に基づき、伺います。

 初めに、就学援助利用者に配慮した学校運営と教育の無償化に向けた取組の推進を求め、伺います。

 今年度、中学一年生の就学援助利用の保護者から、年度初めに、学校から年間の補助教材の徴収金約三万円の一括払いを請求された。貯金も乏しく、支払いは困難と伺いました。就学援助の利用者からは、急な出費で耐えられる金額は月五千円程度までと伺っています。中学一年生の一学期の支給は七月末、一万二千二百三十円です。年度初めに三万円の学校徴収金を払えば、光熱費が払えなくなる、食費を減らすなどが考えられます。三万円の支払いがどれだけ大変かは想像に難くありません。この間、区は就学援助利用家庭に負担にならないよう、支給回数を増やし、支給時期にも配慮してきました。実情に合わせた取組と評価しています。

 今、教員の負担軽減の必要性が高まっており、学校徴収金の集め方を変えていくこと自体は必要な変化です。しかし、これにより就学援助利用者に負担を強いることになってはなりません。経済的基盤が脆弱な世帯に配慮した計画とすべきです。見解を伺います。

 今回、食材費の高騰を反映した給食費単価に見直されることが示されました。区の取組を評価します。同様に、学用品費の高騰も顕著になっており、来年度からの就学援助の支給額に反映し、実態に合った額に見直すことが必要です。この間の検討状況を伺います。

 区民の方にお話を伺う中で、保護者から、制服の購入費用や修学旅行の積立てなどについて負担感があるとの訴えを繰り返し伺ってきました。国、都、世田谷区も税収を伸ばし、来年度予算額は史上最高を更新する一方、区内の子どもをめぐる状況は、子ども食堂の利用者がこの五年で三倍になるなど、貧困と格差の問題は深刻化しています。教育格差の拡大も叫ばれており、子どもの教育の機会を担保するためにも、教育の無償化の推進はますます重要となっています。

 品川区では、既に小中学校の補助教材費の無償化を実施していますが、来年度より制服と修学旅行費の無償化も実施するとのこと。二十三区内では港区、台東区、墨田区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区も同様の支援を開始するとしており、新たな教育の無償化に向けた取組は七区に広がりました。先ほど述べた学用品費の見直しも、学校徴収金の問題も、補助教材費を無償化にすることによって解消でき、教員の負担軽減にもつながります。

 国に対し、教育の無償化を求めるとともに、当区としても、補助教材費、制服、修学旅行の無償化、国立、都立、私立小中学校、インターナショナルスクールなどの給食費無償化等、他区にも遅れることなく早急に検討を進めていただきたい。見解を伺います。

英語スピーキングテストについて

たかじょう訓子 議員

 次に、英語スピーキングテストについて伺います。

 都内公立中学校三年生を対象に東京都教育委員会が行う三回目となる英語スピーキングテストが昨年十一月二十四日に実施されました。都立高校など二百三十か所、約七万人が受験しました。英語スピーキングテストの都立高校入試への活用中止を訴えてきた研究者や保護者の団体、都議会議員連盟が試験後に行った実施状況調査によると、音漏れ等があり、待機中の受験生に聞こえていた。機器の不具合や試験開始の遅れなどの問題が生じた。機器トラブルによる待機中に教室に鍵をかけられ、五時間閉じ込められ、トイレにも行けなかった。再受験を余儀なくされるなど不適切な運営が明らかになり、都教委に対し、謝罪や調査等を求めていました。

 これに対して都教委は、テストは適切に実施された。音漏れにより解答をまねることは現実的でない。よって調査は行わないなど、あまりにも不誠実な回答でした。本来、入試は厳正に行われ、何よりも公平、公正さが保障されなければならないものです。テスト結果の入試活用を中止することを求めるものです。

 英語スピーキングテストは、中学校一・二年生でも開始しています。世田谷区内の現状について区はどう把握しているのか、どのような声が上がっているのか、伺います。また、必要な意見を都教委に伝え、改善等を求めるべきです。見解を伺います。

防災対策の充実を

たかじょう訓子 議員

 次に、防災対策について伺います。

 震災時被害想定によると、区内五十か所で火災が起こることが想定されています。しかしながら、区内には二十五台のポンプ車しかなく、震災時に消防車が駆けつけられるとは限らない状況です。そのため、消火器やスタンドパイプなどを活用した初期消火、地域住民の皆さんで構成する消防団の活動などが重要です。

