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令和6年 予算特別委員会 都市整備領域

2024/03/14

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北烏山七丁目緑地について

たかじょう訓子 委員

 おはようございます。これより、日本共産党の都市整備領域の質疑を始めます。

 まず、北烏山七丁目緑地についてです。

 北烏山七丁目にある岩崎学生寮周辺樹林地は、樹林の保全を求める一万人を超える署名が集まる運動になりました。ディベロッパーに売却されましたが、マンション建設には至らず、一昨年、区が取得し、緑地公園整備を行うことが決まりました。地域住民からは大きな期待が寄せられており、住民の方から災害対策としての役割、ふだんのコミュニケーションの場など、また、子どもの外遊び、プレーパークの移転先など多くの要望が寄せられています。

 整備に当たって昨年もオープンパークが開催され、住民の要望も寄せられたと聞いています。今後もワークショップを開催し、地域の子どもの声を聞いて、住民とともに進めてもらいたいというふうに思っております。今後の状況と今後の住民参加のやり方について、どのように進めるのか伺います。

髙橋 みどり33推進担当部副参事

 (仮称)北烏山七丁目緑地づくりにおきましては、本年二月に上位計画との整合を図り、緑地整備の基本的な考え方として、基本構想をまとめました。その中において、住民協働による計画づくりを掲げております。また、今年度、区として土地の一部を取得したことから、地域に初めて現地を開放するイベントを、秋の紅葉の季節に合わせて、十一月十一日土曜日と十五日水曜日に開催し、延べ約四百人の方にお越しいただきました。

 このイベントでは、本緑地事業及び生物資源調査結果の概要のパネル展示やアンケート調査、温かい飲み物のサービス、椅子やテーブルの貸出しなどを行い、来園者に自由にくつろいでいただきながら、大きく育った樹木や、現地に残された自然を感じるなど、この緑地の魅力を知っていただきました。

 アンケートでは、自然が多く、子どもが葉に触れ小さな虫を見つけることができたや、樹木を間近に見られて、風の音を体験できたなど緑地の魅力についての回答をいただきました。次回は、桜の季節に合わせまして、今月末の三月二十七日水曜日、三十日土曜日に、春の現地開放イベントを実施し、来ていただいた皆様から、緑地整備に関する御意見をいただきたいと考えています。

 こうしていただいた意見を材料としながら、令和六年度以降、地域の方々に御参加いただくワークショップや地域の子どもたちだけで緑地づくりを考える機会を設けまして、地域の声を反映した緑地整備を進めてまいります。

たかじょう訓子 委員

 大変期待しておりますので、どうぞよろしくお願いします。

ユニバーサルデザインのバス停留所について

たかじょう訓子 委員

 次に、ユニバーサルデザインのバス停留所について伺います。

 先日、車椅子利用者の方から、歩道のバス停部分を高くしてほしいとの要望が寄せられました。実際にその方と一緒にバスの乗車、降車を行ってきました。

 バスに乗るときは、運転手が車椅子の利用者が乗車の意思を手を挙げたりなどして確認をしたら、まず、車椅子の方を乗車させるために板を入り口に置いて乗せる支援をしていただく、それで固定をする。それから並んでいる方が次々と乗るというような状況です。そして、降りるときは先に健常者の方が降りて、その後、板を置いて降ろす支援をしていると。ちょっと時間がかかりますけれども、本当に丁寧な支援をしていただいているなというふうに思っています。

 歩道の高さが車道と同じところがあって、そこは勾配がきついので、降ろす方も本当にこれは大変だなというふうに思いました。バスも、ノンステップバスとか、それから車椅子やベビーカーを利用される方にとっても本当に使いやすいものに変化しつつあるというふうに思いますけれども、ユニバーサルデザインのバス停留所の整備を進める、これは本当に必要があるなというふうに思いました。

