2023/03/15
おはようございます。日本共産党世田谷区議団の質疑を始めます。
まず、交通不便地域対策について伺います。
区は、交通まちづくり基本計画に基づき、南北交通の強化、公共交通不便地域の対策、解消に向けて取り組むとしてきました。二〇一九年に重点検討地域十地区を設定し、ワゴン車両を活用した新たなコミュニティー交通の導入に向け、区民参加による取組を条件に、区が支援を行うことを決定しました。
二〇二二年、昨年の九月に公共交通機関対策等特別委員会において、重点検討地域の対応の考え方に福祉的な観点を盛り込んだことは大変重要です。多くの高齢者や障害者に希望を与える対応を求めます。
砧地域での実証運行成功のためには、多くの区民の皆さんにこの事業に参加していただかなければなりません。より多くの方に説明会に参加いただき、取組について知っていただく、そういった必要があると考えます。例えば説明会も一か所ではなく、幾つかの会場で実施していただきたいと考えますが、区の見解を伺います。
砧モデル地区におけるコミュニティー交通につきましては、これまで地元の方々と協議を進めてまいりましたが、このたび五月一日からの実証運行を行うこととなりました。このため、今月下旬に、区では地域向け説明会としてデマンド型交通による実証運行の内容や、利用イメージ等を御案内する自由参加型説明会を予定しており、四月中旬にはスマートフォンからの予約方法を解説する利用予約講習会を実施する予定で考えております。
説明会等の開催に当たりましては、現在山野区民集会所や大蔵地区会館、砧まちづくりセンターなど複数の箇所での開催を調整しているところでございます。今後ともデマンド型交通による実証運行を浸透させていくために、地元協議会とも相談しながら丁寧な周知に取り組んでまいります。
区民参加がどれだけ広がるかということが鍵だというふうに思います。これまでの周知のやり方ではなく、さらにもっと広げた車から呼びかけるとか、地域を回ることなども含めて徹底した広報周知を求めます。
次に、次の展開に向けた取組について伺います。
私の住む烏山地域の北烏山一丁目の高齢者の方からも、病院に行くためや、社会参加のための移動の足となるバスを通してほしいんだという要望を八年間ずっと伺ってきています。北沢地区からもそういった声があって、渋谷や新宿まで行く交通は便利なのに、役所に行くことが大変不便だというような問題もあります。
他の十か所、砧を含めて十か所の重点検討地域への展開については、砧地域での実証運行の状況を踏まえて検討していくものと認識していますけれども、高齢者の方から、もうもたないとの声も寄せられています。他地域での展開に向けた区の見解を伺います。
砧モデル地区において実施するデマンド型交通の実証運行は、地域、事業者、区が協働で取り組み、守り、育てるコミュニティー交通を目指しております。このため需要予測アンケートの結果などを踏まえて設定した収支率等の目標を地域や事業者と共有することで、一人でも多くの方に御乗車いただけるよう、利用促進を図っていきたいと考えております。
区といたしましては、まずは砧モデル地区における実証運行を通じ、コミュニティー交通の利用実態について把握するとともに、取組の有効性を検証し、他地域への導入方策についても併せて検討してまいります。
砧を含めて重点検討地域十地区においても、利用率やコストのみで可否を決める、切ってしまうというようなことがないように、福祉的な観点でぜひ進めていただくことを求めたいというふうに思います。
次に、木造建築の耐震化について伺います。
二月二十一日の私の一般質問で、二〇〇〇年基準の耐震化を求めたのに対し、区は、旧耐震木造住宅への取組を加速させながら、東京都の制度や他自治体の支援内容の効果を検証し、二〇〇〇年以前の住宅に対する耐震診断や改修の手法などを含め、助成制度の導入に向けて取り組んでいくというふうに答弁されました。
まずは、最も危険な旧耐震の木造建築物への取組を加速するということですけれども、来年度予算にどのように反映されているのか伺います。
