2022/11/29
通告に基づき伺います。
コロナ禍・物価高騰による生活困窮者への緊急対策についてです。
まず、年末年始閉庁時の緊急対応について伺います。
世田谷区においては、年末年始の生活困窮者の対応窓口は開設しておらず、生活困窮者が区庁舎に相談に訪れた場合、巡視室で対応し、必要に応じて当番の生活支援課職員が電話で相談に応じています。
反貧困ネットの活動家によると、新宿や池袋まで世田谷区民が支援を求めて来ていると伺っています。こうした方が区の支援につながれるよう、さらなる支援の充実が必要です。年末年始の閉庁時の早めの相談を促す取組のさらなる強化、また、年末年始の体制の充実を求めます。見解を伺います。
私からは二点、まず、年末年始の生活困窮者の方への対応についてです。
日頃より、窓口の開所時間以外は、区役所の巡視室にて緊急対応を実施しており、生活にお困りの方から電話などがあった場合には、巡視室から各保健福祉センター生活支援課に連絡が入る体制を取っています。年末年始においても、生活にお困りの方がいらした場合も同様となります。
しかしながら、区役所の休業時には、緊急かつ限定的な対応しか行えないことから、年末年始に先立ち、早めの御相談をいただくよう、エフエム世田谷、公式ツイッターでの周知のほか、今年度からは、区広報板へのチラシ掲示、若者向けに「ねつせた!」での周知、くみん窓口、出張所などでのデジタルサイネージなど、周知を強化します。安心して年末年始をお過ごしいただけるよう、生活にお困りの方への支援を引き続き取り組みます。
次に、生活困窮者への支援についてです。
区は、国が行うひとり親や住民税非課税世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金に上乗せをして支援を行ってきました。最も厳しい層への支援を進める姿勢を評価します。しかし、一昨年実施した生活困窮世帯の子どもへの生活応援給付事業で、支援対象となっていた中学三年生の子どもがいる就学援助準要保護世帯が支援から除外されています。中学卒業後の進学、就職に当たり、家庭の費用負担が高くなる中学三年生の子どもに対する学びと育ちの支援を復活させるべきです。補正予算での対応を求めます。見解を伺います。
さらに、高齢者、障害者など年金で暮らす方々から、物価高騰、年金の引下げ、十月からは高齢者の医療負担の倍化により、これ以上どこを削ればよいのかとの声を伺っています。住民税非課税世帯への支援にとどまらず、低所得の課税世帯に対する現金給付など、支援の拡充を求めます。見解を伺います。
次に、低所得者への支援についてでございます。
長期化している新型コロナウイルス感染症による影響の中、エネルギー・物価高騰により、区民生活を取り巻く環境は厳しさを増しており、特に低所得者層を中心として、その周辺の所得階層も含め、様々な面で非常に大きな影響を及ぼしているものと認識しております。
区では、これまでも臨時特別給付金について、住民税非課税世帯のほか、非課税世帯ではないものの、家計急変世帯も含めた対応や、都の新たな補助事業を活用した低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金の追加支給等、物価高騰に伴う区民への支援策に取り組んでおります。
今般の国の総合経済対策や都の補正予算対応の状況も見ながら、区民生活への影響に少しでも寄り添える支援について、適宜状況を見定め、区長の判断を仰いでまいります。
次に、生活保護基準について伺います。
生活費を切り詰めて暮らしているが、友人の葬儀への香典や交通費も捻出できず、参加を控えざるを得ない。クーラーも暖房の使用も控えるなど、つら過ぎる生活水準だとの訴えが寄せられています。生活保護利用者に対し物価高騰対応の支援が行われてきましたが、一時的なものです。そもそも低過ぎる生活保護基準の引上げを国に求めていただきたい。生活保護利用者の生活の実態把握を行うと答弁されてきましたが、どのように行い、いつ示されるのか伺います。
次に、生活保護基準についてです。
厚生労働省では毎年、社会保障生計調査を実施し、被保護世帯の家計収支を明らかにし、生活保護制度のために必要な基礎資料を得ております。また、今年度は五年に一度の生活保護制度と生活保護の基準の見直し年度であり、社会保障審議会生活保護基準部会において、新型コロナウイルスの影響や非課税世帯との均衡などが議論され、本年中に報告書が取りまとめられる予定となっております。