 区は、災害対策基金を活用し、地域、地区の防災力を高めるため防災区民組織へのスタンドパイプや消火器の支援を行っており、さらに、個人宅での消火器の備えを進めるため、消火器の購入あっせんも行っています。しかし、二〇一六年、日本消火器工業会、消火器リサイクル推進センターが行った家庭内の消火器保有実態に関する全国調査の結果では、消火器の一般家庭の保有率は約四一%でした。

 現在、在宅避難の周知啓発を行っていますが、あわせて、初期消火の重要性、消火器保有の必要性の周知、啓発や購入支援などを進めていただきたい。特に木密地域では積極的な支援を求めます。見解を伺います。

 今議会に、世田谷区耐震改修促進計画の見直しの視点が示されました。世田谷区における木造建築物の耐震化率は、目標である九五%を達成する見込みです。二〇〇〇年基準での耐震化助成も今年度スタートしており、今般の計画にも位置づけられる予定です。さらなる耐震化率の向上のため、耐震工事費用等への補助について積極的な引上げを求めます。見解を伺います。

 災害時、避難所等において、トイレの環境悪化により健康被害を引き起こすことが懸念されており、トイレ問題は避難所生活においての大きな課題となっています。区では、災害時利用のマンホールトイレ整備と携帯トイレ普及の二本柱で対策を進めており、マンホールトイレについては避難所全てに整備済みと伺っています。

 しかし、マンホールトイレの支管の経年劣化や災害時における破損があれば使用が困難になります。支管の状態の実態把握、適切な維持管理等の対策を求めます。見解を伺います。

 二十三区では、品川区、目黒区でトイレトレーラー、トイレトラックの導入を決めました。自治体が持つことにより、災害時のみならず、被災した他の自治体への支援にも活用するものです。能登半島地震では、トイレトレーラーが届いた避難所で多くの被災者から衛生的な設備に大きな喜びの声が上がったと報道されました。

 区においても、マンホールトイレが使用できなくなった場合の活用や、避難生活の質の向上、災害支援活用のためトイレトレーラー等の導入を進めていただきたい。見解を伺います。

区内の緑地保全を進めよ

たかじょう訓子 議員

 最後に、緑地保全について伺います。

 等々力渓谷での倒木を機に、区は、回復が見込まれる樹木について、古来からの手法を用いて養生し、保全に向けて取り組んでおり、その手法を区職員が学んでいると伺っています。先般、岡本緑地において倒木が民家の屋根に損傷を与えてしまったとの報告がされており、今後、区有緑地の保全に向けた計画的な取組が求められています。

 等々力渓谷での取組は具体にどのような手法で行っているのか、どのような効果を期待しているのか伺います。

 また、今後に向け、職員の体制強化や計画的な職員育成を進めていただきたい。見解を伺います。

 以上で壇上での質問を終わります。

答弁

秋山 学校教育部長

 私からは、教育の無償化について三点、英語スピーキングテストについて一点、御答弁いたします。

 まず、学校徴収金の集め方についてでございます。

 各小中学校における教材費や校外学習費などの集金の時期や回数は、教材の購入や業者への代金支払いの時期、また、校外活動の実施時期などにより各学校で異なります。特に、中学校では年度当初に教材等を一括で購入するため、集金も五月から六月にかけ一括で集めることから、その額も大きくなる傾向があると把握しております。

 就学援助につきましては、税務情報がまとまる六月以降に審査に必要な税務関係情報を照会できるため、事後払いを原則としつつも、速やかに援助し、家計への負担を和らげてまいりました。現在、学校徴収金事務については業務の見直しを行うこととしており、これと併せ、就学援助の運用を基本としつつ、どのようなことができるのかについて改めて検討してまいります。

 次に、学用品費について、来年度からの就学援助の支給額に反映も含め、現在の検討状況についての御答弁でございます。

 就学援助における学用品費の支給額につきましては、二十三区では本区も含め、多くの区で都区財政調整における積算基礎単価を基に設定しておりますが、令和七年度についても積算基礎単価に見直しの予定がなく、据置きの予定としております。教育に係る保護者の経済的負担はできるだけ軽減することが望ましいと認識しており、就学援助につきましては、これまで対象世帯の拡大に加え、支給金額や支給時期の見直しなど支援の拡充に取り組んでまいりました。学用品費につきましても、東京都の積算基礎単価の見直し状況のほか、他自治体の動向なども注視しながら、引き続き検討してまいります。