 道路の移動円滑化等に関するガイドラインが策定され、ユニバーサルデザイン推進条例でも整備基準を定めています。現状を伺います。

青木 都市デザイン課長

 バス停留所を設ける区間の歩道の高さにつきましては、国が策定している道路の移動等円滑化に関するガイドラインにおいて、バリアフリー法に基づいて国が指定する新設の特定道路等を対象とした道路移動等円滑化基準に基づく整備内容や、その他道路を対象とした標準的な整備内容などが記載されております。一方、区のユニバーサルデザイン推進条例施行規則におきましては、道路移動等円滑化基準や国のガイドライン及び東京都福祉のまちづくり条例施行規則を準拠し、特定道路とその他道路について、整備基準を定めております。

 なお、ユニバーサルデザイン施設整備マニュアルでは、特定道路以外の道路について解説しておりますが、バス停留所区間の構造としましては、高齢者や視覚障害者、車椅子使用者等の円滑な利用を考慮し、当該部分の歩道面を高くするなど必要な措置を講ずることを記載しております。

 今後も施設整備マニュアルの担当所管として、関係所管と連携しながらユニバーサルデザインのまちづくりに鋭意取り組んでまいります。

たかじょう訓子 委員

 障害がある方にとっては、例えば視覚障害者は段差があったほうがいいとかそういったいろいろな課題もある中で、やっぱりこういったことを、誰もが住みやすいまちづくり、移動しやすいまちづくりを進めていただくことは本当に重要だというふうに思っています。

 それで、車椅子の利用者の方と一緒にバスで移動していたときに、停留所によっては降りられない停留所というのがあります。それは、道路が狭くて歩道がついていない、路肩しかない。バス停留所も本当に路肩ぎりぎりまで寄せているというようなところでは、スペースが足りないので、そこでは全然降りられません。

 それで、どういうふうにされているかというと乗降が可能なところで利用して、目的地の近くではないんだけれども、そこから車椅子で移動する、あるいはかなり移動してそこから乗るというふうにやっておられる状況です。ですから、本当に大変だなというふうに思いました。

 しかし、道路もそんな簡単に拡幅をする、歩道を造るために拡幅をするというふうに、そんな急に進めるということは無理ですから、本当に大変なことだなというふうに思っています。

 その辺について、ユニバーサルデザインのバス停を進めるのに、今後、介助なしでは降りられない、そういったところについて、高さの基準になっていない箇所について、どのように進めていくのか伺います。

春日谷 土木計画調整課長

 これまで区では、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例施行規則に基づきまして、歩道の整備に当たっては、歩道の車道に対する高さを五センチとするセミフラット方式を採用してまいりました。セミフラット方式は、連続した歩道の平坦性を確保できるというメリットがございますが、委員御指摘のような高低差を生じさせ、バスの乗降におきましては円滑に行えないなどの点があるのも認識しており、バス停留所の歩道をマウントアップ方式として整備した事例もございます。

 今後につきましては、バス停留所の歩道段差を、国のガイドラインを参考に十五センチに改修していく方向で検討いたしますが、歩道の高さを変える場合、沿道の土地利用など周辺の地形に大きく影響を受けるため、必ずしも数値を満足できないこともございます。

 歩道は子どもから高齢者まで安全安心、快適に利用されるべきものでございます。区といたしましても、誰もが利用しやすい町の実現に向け、可能な限りバス停留所における段差解消に取り組んでまいります。

たかじょう訓子 委員

 ぜひよろしくお願いいたします。

祖師谷住宅建て替え計画について

たかじょう訓子 委員

 次に、祖師谷住宅建て替え計画について伺います。

 祖師谷住宅は、緑や地表面が土になっているところが多く、涼しさを感じ、心地よい空間となっています。居住者だけでなく地域の方も散歩などで使い、子どもたちも団地内にある広場で遊んでいます。土と木陰のあるこの環境を多くの方が大事に思っておられます。

 先日、千葉大学名誉教授である藤井英二郎氏を迎え、樹木の保全について学習をいたしました。

 藤井先生の著書から引用すると、気温の高い夏、路面に直射日光が当たると照り返しでまぶしく、辺りも熱くなる。熱がたまって夜もなかなか温度が下がらない。建物や車も同様で、屋上や壁面を植物で覆うのが効果的なのも、夏場の駐車場での木陰の人気が高いのも同じ理由だ。道路に直射日光が当たると、夏場の路面温度は五十度を超えるが、街路樹の木陰では路面温度が二十度も低くなる。温暖化やヒートアイランド現象の激化を受けて、欧米の多くの都市では、道路だけでなく、都市全体で樹冠被覆率を増やす取組が進んでいるとのことです。