区では、令和三年度から旧耐震木造建築物に対しまして、支援制度のパンフレット及びアンケートの直接配付や戸別訪問を開始させております。当初は令和六年度末までに区内全域での実施を完了させる計画としておりましたが、これを前倒しいたしまして、令和六年夏頃までに完了させることといたしております。
そのため、令和五年度予算において支援制度等の直接配付の予定数を増やしたことから、予定数を約一万八百棟へ配付するための予算を計上しております。また、直接配付数の増加に伴いまして、耐震診断、耐震改修、訪問相談の件数にも影響があることを想定いたしまして、それを踏まえた予算としております。
取組の加速に加えて、耐震診断から耐震改修の支援について丁寧な取組を求めます。この間、日本共産党は旧耐震の木造建築の耐震化を進めるために、未耐震の建物を訪問して耐震診断や耐震改修の制度紹介など、ローラー作戦を行うよう求めてきました。それが二〇二一年より職員の方が直接訪問するローラー作戦を実施していただいているということで、これは大変評価したいというふうに思っています。
これにより耐震診断の実績は、ローラー作戦実施前の二〇二〇年では八十七件でしたけれども、ローラー作戦開始の二〇二一年では二百八十三件と三倍以上になりました。耐震改修については、二十年では五件、二十一年度は十件へと実績を伸ばすことができたということで、これは本当に評価したいというふうに思っております。
昨年度は、世田谷地域と北沢地域で実施し、今年度は烏山地域で行ったということだと伺っています。同時に、今年度、定例会等で求めてきた二〇〇〇年基準以前の木造建築物への支援も確実に進めるべきと考えますが、この対象となる建築物の把握などは進んでいるのか伺います。
旧耐震基準への取組につきましては、戸別訪問の成果もありまして、耐震診断、訪問相談の件数は着実に積み増しておりまして、耐震改修助成件数も増加いたしました。今後も加速させながら着実に進めてまいります。
二〇〇〇年基準以前の木造建築物につきましては、現在対象となる建築物の情報収集を進めているところです。引き続き、東京都から提供される情報や各種統計調査を確認し、区内にある二〇〇〇年基準以前の木造建築物の数や耐震性の不足する割合について把握を行ってまいります。
区の木造建築の耐震化が進む中、新たな被害想定では、全壊棟数が三百九十棟増えているという状況があります。二〇〇〇年以前の建物で耐震が不十分となる方への支援も急がれると思いますが、どのように進めていくのか伺います。
二〇〇〇年基準以前の木造建築物の大半は耐震性が確保されており、耐震性が不足するのは、その割合はまだ不明確でありますが、一部であると現時点では想定しております。そのため、効果的な耐震化の支援ができるだけでなく、効率的に支援ができる制度設計をする必要があると考えております。区内において支援の対象となる建物数の精査と併せまして、先行する自治体の事例による検証、分析を行い、支援制度として町の安全につながるような効果的な手法を導入に向け検討を進めてまいります。
ぜひしっかりと進めていただきたいというふうに要望します。
次に、耐震シェルター、耐震ベッド、家具転倒防止器具、感震ブレーカーの設置について伺います。
この間、私どもが震災から区民の命を守る三点セットということで、今述べた耐震シェルターと耐震ベッド、それから家具転倒防止器具、感震ブレーカーの設置の推進を求めてきました。今回は、防災街づくり課で扱う家具転倒防止器具の取付け及び耐震シェルター設置への支援状況、実績などについて伺います。お願いします。
家具転倒防止器具の取付けと耐震シェルターの設置につきましては、六十五歳以上の高齢者や障害者の方を対象に支援制度を設けており、様々な広報媒体を活用し周知を行っております。家具転倒防止器具取付け支援につきましては、取組の強化としまして、今年度より七十五歳を迎える区民を対象に郵送による直接周知を行っております。
その結果、令和三年度百五十三件に対して、令和四年度現時点で二百八十八件と増加しておりまして、新たな取組による効果が出ているものと考えております。
