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令和4年 第1回定例会 一般質問

2022/02/22

質問項目

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地域行政推進条例について

たかじょう訓子 議員

質問通告に従い質問します。

まず、地域行政推進条例についてです。

大場区長時代に始まった地域行政制度は、区役所が住む人の近くに来るということを掲げて、行政サービスを住民の身近なところに移し、便利な区役所をつくる一方、これを通じて住民自治の発展を目指すという創造的な提起でした。議会も支持をしてきました。

しかし、出張所改革、合理化・効率化推進の行政改革により、地区も総合支所も縮小され、区民サービスが後退し、住民自治の発展を目指すという側面は軽んじられてきました。

今般、地域行政推進条例の素案の案が示されましたが、地区におけるまちづくりを推進すること、住民自治の充実と地域社会の発展に寄与することを目的としていることについて、地域行政を積極的に進めるものと評価します。

区は基本理念に住民自治をより確かなものにすることを掲げ、一人でも多くの区民が区政や公の活動に参加できるようにすることを明らかにしており、その内容は、自治の担い手である住民が区政に参加できる機会を数多く設けることや、地域の課題解決に取り組む区民や団体がお互いに協力して自治を進められるよう支援することなどを掲げています。現基本計画では、参加と協働による地域行政を推進することとし、住民の意見を尊重した区政運営を行うとしています。

その立場から、区が地域行政推進条例を策定するに当たり、住民自治の充実を目的に掲げていることは大変重要だと考えます。地域行政推進条例で住民自治をどう進めていこうとしているのか、区の考えを伺います。

昨年二月に条例素案が示され、一定の権限が想定される住民自治の仕組み、地区街づくり協議会の設置が示されました。

その後、権限を有さず、住民が具体的に参加していく仕組みが弱い地区情報連絡会へと変更されています。住民自治を進めるためには不十分ではありますが、広範な団体や個人が参加する仕組みは重要です。

多様な住民の参加に門戸を広げることも含め、住民自治の発展を目指していただきたい。

見解を伺います。

舟波 地域行政部長

私からは、二点御答弁申し上げます。

まず、地域行政推進条例により住民自治をどのように進めるかでございます。

地域行政推進条例の検討では、地域行政制度の充実強化について必要な事項を定めることにより、地域特性に即した行政を総合的に推進するとともに、地区におけるまちづくりを推進し、住民自治の充実と地域社会の発展に寄与することを条例の目的としてございます。

住民自治の充実に向けましては、条例では、区民等が区政に関する意見を述べることができる環境の整備に努めることを区の責務に掲げ、また、まちづくりセンターや総合支所で集約した区民等の意見を区政に反映する仕組みの強化を進めることを基本方針に位置づけてまいります。

このような取組を進めるため、まちづくりセンターにおける総合調整機能や広報広聴機能、防災機能、地域包括ケアの地区展開の充実強化を進め、総合支所においては、まちづくりセンターを支援するとともに、地域の人材や団体のネットワーク化、地域における多様な区民参加の機会づくりを進めてまいります。

総合支所の地域経営の取組や成果が各種計画の策定や施策の実施に反映、寄与するよう、本庁所管との関係性の強化にも取り組んでまいります。

続きまして、多様な区民参加促進に向けた取組についてでございます。

区民参加の促進に向けましては、まちづくりセンターでは、住民や町会・自治会、NPO、事業者、学校などの多様な関係者の交流の場づくりを進め、また、SNSやオンラインツールを活用してワークショップなどの開催を支援してまいります。

このような取組から身近な町への関心を持っていただき、地域コミュニティーに参加するきっかけづくりを支援するとともに、地区課題を住民とともに考え、まちづくりにより多くの方が携わっていただけるよう取組を進めてまいります。

また、総合支所においては、地域課題などをテーマにしたタウンミーティングを開催し、総合支所の施策の実施に区民参加を組み入れ、また、地域で活動する団体の方々の交流の機会を設け、総合支所を核とした参加と協働による地域経営を目指してまいります。

このような取組にはデジタル技術を併用するなど、区民が参加しやすい環境づくりを進め、より多世代の区民参加の促進に努めてまいります。

以上でございます。

世田谷区産業振興基本条例について

たかじょう訓子 議員

次に、世田谷区産業振興基本条例についてです。

今般、世田谷区産業振興基本条例の一部を改定する条例が提出されました。見直しに当たり、我が党が求めてきた事業者への支援を位置づけること、多様な事業者を対象にすること、SDGsの視点など、条例案に盛り込まれました。