 樹冠被覆率とは、ある土地の面積に対して、枝や葉が茂っている部分が占める割合を示します。樹冠が広がると強い日差しを遮る範囲が広がり、緑陰効果が大きくなります。そのために、樹冠被覆率を高める政策が今注目されています。  皆さんにはパネルを配信していただいていますけれども、タブレットのほうを御覧ください。これが、祖師谷住宅で、ちょうど真ん中にありますこの地域がそうです。周りの様子から見ても、ここのまとまった緑というのは本当に貴重だなと思います。

 祖師谷住宅は、こうやって樹木が多くて、高い木が多いんですね。樹冠が連続して生い茂っています。こういうところとそうでないところと比べると、温度が三度ぐらい違うというふうに伺っています。クールスポットです。その冷たい空気が夜間に周辺に広がり、一帯を冷やしてくれます。これこそが都市を涼しくするための重要な要素になっているんだというふうに伺いました。

 現在、祖師谷住宅では建て替え計画が進んでいます。昨年九月、居住者と周辺住民の要望により、JKKによる建て替え事業の説明会が開催されました。工事期間は十四年で、四期に分けて行われます。第一期工事の区域の計画のみが今示されていますけれども、建物の配置が変わり、建物以外の空地は駐車場、駐輪場となり、ほとんどが舗装する計画となっています。また、今ある二百本を超える桜や紅葉などの高木、中木のほとんどが、伐採か移植するという計画になっています。

 祖師谷住宅の優れた自然環境を貴重な財産として継承することは、世田谷区にとっても、地域住民にとっても重要なことだと考えます。以下、三点伺います。

 一つ目は、建て替え事業では、グリーンインフラを積極的に導入していただきたいということです。昨年九月の建て替え事業の説明会では、現状、建物以外は土となっております。桜の木や紅葉、先ほど言いましたけれども、そういった土があるために木が伸び伸びと育つ環境であるのに対し、建物以外は舗装となると、雨は土にしみ込みにくくなりますし、そういう舗装をしたとしても、クールスポットになるかどうかというのは疑問です。しっかり土から蒸発するという状況があって、気化熱でその周辺の空気、気温が下がる。そういった状況、本当に生むことができるのかというのは、これはもう無理じゃないかというふうに考えます。

 JKKによると、建物以外のところは透水性のものや、保水力のある舗装をすると考えているという答弁でしたけれども、土の面と舗装の面で違うということは区も理解していただきたいなというふうに思っております。

 区は、グリーンインフラの考えによる施設整備に今積極的に取り組んできていると思っております。区の取組をJKKにしっかりと伝え、土壌部分を残すことを強く求めていただきたいと思っています。区の見解を伺います。

市川 砧総合支所街づくり課長

 祖師谷住宅は、昭和三十年から三十一年に建設された緑豊かな集合住宅団地で、六十年以上の長きにわたり良好な自然環境を育み、みどりの基本計画において、団地建て替えに合わせた緑の保全創出に取り組むこととしております。

 こうした団地が有する一団の緑は、日射の遮断や蒸散作用などにより涼しい空気の塊を形成し、ヒートアイランド現象の緩和に効果を発揮すると言われております。また、舗装などがされていない自然地面は地表面の温度上昇を抑え、生き物の生育の定期環境や雨水を地中に浸透させやすくするなど、グリーンインフラの効果もあります。

 現在区では、グリーンインフラガイドラインの策定に取り組んでおり、区内のグリーンインフラ整備事例の紹介や、具体的な概要、効果等を示すことなどにより、一層の展開を図っていく考えでございます。

 区といたしましては、団地内の緑が有する多面的な機能を十分に発揮し、持続可能な住環境を将来につなげていけるよう、東京都住宅供給公社に対し、樹木の保全や新しい植樹を求めることに加え、ガイドラインなどによりグリーンインフラの整備を働きかけてまいります。

