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令和2年 決算特別委員会 文教委員会所管分

2020/10/09

質問項目

学校再開に当たり、学習の遅れた子どもへの個別の手だてや心のケアについて

たかじょう訓子 委員

おはようございます。日本共産党の質疑を始めます。

我が党は、この間、学校再開に当たり、学習の遅れた子どもへの個別の手だてや心のケアを丁寧に行うために、体制を整えて、手厚い教育を、また、学習指導要領どおりに進めることを優先させて、授業を詰め込むのではなく、子どもの成長を優先させ、学習とともに、子どもたちの人間関係の形成、遊びや休息をバランスよく保障する柔軟な教育を求めてきました。コロナ禍の今こそ、教員十万人増員と少人数学級の実現が必要です。

まず、学校再開後の教育について伺ってまいります。

この間、保護者からは、時間割が増えて、子どもが疲れているようだとの声や、不登校ぎみとなってしまったとの御相談もいただいています。また、休業中、家庭学習に十分に取り組めなかった家庭もある中で、親が共働きなどの事情により取り組めなかった子どももいました。学力の格差が生じたのではないかとの心配の声があります。子ども一人一人への丁寧な個別の手だても必要です。

学校再開後、四か月たちましたが、授業などの状況について伺います。

毛利 教育指導課長

三か月の休業期間により、通常の指導計画より遅れた内容については、七月三十一日までの授業実施と、九月以降の土曜日授業を月二回実施することや、行事の精選、各教科の指導計画の見直しを行い、該当学年の学習内容を年度内に履修できるよう、カリキュラムを組み直しております。さらに、一か月の夏休みを設け、子どもたちに体験活動や探究的な学習の機会を確保するとともに、十日間程度の補習授業を行い、個に応じた学習支援を充実させてきました。

今後も、各学校においては、児童生徒の発達段階や心身の状態、負担等に十分配慮し、ICTなども積極的に活用しながら、無理なく該当学年の学習内容を履修できるように、工夫して指導を進めてまいります。

たかじょう訓子 委員

御答弁では、カリキュラムの組み直しを行い、夏休みの活動などの機会を保障するために、夏休みを一か月間設けたこと、個に応じた補習を行ったこと、無理のないよう進めるなど、一定の工夫は評価いたします。しかし、子どもたちが疲れている状況からも、詰め込み教育になっているのではないでしょうか。

成育医療センターのコロナ×こどもアンケートの九月一日から二十二日までの中間まとめによると、ストレスについて、コロナを考えると嫌だと感じる、小学生四三%、中学生三二%、最近、集中できない、小学生二九%、中学生四〇%、いらいらしてしまう、小学生二七%、中学生二八%、学校に行きたくないときがあるには、いつもと答えたのは七%、大抵が六%、時々が二〇%でした。

また、現場の教員からお話を伺ってきました。小学校六年生が、コロナで死んでしまったらどうしよう、安定した仕事に就けなかったらどうしようと悩みを日誌に書いてきたり、休み時間が自由に遊べないことにより不満がたまっている状況がある、それから、小学校一年生の中には、マスク越しのため、子ども同士の関係が深められずにいる、また、コロナの生活に慣れたように見えるけれども、子どもたちの不安も大きく、ストレスも蓄積していると伺いました。こうした実態を区教委は把握しているのでしょうか。

不安やストレスを抱える子どもの状態に寄り添い、人間関係の形成、遊び、休息をバランスよく保障する柔軟な教育が必要と考えます。コロナ禍で心身ともに様々な影響を受けています。子どもの心のケアや、状況に応じたカリキュラムの見直しを求めます。見解を伺います。

毛利 教育指導課長

コロナ禍の中、今まで以上に不安や心理的なストレスを抱えている児童生徒がいるということは考えられるところであります。そのような中、学校においては、学級担任や養護教諭等を中心としたきめ細やかな健康観察等から、子どもたちの心の変化について的確に把握し、必要に応じて健康相談を実施したり、スクールカウンセラーによる支援を行ったりしております。

教育委員会といたしましては、各学校において、子どもたちの学習や心身の状況に応じて、柔軟に教育活動が行えるよう、日常的なカリキュラムの見直しについても指導助言を行ってまいります。