新たな生活保護の基準は、この検証結果を踏まえ、生活保護法に基づき厚生労働大臣が定めるものですが、区としては、ケースワーカーの支援の中で、生活保護を受給されている方の生活実態の把握を行い、来年度のなるべく早い時期に取りまとめ、必要な意見を国や都に伝えてまいります。
私からは以上です。
次に、区内事業者支援について伺います。
まず、消費税・インボイス制度についてです。
新型コロナ感染の拡大、異常円安・物価高騰により多くの中小企業、小規模企業で深刻な経営困難に陥っています。この間、区が行うせたがやPayのキャンペーンについて、フレンチレストランオーナーからは売上げが伸びたとの喜びの声が寄せられ、後期は十一月で終了するとの知らせに落胆されています。こうしたせたがやPayの利用の伸びは、物価高騰が区民にどれだけ影響を与えているかの表れです。引き続きの支援を検討することを求めます。本来であれば、国が広い層の国民や事業者への物価対策として、消費税を減税すべきと考えます。
また、区内の造園業の方から、インボイス制度が始まったら廃業するしかないとの訴えが寄せられました。インボイス制度が始まり、納税業者になれば、事業を続けることが困難、零細企業潰しだとの声が寄せられています。
約半数が三百万円以下と言われるエンタメ業界、アニメ業界、監督、俳優、音楽家、デザイナーなどフリーランスの方からも、インボイス制度が導入されれば、税や事務の負担が増え、廃業せざるを得ない、産業の衰退、業界全体が発展できないなど各団体から訴えが次々と上がっています。
全国のシルバー人材センターで反対の声があり、多くの地方議会でインボイス導入中止を求める意見書が可決されています。小規模事業者やフリーランスで働く人々に、消費税課税業者になることを余儀なくさせ、深刻な負担増をもたらすインボイス導入は中止すべきです。
以下二点伺います。
区として、消費税の減税、インボイス導入中止を国に求めていただきたい。また、国の発注で、インボイス登録の未登録業者を排除しないでいただきたい。見解を伺います。
最後に、インボイス制度の関連についてでございます。
インボイス制度につきまして、国の制度として令和五年十月より実施が決められ、免税事業者からの仕入れについて、消費税が全額控除可能な期間が残り一年弱となっているところでございます。
インボイス制度の開始に当たり、これまで消費税の免税事業者であった中小事業者において、税負担やこれまでの取引に対する不安の声があるため、区として早急に事業者団体などに聞き取りを行い、インボイス制度の理解の状況や困難な点、不安な点などについて、区内事業者の状況把握をしてまいります。
国においても、来年度の税制改正の中で、中小事業者に対し激変緩和措置を検討するといった報道もございますが、事業者からの聞き取りの結果をまとめ次第、区長会等を通じ、区内事業者の声を国に届けてまいります。
以上でございます。
私からは、区の発注においてインボイス未登録事業者を排除しないようにという御質問に御答弁いたします。
来年十月より、いわゆるインボイス制度が開始されることに伴い、買手に対し正確な消費税額などを伝える手段として、適格請求書を交付するためには、税務署への発行事業者としての登録申請が必要となります。
しかし、登録を受けるかどうかは事業者の任意であり、地方公共団体の入札における参加資格要件として、インボイス登録を求めることについては、本年十月に発出された総務省通知において、地方自治法施行令の規定に照らして適当ではない旨が示されています。同通知を踏まえ、区ではインボイス制度の未登録事業者を排除することなく、引き続き事業者の受注機会や経営環境に配慮しながら、公正かつ適正な発注を行ってまいります。
以上です。
次に、二〇〇〇年基準以前の建物の耐震化促進について伺います。
区は、一九八一年以前に建てられた木造住宅への無料耐震診断、耐震改修費への最大百三十万円の助成などを行っています。一九八一年以降の新耐震の建物であっても倒壊の危険が指摘されています。旧耐震のみならず、二〇〇〇年耐震基準以前の建物の耐震化が必要です。第二回定例会でも求めてきましたが、今般、東京都議会第三回定例会で、二〇〇〇年基準以前の建物への耐震化を進める旨の答弁がありました。区としても支援を拡充すべきです。見解を伺います。
私からは、建物の耐震化促進について御答弁申し上げます。
一九八一年六月以降に建築された新耐震木造住宅のうち、二〇〇〇年五月以前の木造住宅は、柱とはりの接合部の金物による補強などの技術基準が適用されておらず、それ以降の建物と比較して耐震性が十分でないとされております。区内では、二〇一六年実施の土地利用現況調査によりますと、約三万七千棟あるとなっています。