たかじょう訓子 委員

 ぜひ求めていっていただきたいですし、環境の保全、本当に進めていただきたいと思います。

ケヤキ並木等の高木の保全について

たかじょう訓子 委員

 次に、ケヤキ並木等の高木の保全について伺います。

 祖師谷住宅の建て替えに伴い策定された祖師谷二丁目地区地区計画には、道路構造令に基づき、区画道路のクランクを解消するため道路線形の変更が盛り込まれました。この道路は、けやきロードと呼ばれており、大きく育ったケヤキの並木道で、夏には道路を囲むトンネルのように葉が茂ります。道遊びといって、けやきロードの上で子どもたちの遊び場をやるという、そういったイベントを行うなど地域でも親しまれている通りなんです。けやきロードの道路線形の変更により、ケヤキ並木の一部、そして広場のケヤキの木も移植か伐採をしなければなりません。この地区計画に対し、居住者や周辺の皆さんからは、貴重な樹木を保全するため、道路の線形を変更しないでほしいとの意見が寄せられてきました。

 ここで住民の皆さんが望んでいるのは、ケヤキ並木の保全です。高木の移植については困難があり、特に根の扱いが重要であると伺っています。樹木医や園芸家などの専門家により適切な処置が必要です。祖師谷住宅のケヤキ並木、広場のケヤキの移植をしっかりと行うよう求めていただきたいと思っています。見解を伺います。

市川 砧総合支所街づくり課長

 祖師谷住宅のケヤキ並木は長年地域に親しまれた貴重な資源であり、区といたしましても、令和五年二月に祖師谷二丁目地区地区計画を策定し、保全に関する方針においてけやき通り沿いではケヤキ並木の保全や緑地等の整備に努めることとし、さらに、地区計画の目標の実現、緑の配置や施設の質の向上に向け、世田谷区街づくり条例で定める街づくり誘導指針を策定しております。

 祖師谷二丁目地区街づくり誘導指針では、掘削等の工事により、ケヤキの根の損傷等を避け、樹勢の衰退や枯損を起こさせないよう配慮すること。また、樹木への水分供給と土壌保全のための雨水の地下浸透を促す対策に努めることなどについても公社に求めております。

 区といたしましては、道路線形の変更に伴い影響が生じるケヤキについて樹木診断などを行い、可能な限り移植することや、致し方なく伐採する場合についても、新たな植樹を行うことで、景観への影響を最小限とするよう求めてまいります。また、区立公園等でも実績のある高木移植の工法を紹介するなど、移植に向けた具体的なアドバイスも行ってまいります。

たかじょう訓子 委員

 しっかりと守っていただくように、ぜひ要望を引き続きお願いいたします。

住民の声を反映した計画を求めて

たかじょう訓子 委員

 次に、住民の声を反映した計画を求めて伺います。

 街づくり条例に基づく説明会が間もなく三月十六日に予定されていると伺っています。地区計画により、建物の高さの制限が十九メートルから二十八・五メートルに緩和されました。現状、四階から五階建てとなっていますけれども、昨年九月に示された第一期部分の計画では、南側の棟で最高階高が九階となる計画になっていました。

 南側にお住まいの方からは、圧迫感がある、ビル風、音や光の反射の問題などについての心配の声も届いています。法令に合っているからよいということでなく、JKKは公共・公益性の観点から、地域住民の声を聞き、地域のよりよい住環境をつくる役割を果たすべきだと考えます。

 未来に残る価値ある建て替えとなるよう、区はJKKを指導していただきたいと思います。区の見解を伺います。

市川 砧総合支所街づくり課長

 街づくり条例に基づく建築構想の説明会は、大規模な建築計画を行う際、構想段階から周辺住民と事業者が意見を交換し、よりよい建築計画を誘導することを目的とした制度で、世田谷区街づくり条例第三十六条で開催を義務づけております。公社は、これまでも地域の声や区の要請に応え、建築構想よりも以前の段階から任意で説明会を行うなど、地域への説明に努めてきておりますが、建て替えに関する心配の声は幾つか区にも届いているところです。