たかじょう訓子 委員

子どもたちや教員へのアンケートなどを行って、ぜひ実態把握に努力をしていただきたいと思います。

また、行事については、クラスの友達と協力してイベントをつくり出す経験、学芸会や合唱コンクールなど、子どもの学校生活の中でのかけがえのない思い出となります。コロナ対策として、可能な限り感染拡大防止など工夫しながら、支援をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

毛利 教育指導課長

学校行事は、児童生徒にとって、望ましい人間関係づくりであったり、お互いに協力し合って、よりよい学校生活を築こうとする態度を育てたりするものとして、大変に意義深いものであると考えております。しかしながら、このコロナ禍において、移動教室や林間学園など、密を避けて行うことが難しい行事については、残念ながら、中止にせざるを得ないものもありました。

一方、今までのやり方や形態とは違うものの、感染症対策を行いながら、学校が工夫をして行っている行事もあります。例えば運動会では、できる限り密な状態にならないよう、学年を分けて開催したり、練習や見学方法の工夫を凝らしたりしながら実施しています。

 教育委員会としましては、その他の行事につきましても、学校や地域の実態に応じて、工夫して実施できるよう、引き続き支援してまいります。

三十人学級について

たかじょう訓子 委員

次に、三十人学級について伺います。

文科省は、来年度から公立小中学校の全学年を三十人学級にした場合、教員を八万から九万人増やす必要があるとの試算をまとめました。十年かけて段階的に移行することにより実現可能とし、来年度概算要求に金額を示さない事項要求として、少人数学級の実現に向けた体制整備を盛り込みました。少人数学級実現が具体的に進んでいます。

三十人学級の実現のためには、教室の確保などが重要課題であると思います。私どもは、令和二年度現在の児童生徒各学校の状況から、三十人以下学級を全校で実現した場合の教室数を試算いたしました。現在の児童生徒数ですと、小学校で二百六十一学級、中学校では八十八学級の増、一校当たりで見ると、小学校では最大九学級、中学校では六学級の増が必要となってきます。さらに、人口推計からも児童生徒の数は増える見込みとなっています。

三十人学級について、検討はどのように行われているのか見解を伺います。

青木 教育環境課長

区内の児童生徒数は、近年、減少傾向の地区がある一方で、増加傾向の地区があることから、クラス数増への対応として、普通教室への用途転換や、給食室等を拡充する改修を行い、また、教室等の確保が困難な学校につきましては、施設の老朽化などの状況を踏まえて、増築や改築を行っているところでございます。

このような状況の中、国が検討を進めている小中学校の全学年を三十人学級とした場合、令和八年度までの間に、クラス数は、小学校一校を除き、全ての学校において増加し、そのうち、普通教室が不足する学校は、小学校が三十九校、中学校が十校と予測されます。そのため、教室等を確保するためには、多くの施設整備費用が必要となるだけではなく、学校によっては、学級数が四十を超える過大規模校となることが想定される学校や、都市計画法上の敷地条件により、必要な教室数を確保することが困難な学校もございます。

こうしたことからも、今後の国の動向を注視し、将来の児童生徒数の推移や、学校ごとの施設状況を踏まえながら、少人数学級に向けた様々な課題の把握に努め、関係所管との協議や対応策の検討などを行ってまいります。

たかじょう訓子 委員

都市計画法上の敷地条件により、必要な教室を確保できない困難な学校もあるとの答弁がありました。これは新たな教室や学校施設のための用地取得が必要となり、引き続き検討を進める計画的な対応を求めておきます。
また、国により三十人学級の検討が進む中、どのように実践していくかというのは教育委員会の仕事です。具体的な検討が進む中、少人数学級の実現に向けて、教育長はどのような役割を果たしていくのか伺います。

渡部 教育長

私は今年度、四十校ほどの学校を回って、子どもたちの様子を訪問して見てきました。授業中の様子を見ると、教室の中で授業をするので、間をなるべく空けようとしても、通路が狭くなるなどの実態が見られました。

六月の分散登校時には半分に分けて授業を行ってきたので、子どもたちはとても落ち着いて、距離を保ちながら授業をしていました。そのときには不登校の子どもも登校できたということもあり、少人数学級の有用性を強く感じています。

引き続き、特別区教育長会を通じて、国や都に働きかけを行ってまいります。

たかじょう訓子 委員

少人数学級の実現は遠い将来の未来の話ではないという認識で、子どもたちのために少人数学級に向けた手だてを進めていただくことを求めます。

中里委員に代わります。

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