現在、区では約四万四千棟の旧耐震木造住宅を対象に取組を進めておりますが、熊本地震の被害報告によりますと、旧耐震木造住宅は、二〇〇〇年以前の建物と比較して、倒壊あるいは大破などの割合が高いとされており、区としては引き続き旧耐震木造住宅の耐震化を進めることに注力する必要があると考えております。
議員御指摘のとおり、二〇〇〇年以前の新耐震木造住宅についても耐震化の必要性があることは認識しております。区といたしましては、旧耐震木造住宅への助成を加速しながら、他自治体の取組を参考に、二〇〇〇年以前の住宅に対する耐震診断の手法などを含め、新たな助成制度の在り方についての調査検討を行ってまいります。
以上です。
次に、公共施設等総合管理計画について伺います。
十一月六日、七日に北烏山地区会館利用者意見交換会が開催されました。区からは、北烏山地区会館を廃止し、寺町通り区民集会所へ機能を移転する、三十人規模の会場はないが、二つの会議室をリモートでつなぐなど工夫する旨の説明がされました。
利用者の方からは、北烏山地区会館の存続を求めた四百七十筆の署名の答えにはなっていない、高齢者にはリモート機能は使えない、リアルな顔を合わせることに意味がある、寺町通り区民集会所では確保できない三十人規模の集会施設の代替を求めるとの声が上がりました。
区は意見交換会で、三十人規模の集会施設の代替施設を検討すると表明しました。早期の検討を求めます。見解を伺います。
私からは、公共施設等総合管理計画について二点御答弁いたします。
まず、集会施設の社会教育の充実についてでございます。
区といたしましては、地区会館、区民集会所については、地域の文化活動の場及び高齢者の憩いの場を提供することにより、区民が相互に交流と連帯を深め、豊かな地域社会の形成に資するために、区民の身近な場所において自主的な活動の場を確保するという観点から整備してまいりました。
総合支所では、区民センターにおけるコミュニティー醸成事業や様々な生涯学習講座など、社会教育に関する事業に取り組むとともに、地域での区民の社会教育活動をサポートしております。区民の方の自主的な活動が充実していくことは、地域コミュニティーを活性化する観点からも、また、社会教育の充実の観点からも重要なことであると認識しております。
地域行政推進計画では、地区の活動団体等の支援として、学習の機会の提供、活動の場の確保を掲げていることから、今後とも地域における社会教育事業を含め、生涯学習事業を一層進めていくとともに、地区会館など集会施設を活用した事業の展開についても研究してまいりたいと考えております。
続きまして、北烏山地区会館の代替施設についてでございます。
北烏山地区会館と、近くの寺町通り区民集会所の機能を統合する方向性をお示しし、北烏山地区会館の利用団体の方との意見交換会を十一月六日と七日に実施いたしました。
現在、北烏山地区会館には定員三十名の会議室がありますが、寺町通り区民集会所では、定員二十四名の会議室が二室となっており、建物の構造上、一体で利用することができません。そこで、二つの会議室をオンラインでつなぐシステムを導入する方向で対応することを御説明いたしましたが、利用団体の方々からは、三十名定員の広い会議室が必要だとの御意見をいただきました。
烏山地区では、様々な形でまちづくりの計画が進められているところであり、これらの進展の機会を捉えて、区民の方も利用できる集会機能が備わった施設の確保を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
区民集会施設の利用促進に向けた取組についてです。
地区会館は、区民が相互に交流と連帯を深め、豊かな地域社会の形成を図る目的で設置されています。先般、区は地区会館の社会教育等に資する形で区民の自主的な活動をサポートしていくことが必要との認識を示しました。
熊本市では公民館活動が充実しており、人口減に悩む地域の住民が職員と共に学び、話合い、住民が参加する子育て支援を行うなど、地域ぐるみのまちづくりが進んでいます。区民集会施設の利用を促進するために、住民自治や社会教育の充実を中心に据えた取組を求めます。見解を伺います。
私からは、中学三年生の子どもに対する支援について御答弁申し上げます。
令和二年度に実施した中学三年生への新生活応援は、国による支援策が十分でなかったふたり親家庭にも焦点を当て、区が臨時的に実施したものでございます。