耐震シェルターにつきましては、今年度の実績はございませんでしたが、家具転倒防止器具取付け及び耐震シェルターの設置について、今後も様々な機会を活用し、積極的な周知に取り組んでまいります。
家具転倒防止器具の取付けについては成果を上げられているということで、引き続き頑張っていただきたいというふうに思っています。耐震シェルターについては、旧耐震の木造建築物に設置するということになっています。メーカーによっては助成制度を利用すれば自己負担なしで設置することも可能です。耐震診断を行っても耐震改修に至らないケースが多々あります。こういう方に対し、建物の倒壊から命を守るための設置をということで、引き続き周知をお願いしたいというふうに思っております。
また、今、賃金が上がっていない中で、経済的負担の大きい耐震改修に踏み出せない、こういった方は一定数あると思います。耐震化を進めるための耐震改修の助成の増額も、この間、区は行っていただいていますけれども、さらなる増額などを検討する必要があるのではないかというふうに思いますので、これは求めておきたいというふうに思っております。
次に、上用賀公園拡張事業について伺います。
区民生活分野でも質疑をさせていただきました。この間のオープンパークでは、子どもたちの声も聞き、ワークショップでは、地域住民の皆さんが我が町にできる公園について、どのような機能が必要なのかについて、本当に話し合われてきました。参加と協働の取組を行っていることを評価します。
今回行われた意見交換会でも様々な御意見が出されていました。近隣の住民の皆さんの公園整備への関心は大変高いというふうに実感しております。その中で出てきた提案と課題二点について伺いたいと思います。
まず一点目、公園整備完成後も公園の運営に住民が参加していきたい、こういった御意見がありました。上用賀公園の機能として防災機能が検討されていますけれども、公園の運営に恒常的に住民が関わることにより、平時からの近隣住民のコミュニティーづくりなどに随分役立つと。災害時のときに、いざというときに役立つということをおっしゃっていました。また、近隣住民と公園運営者の関係づくりがスムーズになるということもおっしゃっておられました。
この御意見についても、私は非常に有効であるとの意見もしました。今後サウンディングなどが行われて、運営手法の検討もされますが、運営主体が誰であっても住民が継続的に関われる仕組みを導入していただきたいと思います。見解を伺います。
上用賀公園拡張事業では今年度より事業を再開し、これまでにワークショップやオープンパーク、アンケート等を行い、地域の方々の御意見を伺いながら基本計画の策定を進めているところでございます。
運営手法につきましては、今後、民間事業者へ詳細なサウンディングなどを行い、民間のノウハウ等を生かした設計や整備、運営などにより、公園サービスの向上やコストの削減等が見込めるかどうかを検証し、官民連携による手法導入のメリットがあるかどうか調査を行う予定でございます。公園運営への住民や利用者の関わりにつきましては、既存の公園でも様々な事例がございますので、今後どのような手法を導入するかにかかわらず、地域の公園として、住民や利用者が継続的に運営に関わっていける形を検討してまいります。
ぜひそれは進めていただきたいなというふうに思っております。
二点目は雨水の問題についてです。当該地域が高台であり、谷沢川の水源地域であるとの御指摘がありました。豪雨対策の必要性もあり、湧水に配慮した雨水の対策の処理が必要だというふうに考えますが、いかがでしょうか。
委員お話しのとおり、計画地を含む周辺地区は谷沢川の上流域とされており、公園整備におきましても水源の涵養と豪雨対策を考慮する必要があると考えております。公園の雨水流出対策につきましては、世田谷区豪雨対策行動計画に定められた単位対策量に対応した雨水流出抑制施設の整備が必要となります。その中でも、上用賀地区は、流域対策推進地区という流域対策を強化する地区に指定されており、雨水の流出抑制対策がより必要な地域となっております。