コロナ禍により、区内には業績を伸ばしている事業者もありますが、その一方、飲食店初め多くの事業者が痛手を負いました。区内の事業者から、経営状況は消費税増税で厳しくなった上に、追い打ちをかけるようにコロナ禍でより状況は悪化した、コロナ対策としての支援で延命できたという部分が大きい、条例の見直しで事業者への支援が位置づけられたことに期待するとの声が寄せられました。

今般示された条例案、世田谷区地域経済の持続可能な発展条例が事業者への支援を位置づけていることは大変重要です。今後、区内事業者の困難に寄り添って支援に取り組んでいただきたい。

今後の事業に条例をどう生かし、どう進めるのか伺います。

田中 経済産業部長

私からは二点、まず、産業条例について御答弁いたします。

産業振興基本条例の改正案では、地域経済の発展と地域や社会の課題解決を両立する地域経済の持続可能な発展を目指していくこととしています。そのために、地域産業の基盤強化をはじめとする四つの基本的方針を掲げ、第五条の区の責務の中で事業者への支援について言及しております。

区ではこの間、業態転換や新ビジネス創出に関する支援、伴走型で成長を促すハンズオン支援、せたがやPayによる個店支援など、区内の中小・小規模事業者を対象とした様々な施策を実施してきましたが、令和四年度もこれらを継続するとともに、改めてコロナ対策の融資を行っていく予定です。

今後も、区内事業者に寄り添いながら、区内経済状況を踏まえ、事業者や区民など様々な関係者と連携しながら、新たな条例の目的実現に向けた様々な施策を講じてまいります。

旧池尻中学校跡地の活用計画の見直しについて

たかじょう訓子 議員

次に、旧池尻中学校跡地の活用計画の見直しを求め、伺います。

旧池尻中跡地の活用計画では、旧校舎とともに校庭、体育館も一体に民間活用する計画となっています。先日、池尻小学校PTAの方、校庭を利用されている地域の野球やサッカーチームの方からのお話を伺いました。

池尻小学校は、小学校の校庭と旧池尻中学校の校庭を一体に利用しており、区内で最大の校庭面積であり、大変貴重です。地域のイベント、スポーツ団体の練習や大会の開催など、十分に活用されてきました。今回の池尻中学校跡地計画が進めば、校庭は今までの六割しか利用できなくなります。

広い校庭を生かし、三宿小学校、多聞小学校、池尻小学校の三校が連携してマラソン大会を開催する取組がありますが、三校の保護者からも反対の声が上がっていると聞いています。

六月に開催された説明会以降、池尻小PTAの方や野球やサッカーの団体は、体育館や校庭を今までどおり利用できるよう、事業の見直しを求めて陳情提出に向けた署名活動を行い、短期間に約二千四百名の署名を集めたと伺っています。

そもそも、当区はスポーツ施設が不足しています。こうした中、池尻小学校の広い校庭は大変貴重な区民の財産であり、教育施設として、また、地域のスポーツ施設として活用できるようにすべきです。官民連携の事業を成功させるため、事業者の利益を増やすために、区民生活に欠かせない施設を犠牲にしてはなりません。

優先すべきは、区民の福祉の増進です。今までどおり区民が校庭を利用できるよう、計画の見直しを求めます。

また、住民の方の要望を伺う機会を十分に設けていただきたい。

見解を伺います。

田中 経済産業部長

次に、池尻中跡地活用についてです。

旧池尻中学校跡地活用においては、校庭、体育館を子どもから大人まで広く区民に開かれた場、地域コミュニティーの場、区民と事業者の交流の場、新しく事業に挑戦する方のテストマーケティングの場とするなど、多くの区民や事業者が活用できるようにしていきたいと考えております。

なお、休日や放課後にグラウンドを使用している活動団体などからは、校庭の活用方法について御意見、御要望をいただいており、他の廃校活用も参考に、団体が引き続き活動できるよう、場の確保について検討、調整してまいります。

私からは以上です。

北烏山地区会館の廃止について

たかじょう訓子 議員

次に、北烏山地区会館の廃止について伺います。

現在、区は、北烏山地区会館を廃止し、跡地活用として障害者施設を検討するとしています。この間、利用者を対象とした説明会が開催され、コロナ禍で参加を控える方もいたと伺っていますが、その中でも十名の方が参加されました。

参加者からは、この地域には三十人規模の会議室は北烏山地区会館以外にはない、なくなると困る、独りぼっちの高齢者をつくらないために高齢者のサークルをつくり活動している、この施設があるからこそ続けてこれた、高齢者のこうした活動を認めてほしい、北烏山地区会館の存続を求める、利用率が低い理由について、区は駅から遠く利便性が低いことを挙げたが、駅から遠い地域の住民が必要に応じて利用できることが住民にとっては重要だ、また、個別にマンションの自治会役員をされている方から、自治会の総会の会場として北烏山地区会館を利用している、ここがなくなれば駅前の区民センターを利用するしかない、わざわざバスに乗っていくのかと御意見を伺っています。