 次に、国に対し、教育の無償化を求めるとともに、他区に遅れることなく早急に検討を進めよについて御答弁いたします。

 子どもたちに対する教育は、社会経済情勢や家庭環境などに左右されることなく、等しく保障されるべきものであると考えております。こうしたことから、教育の無償化につきましては、基礎的かつ重要な施策として、少子化対策の観点からも国が主導してその制度設計等を実施すべきものと考えており、国における議論を注視しているところです。

 このたび、教育委員会では三月策定予定の学校・教育委員会が実践する教育の質を高める働き方改革推進プランを実施するため、働き方改革の実施項目ベースで前年度比約九億円増の予算案を編成し、区立小中学校の児童生徒に広く還元できるようにしたものでございます。

 一方で、この間、区では保護者の経済的負担軽減のため、区立小中学校の給食費の無償化など、優先的に支援すべきと判断したものについて機動的に実施してまいりましたが、引き続き区長部局とも連携し、国の動向も見極めながら慎重に検討してまいります。

 最後に、英語スピーキングテストについて御答弁いたします。

 中学校一・二年生を対象としたスピーキングテストは平日の授業時間を使って実施されており、業者からタブレット端末とヘッドセット等の必要機材が各校に届き、当日の試験運用も業者から派遣される試験監督者が行います。受験の同意及び申込みを含むアカウントの作成等は保護者が専用ポータルサイトから行い、教員は各家庭の状況に応じた支援と申込み確認を行います。

 一・二年生を対象としたものも含め、中学校英語スピーキングテストの実施状況は都が直接集約しており、区として全体を把握しているものではありませんが、申込みフォームの不備や当日の機器の不具合といった運営上の問題点が学校や保護者から区教育委員会に対しても上がっております。

 一方で、外国語科は聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの四技能の習得を目指しており、話すことに関する習得状況をはかるスピーキングテストが入試で行われることには合理性があるものと考えております。しかしながら、入試における運用上のトラブルは生徒に大きな不安を与える問題であり、保護者や教員の大きな負担になることも踏まえ、区教育委員会といたしましても改善に向け、把握した問題点等を東京都教育委員会に報告するとともに、至急の改善を要望してまいります。

 以上でございます。

大塚 危機管理部長

 私からは、三点御答弁いたします。

 初めに、初期消火の啓発と、消火器の購入支援についてです。

 震災時における初期消火は、延焼被害の拡大防止のためにも非常に重要であると認識しています。このため、区といたしましては東京都消防設備協同組合第十二支部と覚書を締結し、家庭用消火器をあっせん価格で区民に提供し、「区のおしらせ」や各窓口でのチラシの配布により周知しております。また、消防署と連携し、火災予防の啓発や、震災時等における初期消火の重要性についても啓発を実施しております。

 今後は、消防署との連携をさらに強化し、火災予防等の情報を災害・防犯情報メールで配信する際に、家庭用消火器のあっせんの周知を行うなどの工夫を検討してまいります。特に、火災の危険性の高い木造住宅密集地域に対しては、総合支所、消防署と協力し、様々な機会を捉えて啓発を行ってまいります。

 次に、トイレトレーラーの導入についてです。

 区では、この間、トイレ環境の整備のために指定避難所等へのマンホールトイレの整備のほか、携帯トイレの備蓄、今般の防災カタログギフト事業等を通じた啓発など、多角的な対策に取り組んできたところです。

 議員御提案のトイレトレーラーについては、他自治体でのガバメントクラウドファンディングによる導入事例があることは認識しておりますが、導入に当たっては約三千万円の車体購入経費に加え、維持管理経費として毎年数百万円程度が見込まれ、一台当たり約三百人の一日分の容量である点も踏まえた実効性の担保など、他の対策と比較した検討を重ねる必要があると考えております。区といたしましては、引き続き他自治体の事例等も研究しながら、限りある財源をより効果的に活用し、災害時のトイレ対策に取り組んでまいります。

 最後に、マンホールトイレの支管の劣化や破損についてです。

 マンホールトイレにつきましては、区では平成十三年頃から設置を進めており、現在まで区内約百七十か所に千基余りを設置してきております。また、設備の耐用性につきましては、材質や構造による個体差はあるものの、塩化ビニールや鉄筋コンクリートの耐用年数からすると、少なくとも四十年から五十年程度の耐用年数になり、数年単位での経年劣化や地震動による破損リスクは低いものと考えております。

