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令和3年 決算特別委員会 文教委員会所管分

2021/10/12

質問項目

特別支援教室「すまいるルーム」について

たかじょう訓子 委員

私からは、特別支援教室「すまいるルーム」について伺います。

特別支援教室「すまいるルーム」とは、全般的な知的発達の遅れがなく、通常の学級での学習におおむね参加できるものの、情緒の発達に偏りがあるなど、発達上の特性によって一部特別な指導が必要と認められる場合に、コミュニケーションスキル向上などの指導を行う教室です。拠点校に配置された教員がグループ内の学校を巡回して指導します。基本的に児童は在籍する学校のすまいるルームで指導を受けます。

今年三月、東京都教育委員会は特別支援教室の運営ガイドラインを策定し、すまいるルームの指導期間を原則一年、最長二年とすることが盛り込まれました。また、東京都は特別支援教室の担当教員を減らすために、現行の教員一人につき、子ども十人から十二人へと教員配置基準を引き下げる、こういったことを市区町村の教育委員会に説明をし、既に学校ごとに立てた担当教員の削減計画を九月末までに都に提出していると伺っています。

東京都は小学校で三百八人、中学校で三十二人の削減をし、それらの教員を通常学級へ異動させるとしています。つまり、その狙いは、小学校三年生からの三十五人学級導入に合わせ、不足する普通級の教員を支援級教員削減で補おうとするものと考えます。

世田谷区においては、今年度、四月時点での利用児童数、生徒数は千七百二十人、今年度、世田谷区に配置されたすまいるルームの教員は百七十二人でした。十二人に一人の配置基準となれば、拠点校ごとに職員が、教員が一人削減される計算になります。

現状でも子どもは週一時間から二時間の指導となっており、ある保護者は、週に一、二時間のすまいるルームでは子どもの情緒安定などの効果が乏しい、時間数を増やしてほしいと伝えたが、それはできないと言われたというふうに伺いました。四月時点でのすまいるルーム通級者数で教員が配置されますが、年度途中から希望する子どもが増えるため、実態にそぐわない職員配置となっています。そのため子どもの指導に必要な時間を確保できない状況が常態化しているのが実態です。基準が引き下げられれば、子どもの指導時間が今よりもさらに短縮される可能性があります。

また、都のガイドラインでは指導期間を原則一年、最長二年と制限を設けました。特別支援教室に通った子どもの保護者の方からは、一年生から六年生まで通い、集中することやコミュニケーションについて改善が見られ、中学校からは普通教室で過ごしたと伺いました。子どものペースで教員が指導を進めることが重要です。

すまいるルームの教員の方からは、ほとんどの児童生徒が最高学年まで継続して通級しており、集団活動が苦手で教室に入ることができなかった子どもが入れるようになった、集団でいられる時間が増えてきた、かんしゃくを起こしやすい子どもが落ち着ける部屋でクールダウンすることで、集団に戻ることができるようになるというふうに伺っています。

今般の特別支援学級の制度改悪となる都の計画などに対して、公立小学校副校長会は九月六日に、日本共産党都議団との予算懇談で要望書を提出しました。どの子も安心して学べるために、必要に応じた支援員の配置や、各市町村への情緒障害固定級の設置のための予算配当など、特別支援教育のさらなる充実を求めています。

教育長、今般の特別支援教室の職員減や指導期間の制限について、どのような認識か。誰一人置き去りにしない教育実現のため、特別区教育長会などを通して意見をしていただきたい。教育長に伺います。

渡部 教育長

今回、このように十二人になるということもお伺いをしています。私たちとしても、世田谷区としても、今後、他区の状況等も参考にしながら検討を進めていく必要があるというふうに考えておりますので、教育長会でも、これはずっと課題にしてきたことですので、引き続き要望してまいります。

たかじょう訓子 委員

教育長は今まで誰一人置き去りにしない教育の実現と言っておられました。特別区などの発言なども含め、今後充実させていただきたいというふうに思っております。

すまいるルームの指導室環境整備について

たかじょう訓子 委員

次に、すまいるルームの指導室環境整備について伺います。すまいるルームの個別指導は、多くが教室をパーティションやカーテンなどで区切ったスペースを利用していることが多く、隣の部屋の声や物音が伝わるため、子どもが集中できないなど伺ってきました。子どもの特質などに配慮し、対象となる子どもの教育環境を整えることが必要です。見解を伺います。

柏原 教育相談・支援課長

特別支援教室につきましては、利用する児童生徒の数が年々増加していることもございまして、学校によっては学習室の確保に苦慮している学校もあるというふうに伺っております。特別支援教室の学習環境につきましては、児童生徒にとって落ち着いた環境であることが望ましいと考えておりますので、今後も各学校と協力しながら学習環境の向上に努めてまいります。

たかじょう訓子 委員

これも長いことお話を伺ってきましたので、ぜひしっかりと実現させていただきたいというふうに思います。

また、この間、すまいるルームの巡回指導用のタブレット端末がないとか、Wi―Fiがつながらない等の苦情が寄せられてきましたけれども、区は十月にタブレットを配備するということを伺いました。Wi―Fiアクセスポイント追加も、追加調達も進めているというふうに聞いています。

授業準備などを作成するのはパソコンが必要なんですが、この設備が巡回校にはございません。拠点校でしかないとのことでした。今後、巡回校でも授業準備が進められるよう対応が必要であり、要望しておきます。

以上で私の質問を、日本共産党の質問を終わります。

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