 区ではこれまで、昨年策定した祖師谷二丁目地区地区計画に基づき、建築構想がまちづくりの方針等に適合した良好な建築計画となるよう、地域住民などからいただいてきた御意見なども踏まえ、必要な助言、誘導を行ってまいりました。

 区といたしましては、引き続き地域住民にもよりよい建て替え計画となるよう、公社に対し、理解が深まる分かりやすく丁寧な説明や周知方法の工夫のほか、合意形成に向けて誠意を持って協議していくことをしっかりと求めてまいります。

たかじょう訓子 委員

 実際に九月の説明会では、JKKはビル風の被害については全く想定していない様子でした。今回開催される条例に基づく説明会でも、地域住民の方からの意見がたくさん寄せられるのではないかと思われます。引き続き、公社に対し誠意を持った対応を求めていただきたいと要望します。

世田谷区内の樹木の保全について

たかじょう訓子 委員

 続いて、世田谷区内の樹木の保全について伺います。

 都内では、外苑や日比谷公園など樹木の伐採に多くの方から反対の声が上がっています。尾山台二丁目では、分譲住宅建設に伴う竹林の伐採に対し、地域住民の方が貴重な樹木をできるだけ残してほしいなどを要望したオンライン署名を実施しました。

 我が会派は、昨年の第三回定例会議会一般質問でこの問題を取り上げ、住民と開発事業者との話合いの場を持つよう、区が働きかけることを求め、質問を行いました。現在、竹林は全て伐採されていますが、区の働きかけもあり、住民と開発事業者の間で住民説明会が続けられています。区民からは、このような貴重な緑が簡単に消失してしまう残念な結果を繰り返さないための方策を求める声が寄せられています。

 また、梅丘二丁目六番地付近の五二号線予定地での道路の高低差を解消するため盛土が行われることになりましたが、新たな道路にすり合わない住宅への対応として、側道を造ることになりました。そのために保存樹木が伐採される可能性があるとして、近隣の方から何とか守れないかとの相談も寄せられています。現状、保存樹木の所有者が伐採するというふうに決意してしまったら、それを止めることというのは本当に難しいというふうに思います。

 世田谷区は、みどり33を掲げ、二〇三二年までにみどり率三三%を目指しています。二〇二一年調査では、みどり率は二四・三八%でした。今期二七年までの計画では、みどり率を二九%に引き上げる目標を立てています。緑、特に樹木の保全に向けた対策へのさらなる努力を求めて伺います。

 成城一丁目から九丁目、砧七丁目、八丁目の西側の自治会の皆さんによる成城憲章が平成十四年に制定されました。前文では、成城憲章には、「みどりの保全と創出を基本とする成城らしさに溢れた街並み景観を継承発展させ、いつまでも住み続けることを願ってここに住む人々の自治と共生の精神によって育まれていくまちづくりの基本理念が共有されています。この『成城憲章』は、成城に住む私たちの願いと決意を広く宣言するものです。

 成城のまちの環境と暮らしを守るために、住民一人ひとりが進んで遵守すべき規範を住民の総意として示すものです」として、生け垣や樹木の敷地内の緑の保全の項では、道路や隣地に面した生垣や敷地内の樹木のある緑に包まれた庭づくりを進めてください。そして、敷地内の既存樹木、特に保存樹木など高木の日常の保全管理に努めてください。開発に伴う木竹の伐採計画については事前に自治会と相談してくださいなど定められています。

 住民自ら町のルールをつくって、町の緑、樹木、景観を守っていくことが大変重要なのだと思います。そのためには、地域の緑はみんなで守ろうという意識醸成が不可欠だと思います。

 成城憲章など優れた事例を紹介しながら、緑、樹木を守る重要性や、世田谷区が取り組む保存樹木への支援などについて周知啓発を強化し、住民自ら緑、樹木の保全に取り組めるようしっかりと進めていただきたいというふうに思います。区の見解を伺います。

北川 みどり政策課長

 区は、民有地の緑を保全する取組といたしまして、保存樹木制度による維持管理の支援や、世田谷トラストまちづくりとも連携を図りながら、都市緑地法に基づく市民緑地制度の適用を促進しております。また、区民団体との協働による世田谷落ち葉ひろいリレーを実施するなど、地域の緑を皆で保全し、育成するという意識醸成にも取り組んでいるところです。