 区では、三年ごとの点検において排水管のモニタリング等を行っているところですが、改めて点検時の劣化状況の確認を徹底するなど、引き続き、適切な維持管理に取り組んでまいります。

 私からは以上です。

山梨 防災街づくり担当部長

 私からは、耐震化率向上のために工事費用等への補助の引上げを求めるについて御答弁いたします。

 今般、議会にお示ししました世田谷区耐震改修促進計画につきましては、この間の取組と耐震化の状況、新たな耐震化の目標の考え方、今後の取組や新たな施策の方針を見直しの視点としてまとめました。見直しの視点をまとめるに当たり、耐震化の必要な建築物の所有者へのアンケートを実施し、耐震化の進まない要因として、議員御指摘の助成金額や支援制度の情報発信についての御意見をいただいております。

 区としましては、今後の計画改定作業の中で社会情勢や国、東京都などの動向も注視し、助成金額の見直しや、建築物の耐震化へとつながる普及啓発方法など、より各建築物の耐震化が進むための方策の検討を進め、災害に強いまちづくりを実現してまいります。

 以上でございます。

釘宮 みどり33推進担当部長

 私からは、緑地保全について、二点お答えいたします。

 まず、その手法と効果についてです。

 現在、崖線樹林地の保全に当たっては、成城みつ池緑地や成城三丁目緑地などにおいて、世田谷トラストまちづくりとも連携し、区民等との協働の下、自然な姿に近い形での保全活動に長らく取り組んできたところでございます。また、今年度、等々力渓谷で試みた根上がりした根の間に石をかませ、安定させる処置、地面に竪穴を掘り、雨水の浸透促進や、落ち葉や炭、わらなどの有機物などによる根の活性化等は、崖線樹林地の改善には有効な手法と考えております。

 区では、国分寺崖線に点在するそのほかの緑地等においても、地域の様々な主体と連携した取組の可能性を模索しながら、末永く地域に根づいた活動を充実、拡充することで持続性ある強く健全な樹林地等の保全、育成につながっていくものと考えております。

 続いて、職員の体制や育成についてです。

 崖線樹林地の保全に当たっては、保全の在り方を含め、地域との関わりの中で学ぶことも多く、これまで区民や事業者などとともに積み上げた知見を職員間で継承していくことが重要であると考えております。そのため、樹林地の管理に関わる区民や事業者等とともに、これからの崖線樹林地を考える意見交換会や現地見学会の開催など知見を深め、共有しながら試行、実践を重ねているところでございます。

 今後につきましても、持続性ある崖線樹林地の保全等には不可欠である区民等との協働による取組の充実、拡充を目指す中で、必要な人員等の適切な配置に努めていくとともに、限りある予算、人員において効果的な取組となるよう、計画的な職員育成に注力してまいります。

再質問

たかじょう訓子 議員

 英語スピーキングテストについて再質問いたします。

 問題が噴出している英語スピーキングテストについて、一度、立ち止まり、検証するべきであると思います。区長として東京都に働きかけていただきたいというふうに思います。見解を伺います。

再答弁

保坂 区長

 たかじょう議員の再質問にお答えいたします。

 英語スピーキングテストについて、所管からお答えをしたように、東京都として行われているものでありますが、区のほうでも申込みフォームの不備や、当日の機器の不具合といった運営上の問題を聞いているところでございます。

 中学校英語スピーキングテスト結果の都立入試に対しての活用について、この中止を求める請願が都議会に提出されたということも聞いております。英語の技能の習得状況をチェック、はかることは、必要ではありますが、生徒や保護者の不安の解消に向け、その手法における問題点や課題について、区の教育委員会から東京都教育委員会に情報提供し、改善を教育委員会のほうに求めていると聞いています。

 これら、私自身もこのスピーキングテストについての、議員お話しの問題点を整理した上で、必要があれば区長会等で改善について要望してまいります。

 以上です。

たかじょう訓子 議員

 ありがとうございます。必要があればということでしたけれども、実態を調査した結果も聞いておりますので、しっかりそこを受け止めていただき、東京都に意見を言っていただきたいというふうに思っております。

 学用品費、就学援助の問題についても、これは所得が低い世帯で本当に問題ですので、しっかり来年度で実施できるように検討を進めていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

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