令和三年度より、国がひとり親家庭のみならず、ふたり親家庭も対象にした低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金を開始し、区では、国の支給額である五万円に、令和三年度は区独自に三万円、令和四年度は五万円を追加して支給しております。また、学習塾等の受講料や受験料を借りることができ、高校に入学した場合は返済不要となる受験生チャレンジ支援貸付の所得要件が見直されまして、令和四年度より拡充されているところでございます。
物価高騰等の影響は、受験生をはじめとした教育費のかかる子どものいる世帯にも及ぶものと考えられますが、実施に当たっては相応の財源の確保も必要なことから、国等の動向を注視してまいります。 以上でございます。
次に、長期的な観点での計画策定の前提となる人口推計について伺います。
昨年九月、公共施設等総合管理計画一部改定で、北烏山地区会館の廃止が示されました。北烏山二・三丁目の大規模団地の建て替え計画が進んでおり、人口が増えることが分かっている地域です。この地域で地区会館を廃止して、区民の活動の場が確保できるのかが問われています。
学校、保育所、幼稚園、区民集会施設などの整備、改修、改築などの長期的な計画に欠かせないのが将来人口推計です。
この間、芦花小学校の改築をして間もなく、二つの大規模マンションの建設により教室不足、そして学童BOP室の不足などの問題が発生し、議会からも施設整備計画のために人口推計の重要性が指摘されました。計画策定の前提となる人口推計に地域地区での大型開発による影響など、これを反映すべきだと考えます。区の見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。
私からは、三点順次御答弁いたします。
初めに、公共施設等総合管理計画における人口推計についてでございます。
公共施設等総合管理計画では、総人口のほか、子どもや高齢者、生産年齢人口といった年齢階層ごとの推計も踏まえ、必要に応じて施設の増築や用途転換できるよう、柔軟性のある施設整備を行うことを定めております。今後とも計画策定の際は、長期的な視点が必要であり、人口推計は、施設機能や規模など、運用面における需要に反映させ、また、立地や各建物の方針を定める重要な要素の一つでございます。
一方、新型コロナウイルス感染症を経て、区民の行動や社会状況が目まぐるしく変化している中で、人口推計という重要な要素とともに、その時々の年齢構成や地域地区での活動状況に加え、区の財政状況などから、施設の機能転換ができるよう、柔軟性も必要であり、これらの要素を備えた計画となるよう検討を進めてまいります。
低所得の課税世帯への支援について再質問いたします。
課税世帯の方でも、この間、相談を受けてきましたけれども、電気代やガス代が払えないと、止められたことがあると、こういった声も伺っています。ここにぜひ支援の手を差し伸べていただきたいと思っております。
区長の見解を伺います。
たかじょう議員の再質問にお答えをします。
課税世帯であっても生活困窮の局面が度々訪れているという状況があるという御指摘でございます。新型コロナウイルス感染症による影響が続いていく中で、今年に入りまして、ロシアによるウクライナ攻撃の長期化によって資源や食料が全般的、世界的に不足をいたしまして、物価高騰が極めて顕著な形になっているとともに、一方で実質賃金は低下しているということが国の統計でも明らかになっています。
これまでも補正予算に対して緊急の対策として、家計への影響が大きい低所得世帯への緊急支援給付金等や社会福祉施設に対して光熱費上昇分の支援など、区民、事業者への支援を行ってまいりましたし、また、せたがやPayの取組も、これは一定の効果があったものと、しかし、あまりにも広がったということで期限が予定より短くなってしまったというところを、もう少しこれが有効に長い期間継続できないかということも今後考えていきたいと思います。
長期化している物価高騰の影響は、今後の必要な区の取組についても、社会状況を踏まえ、国や都の補助金予算も最大限使いながら、区民生活を守るため、区民全体を見ながら時期を逸することなく判断し、対応していきたいと思います。
もう一つなんですけれども、これは質問ではなくて意見にとどめますけれども、公共施設等総合管理計画、人口推計というのは本当に大事で、先ほども壇上で述べた芦花小学校の件だけではなくて、今回、人口増があると見込まれるところで、区民利用施設も減ります。
そして給田幼稚園も減らされます。小学校も大変です。ぜひ御検討ください。