 区といたしましては、引き続き緑の保全への理解を広げ、支援制度を適切に御利用いただけるよう、例えば「区のおしらせ」の紙面を大きく使ったり、SNSにて発信を行うなど、広報などにも工夫を図りながら、一層の周知啓発に努めるとともに、都市緑地法に基づく緑地協定など、緑地の保全や緑化に関する住民自身による自主的なルールがあることについても周知を図ってまいります。

 また、緑が持つ多様な効果を分かりやすく示すとともに、緑に親しんでもらうことを通じて、緑の大切さを伝えるなど、区民一人一人の緑を共に守り育てる意識の醸成や行動変容を促してまいります。

たかじょう訓子 委員

 これは本当に重要だと思いますので、しっかりお願いいたします。

 さらに、先ほども樹冠率のことを話しましたけれども、緑の保全を進めるためには樹冠率、樹冠被覆率、これをつかんでいくこと重要だというふうに思います。これについてぜひ調査を行うべきではないかと思いますが、区の見解を伺います。

北川 みどり政策課長

 区は、区内の緑や生物に関する実態を把握するため、五年ごとにみどりの資源調査や生物の資源調査を実施しており、平面的な緑の量を把握する尺度といたしまして、航空写真による画像解析などを行い、緑被率やみどり率を算出しております。

 緑被率やみどり率の算出に当たっては、中低木を含めた木の樹冠面積に相当する樹木地の面積も把握するとともに、三百平米以上の一団の樹林地については、樹木の平均高さの状況も確認しているところです。

 枝葉の茂りが多い高木が町に増えることは、ヒートアイランド現象の緩和や景観形成、生物多様性の保全など緑の質の向上に寄与するものと認識しておりますが、区内全域の樹冠被覆率を把握するためには、目視調査も含めた相当な費用と時間がかかることが課題と考えております。

 区といたしましては、次のみどりの資源調査を令和八年度に行う予定であり、調査内容につきましては、これまでの資源調査の結果や費用対効果なども踏まえながら、今後検討を行ってまいります。

道づくりプランについて

たかじょう訓子 委員

 最後に、道づくりプランについて伺います。

 道づくりプランの期間が二年間延伸となりました。これは東京都と、特別区と、二十六市二町が共同で策定した東京における都市計画道路の整備方針第四次事業化計画の期間が令和七年度末となることから、令和八年度からの次期事業化計画スタートと合わせるものです。これまで会派として、参加と協働のまちづくりを進めるために、区民の多くの合意が得られない不要不急の都市計画道路は廃止を求めてきました。一方で、地先道路整備については積極的に進めることを求めてきた、そういった経緯があります。今後、都市計画道路と道づくりプラン策定に当たり、参加と協働で進めること、必要性の見直しが重要だと思います。この観点で伺っていきます。

 補助五二号線について、ここも反対運動が本当にずっと長期間行われているところです。今、署名活動をしておられますので、その内容などを紹介します。

 七十八年前の都市計画決定や二〇一六年優先整備路線選定も、事前の住民説明もなく、都が一方的に決めて地域住民に押しつけているもので、住民に全く必要性のない道路計画だと言っています。こういったものを見直していくことが必要ではないかと思います。参加と協働をどうやって進めていくんでしょうか、伺います。

石川 道路計画課長

 平成二十六年に策定した世田谷道づくりプランは、今後十年間に区が取り組むべき方向性を示すものでございます。都市計画道路並びに主要生活道路において優先整備路線を選定し、区では道づくりプランに基づき、計画的に道路事業を進めてまいりました。現行のプランにつきましては本年三月で計画期間満了となるところでございますけれども、東京における都市計画道路の整備方針との十分な整合が必要であることから、二年間の延伸をすることとしたものでございます。

 区としましては、引き続き現在の道づくりプランにおいて、未着手の路線等の事業着手に努めてまいります。今後、道づくりプランを改定するに当たりましては、アンケート調査、パブリックコメントの実施など、どのように広く御意見を伺っていくのかにつきましても検討していきたいというふうに考えてございます。

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