こうしたことを踏まえ、今後の公園の詳細な施設を検討するに当たりましては、必要な対策量に対応した雨水を地中に染み込ませる浸透型の舗装や貯留槽などの雨水貯留浸透施設を検討するとともに、グリーンフラ施設の導入を図るなど、豪雨対策と地下水涵養に配慮した対策を進めてまいります。
本当に住民の方々の関心が高くて、これを住民と共につくるということをぜひやっていただければなというふうに思っております。
最後に、北烏山七丁目の緑地整備について伺います。
岩崎学生寮周辺の樹林地の豊かな緑を守ってほしいとの住民の皆さんの運動が実り、北烏山七丁目緑地公園として整備されることになりました。地域の住民の皆さんは大変喜んでおられます。この間、樹木や生き物の調査を行ったと聞いていますけれども、その結果について伺います。
北烏山七丁目緑地につきましては、令和四年四月に土地所有者と土地売買契約を締結し、令和七年度までに四回に分けて、土地開発公社による用地の先行取得を行いまして、令和八年度までに区が買い戻しをする予定でございます。今年度は樹林地内の樹木や生き物などの現況を把握するための調査を夏季から冬季にかけて行っているところでございます。
これまでの調査結果は現在取りまとめているところでございますが、区域内は樹木や竹林、草地などが混在している状況となっており、この豊かな植生環境により、タヌキ等の哺乳類や鳥類、昆虫類など、様々な生き物の貴重な生息場所となっていることが分かってきております。
生き物の調査につきましては、生き物の活動時期に合わせて季節ごとに行う必要があり、今年度実施できませんでした春季の調査について、来年度も引き続き行いまして、夏頃までには全調査結果を取りまとめてまいる予定でございます。
ぜひまとまった豊かな自然を生かした公園づくりをお願いしたいというふうに思っております。本当に住民の方が、岩崎寮周辺のこの樹林地がどういうふうになるのかというのを、本当に気になって関心を寄せておられますので、どうぞよろしくお願いします。
あわせて、住民参加で進めていただきたいということについてもこの間求めてきました。地域の皆さんに公園整備について御報告をニュースなどでさせていただきましたけれども、その際に、近隣のプレーパークの移転先にどうかとか、かまどベンチや防災倉庫など防災機能をつけてほしいとか、地域のコミュニティーの場、集会所機能などをつけてほしい、あるいはカフェをつくってほしいなど様々な御意見を伺っています。今後の整備のスケジュールと、意見などを聞いていくといった手法について伺います。
今後のスケジュールにつきましては、来年度に緑地整備の方針となる基本的な考え方をまとめ、その後、基本計画、基本設計、実施設計、そして整備工事を行いまして、令和九年度以降の開園となる予定でございます。
緑地の計画づくりに当たりましては、まずは来年度後半に現地見学会の開催など、地域の方々が現地の様子を実際に見ていただく機会を設けるとともに、現地調査の結果など現状について発信し、地域との情報共有を図ってまいりたいと考えております。
令和六年度以降につきましては、地域の皆様とのワークショップなどを通して御意見をいただくなど、地域住民との対話を重ねながら計画づくりを進めてまいりたいと考えております。
また、整備内容に加えて、その整備手法につきましても、地域に愛される緑地として、完成後の管理運営方法も視野に入れ、地域や事業者とどのような協働が適しているのかなど、今後の計画づくりと併せ検討を進めてまいります。
住民の方が本当に楽しみにしておられますので、ぜひよろしくお願いします。
今後、地域の子どもたちや、周辺の小学校や高校、大学もあります。こういったところの連携も含めて参加を呼びかけていただいて、声をぜひ集めていただければなというふうにも思っています。
この間、住民の皆さんから様々な御要望をいただいていると思うんですけれども、区民の財産でありますので、例えばPark―PFIなど企業の利益最優先というふうにするのではなく住民の福祉の増進のため公園運営をしていただきたいということを求めて、日本共産党の質疑を終わります。