統合先の寺町区民集会所には、三十人規模の会議室はなく、代替にはなりません。

また、世田谷区公共施設等総合管理計画では、適正配置について、半径五百メートルを利用圏域として各地域に配置していると述べています。

この図は、北烏山の集会機能を持つ施設を中心に半径五百メートルの利用圏域を示した地図です。ここが北烏山地区会館で、この青い丸が圏域になりますが、ここがなくなれば新たな空白地域が生まれます。

北烏山地区会館が廃止になって、こういった統合がされてしまえば、北烏山八丁目・九丁目、給田五丁目の住民は利用圏域外になり、新たな空白地域となります。こうしたことは区民には説明されていません。住民や利用者の理解は得られません。

北烏山地区会館の存続の検討を求めます。この計画は、新たな空白地域が生まれるものであり、住民サービスが低下することは明らかです。

どう対応するのか、見解を伺います。

皆川 烏山総合支所長

私からは、北烏山地区会館について御答弁申し上げます。

北烏山地区会館については、令和三年九月に一部改定した公共施設等総合管理計画に基づき、利用率の低い区民集会施設の有効活用策として、同様に利用率の低い寺町通り区民集会所にその機能を移転し、跡地は障害者施設としての活用に向けて現在検討を進めております。

この間、機能移転については、施設利用団体に御説明文書を郵送するなどしてお知らせしたほか、一月下旬には説明会を二回開催し、約十人の参加者から、北烏山地区会館の存続や複合化、利用率が低い要因、寺町通り区民集会所の会議室の規模等について御意見をいただきました。

機能移転により利用者の方々には御不便をおかけすることとなり、施設ニーズにどのように対応するかが課題であると認識しております。

機能移転先である寺町通り区民集会所には三十人規模の会議室はありませんが、まずは施設の利便性を高めるため、コロナ禍等も想定して、例えばICTを活用したリモート会議の環境整備などについて検討してまいります。

引き続き地域の方々にきめ細かく説明し、いただいた御意見、御要望に丁寧に向き合いながら検討を重ねてまいります。

以上でございます。

区の事業決定のプロセスについて

たかじょう訓子 議員

次に、区の事業決定のプロセスについて伺います。

ふじみ荘の廃止に続き、北烏山地区会館、また、旧池尻中跡地利用でも同様、事業決定前に住民からの聞き取りや現状把握、事業による区民への影響を十分に検討せずに廃止や削減となる事業を推し進めるやり方が繰り返されています。廃止により後退する必要なサービスの代替も担保もされず、住民は納得していません。

また、今回、施設の統廃合で空白地が生まれるなど、新たな課題も生まれています。住民の方から、区のやり方が大変強引だ、いつからこんなひどいやり方をするようになったのかとの声も伺っています。

参加と協働の区政運営を掲げる当区として、施設、事業の廃止や削減の場合についても、事業の決定に先立ち、住民や利用者からの聞き取りや現状把握、事業による区民への影響を十分に検討し、課題への対応も含め丁寧に進める方針を持っていただきたい。

見解を伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。

加賀谷 政策経営部長

私からは、区の事業決定のプロセスについて御答弁申し上げます。

御指摘の地域にある公共施設は、区民や地域活動団体が日頃から顔を合わせ、関係性を深めながら、主体的に地域で活動するための基盤を担う大切な場であると認識をしております。

施設の機能移転や廃止の決定におきまして、現状の利用実態や維持管理に係る将来コスト、立地や近隣施設の状況などを分析し、地域のニーズや将来的な利用者数の見込みなど、区民への影響を多方面から検証した上で総合的に判断をしていくことが重要だと考えております。

今後とも、利用者や近隣住民等に御理解いただけるよう説明責任を果たすとともに、御意見等を踏まえながら課題への対応などを丁寧に進めてまいります。

以上でございます。

再質問

たかじょう訓子 議員

一つは要望です。

北烏山地区会館の問題ですけれども、区民に説明責任を果たしていないという事実があります。今後、皆さんと一緒に対応を考えていただきたいと要望します。

また、池尻中学校跡地の問題ですけれども、住民の方の御意見をぜひ聞いていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

田中 経済産業部長

再質問にお答えします。

今お話のあったとおり、他の廃校活用事例においても、同様の取組をしております。池尻中跡地活用についても、過去の事例を参考にしながら、住民との意見交換をしてまいりたいと思います。

以上です。

たかじょう訓子 議員

終わります。

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