連絡先

Eメール

日本共産党世田谷区議団

住所:154-0017 世田谷区世田谷 4-21-27
電話:03-5432-2791
FAX:03-3412-7480

令和5年 予算特別委員会 福祉・保健委員会所管分

2023/03/13

質問項目

ひきこもり支援について

たかじょう訓子 委員

日本共産党世田谷区議団の質疑を始めます。

私からは、ひきこもり支援について伺います。

二〇二〇年に実施した区のひきこもり実態把握調査では、当事者数は三百十九件。しかし、二〇一六年の内閣府の調査から見込まれる区内のひきこもり状態の方の数というのは、十五歳から三十九歳まで約四千四百人、四十歳から六十四歳までで約四千八百人いると推計されています。つながっていない、支援が必要な方々が多数残されていると考えられます。

区は、今年四月、年齢を問わず、ひきこもり当事者の方や家族を支援する総合相談窓口リンクを開設しました。リンクはぷらっとホーム世田谷とメルクマールせたがやが共同で運営しています。この間、ひきこもりの家族の会、はなみずきの会の学習会などに参加させていただきました。家族の方からは、子どもがひきこもり状態にあることで、常に胸に石を詰め込まれたように重くつらいと、当事者の方もずっと自分を責め続けているというふうに伺いました。

こうした相談は、今までも社会福祉協議会に寄せられ実績も積まれてきたと伺っており、相談数も年々増えているという状況だというふうに思います。現在、ぷらっとホーム世田谷のひきこもり相談窓口リンクに一元化されましたけれども、現在でも二百件近い相談が寄せられているというふうに伺っています。

さらに、当事者や家族に寄り添った支援をしていただいているというふうに家族などからも伺っておりますけれども、さらに充実させてほしいとの声をいただいております。支援の充実のためには、まずは人、十分な体制が必要です。この間、区は体制強化に取り組んできました。リンクの人員は十分なのか伺います。相談件数に見合った体制強化を求めます。

工藤 生活福祉課長

令和四年四月に開設しましたひきこもり相談窓口リンクは、生活困窮者自立相談支援センターであるぷらっとホーム世田谷と生きづらさを抱えた若者を支援するメルクマールせたがやの職員である社会福祉士、精神保健福祉士、心理士などがその専門性を生かしてひきこもり支援に取り組んでおります。

四月の開設時には、リンクの運営のためにぷらっとホーム世田谷、メルクマールせたがや、合わせて常勤二名、非常勤二名を増員し、様々な事業に取り組んでまいりましたが、令和五年度には、さらに常勤三名を増員する予算を組んでおります。

今後とも、リンクを運営するぷらっとホーム世田谷、メルクマールせたがやそれぞれの運営状況やリンクの利用状況等を随時確認し、人員配置など必要な支援を行ってまいります。

たかじょう訓子 委員

この間の支援のやり方ですとかを伺っても、御家族の御相談、自立していかれるのか、母と子、家族との関係がどういうふうになっていくのかなど、本当にディープな御相談に相当時間も取りながら長期にわたって支援を続けていくという、本当に専門性や経験が必要とされるそういった事業だなというふうに思っていますので、本当にきめ細やかな支援ができるよう、ぜひ人員体制については常に気を配っていただきたいというふうに思います。

教育委員会との連携について

たかじょう訓子 委員

次に、教育委員会との連携について伺います。

ひきこもりとなっている四十代の娘さんに後見人をつけたいという御相談がありまして、それで私は、まずはそういった窓口があるからそこで相談したほうがいいと、後見人をつけるだけじゃなくて、娘さんの社会的な広がりをつけるようなことも必要だし、暮らしのことも必要だしということで窓口を御紹介しました。

でも、なかなか娘さんも、御両親もそこに行くのが大変ハードルが高く、本当にちゃんとまだつながっておられないんじゃないかなというふうに思います。時々声をかけたりはしておりますけれども、本当にこういった相談というのが大変だというのは、私も実感しております。

それで、ひきこもりの要因として、不登校の長期化、そういったケースが少なくないというふうに伺いました。この方も、中学のときに不登校になって以来ひきこもり状態というふうに伺っています。不登校の問題については、教育委員会でも世田谷区不登校支援アクションプランというのを策定しまして、増加する不登校への対策を行うとしています。

生活支援の所管とも連携をしていくという方針にはなっているんですけれども、今、不登校もすごく増えてきていて、千二百人を超えているという状況だと思いますけれども、それがひきこもりにつながるケースも多いというふうに聞いています。

ぜひここは教育所管との連携というのを強化していくべきだと、初期段階からの介入というか、初期段階からの支援が必要だというふうに先日斎藤先生のお話を伺ったときに、そういうふうに言っておられましたので、ぜひここを強化するべきじゃないかというふうに思っています。見解を伺います。

工藤 生活福祉課長

ひきこもりに至る経緯としては、不登校からが約三割と大きな要因であることから、区としても教育との連携強化は重要と考えております。このため、教育相談室等との意見交換、中学校長会において教育委員会事務局と合同で、ひきこもり支援の取組を説明したり、希望する中学校をメルクマールせたがや職員が個別訪問、重層的支援協議会の不登校・ひきこもり支援部会での不登校特例校の教員からの取組の説明など、支援者間の顔の見える関係づくりに取り組んでまいりました。

さらに、世田谷区総合教育会議では、不登校、ひきこもりの子どもの学びについて、基調講演と教育と福祉との切れ目のない支援について意見交換を行い、教育と福祉の連携の必要性を共有いたしました。

これらの取組によりまして、令和四年度には中学校や教育相談からリンクに現在三件のケースがつながっており、また、今後つながりたいという御相談をいただくなど、切れ目のない支援に着実に取り組むことができております。

ひきこもりは複雑で複合的な課題を抱えているケースが多く、教育をはじめとする様々な支援機関とのさらなる連携強化に努めてまいります。

たかじょう訓子 委員

本当に丁寧な対応が必要だと思います。広がっているということ、本当によかったというふうに思います。

また、この間、不登校の御家族やひきこもりの御家族からも、近くに居場所がほしいんだというような、そういった要望も伺っています。ここもぜひ連携していただけるといいんじゃないかなということも申し上げまして、中里委員に交替いたします。

<< 質問一覧へ

トップページへ >>