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令和2年 決算特別委員会 福祉保健委員会所管分

2020/10/06

質問項目

第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について

たかじょう訓子 委員

委員 日本共産党の質疑を始めます。

私からは、まず第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について伺います。

第八期計画素案が示されました。素案では、安心できる住まいの確保として、まず第一に、特別養護老人ホームの整備が挙げられ、第六期計画において策定した令和七年を目途とする長期目標である千人分の整備を目指すとあります。現状、待機者数や整備率などどうなっているのか伺います。

三羽 高齢福祉課長

特別養護老人ホームの待機者は、九月時点で約千三百七十七人、整備率は令和元年度末の状況で、二十三区中下から三番目の状況です。

たかじょう訓子 委員

千人分の特養ホーム整備計画は、特養ホーム入所指針七十五ポイント以上の人数を根拠として策定されていますが、現実には七十五ポイント未満の方でも在宅の介護が限界にある方、こういったことがあります。この間、御家族やケアマネジャーなどからお話を伺いました。例えば、ひとり暮らしの八十五歳の男性、徘徊で何度か警察に保護されています。自宅では、トイレの場所が分からず、安全・衛生面等が確保できないという状況があります。他県で暮らす家族が実状を知って驚き、介護保険を申請し、要介護二と認定されました。初回認定からの期間は一年未満です。この方の場合、入所ポイントは六十です。

また、八十歳の妻が認知症のある八十五歳の夫を介護、夫には認知症による物取られ妄想、夜騒ぐなどがあります。妻に対して殴るなどの暴力行為もあります。妻は心身ともに疲れ切っています。夫は要介護三の認定を受けていますが、入所ポイントは七十です。

特養ホームに入所するには十分な事例でありながら、入所できる七十五ポイントに満たない一つの要因として、介護期間が不足しているという問題があります。区の入所指針は、介護期間が長いほどポイントが高くなる設定です。七十五ポイントであっても、待機者が千三百人いるのでさらに待たなければならない、この改善が必要です。

特養ホームを待つ間、子どもが介護離職したり、またショートなどでつなぎ合わせる間に亡くなってしまったり、介護負担から虐待等の痛ましい事例が区内でも起きています。特養ホーム千人分計画で確かに待機者が減っていることは認めますが、在宅介護期間前提のポイント設定では、今必要な人が直ちに入所できる事態にはならないのではないでしょうか。

入所指針七十五ポイントを見直して、特養ホーム千人分計画の上方修正を求めます。同時に、施設の整備に合わせた人材確保策強化を重ねて求めます。いかがでしょうか。

三羽 高齢福祉課長

特別養護老人ホームの整備につきましては、第六期の世田谷区介護施設等整備計画初年度とする平成二十七年度から二〇二五年にかけて、千人分を目標に計画的な整備を進めております。現在の整備状況でございますが、第六期と第七期計画を合わせますと、第七期末の令和二年度までの目標としていた五百三十人を上回る五百九十三人の定員増が図られております。

整備目標の設定につきましては、お話しのポイント以外にも、高齢者人口、要介護認定者数の推移や特養入所申込み状況、区民ニーズなどを踏まえ、目標数の検証を行いながら検討しているところです。第八期計画については、地域保健福祉審議会の御議論をいただきながら、目標の速やかな達成や待機期間の観点も含めて、さらに検討を進めてまいります。

介護人材の確保は喫緊の課題と認識しておりますが、事業者からは同じ時期に複数の施設が開設されることから来る人材確保への影響も指摘されているところです。今後は、介護施設の開設時期が重ならないよう配慮するなど、介護人材対策との整合を持った形での施設整備に取り組んでまいります。

たかじょう訓子 委員

二点目は、施設の居住費などの負担軽減についてです。

認知症グループホームは、居住費が月額二十万円と高く、低所得者の方は利用できません。特養ホーム並みの施策の実施を求めます。また、小規模多機能居宅介護の宿泊費軽減を求めます。見解を伺います。

三羽 高齢福祉課長

認知症高齢者グループホームの新規整備に際しては、補助金活用に係る事業者公募を実施し、都の補助金や区の上乗せ補助を活用することにより整備誘導を図っております。

公募では、低所得者も含む区民の方々が利用しやすい家賃設定にすることを要請し、低額な料金で入居できるグループホームの整備、誘導に取り組んでいます。また、家賃は土地の価格と連動するため、借地料の減額制度がある国有地や都有地の活用について、国や都に要望しております。

同様に、小規模多機能居宅介護についても、誰もが利用しやすい金額設定をすることを公募の際に要請し、低額な料金で利用できる施設の整備誘導に努めているところです。

また、特別養護老人ホームの食費、居住費は、低所得者の方の自己負担が軽減される補足給付の対象となっています。認知症グループホームの家賃や小規模多機能型居宅介護の宿泊費についても、特別養護老人ホームと同様に補足給付の対象とするよう国に要望しているところであり、今後も引き続き機会を捉え要望してまいります。

たかじょう訓子 委員

八期介護保険料について伺います。

次期八期の介護保険料は、基準額が九万円前後に上がると推察されます。介護保険料は第六段階の基準額から、この第一段階までが住民税非課税です。実に、非課税保険者の約五割が六段階以下となっていて、低所得者世帯が半分を占めている状況です。そういった現状があります。高齢者の貧困が進行する中、低所得者対策の継続、拡充が必要です。

区は、この間独自に多段階化を進めてきました。渋谷区の保険料は最高段階の料率を変えて、最高額の方の保険料をさらに高くする設定をすることで基準額を抑えています。次期介護保険料抑制のため、さらなる多段階化、約十七億円に積み上がっている介護給付費準備基金積立ての取り崩し、低所得者対策として区独自の保険料率拡充を進めることを求めます。

瀬川 介護保険課長

現在、区では令和三年から五年度の第八期の介護保険料について、地域保健福祉審議会高齢者福祉・介護保険部会に考え方をお示しして御議論いただくなど、設定に向けた検討を進めております。平成三十年度から令和二年度の第七期の介護保険料の設定では、高齢化の進展に伴う介護給付費の増加等により保険料水準の上昇が見込まれる中、被保険者の負担能力に応じた保険料段階の弾力化、多段階化や、介護給付費準備基金の活用等により、保険料の上昇の抑制に努めました。

また、令和元年度、二年度に消費税率一〇%の引き上げによる増収分を活用するとともに、区も新たな公費を投入し、非課税世帯、第一段階から第四段階の保険料のさらなる軽減を図りました。第八期の介護保険料の検討においては、第七期の考え方を踏まえ、保険料段階の細分化及び段階料率の設定、介護給付準備基金の活用、低所得者への配慮なども検討項目とし、持続可能な介護保険制度となるように検討を進めてまいります。

地域密着型特養ホームの整備について

たかじょう訓子 委員

次に、地域密着型特養ホームの整備について伺います。

烏山地域の都営住宅などの建て替えの際に、地域密着型特養ホームの整備を進めてほしいとの要望が上がっています。北烏山二丁目と八幡山三丁目の都営住宅の建て替え計画が進んでいますが、そこに地域密着型特養ホームの整備を求めます。見解を伺います。

三羽 高齢福祉課長

現在、都営烏山アパートを含め、区内の都営住宅において老朽化による建て替え計画が東京都により進められております。高齢者施設を整備していくためには一定程度まとまった土地が必要であることから、区といたしましても、このような機会を捉え、都営住宅など都有地を活用した整備についても積極的に図っていく必要があると認識しております。

都営烏山アパートの建て替えに伴い生じる創出用地、公共公益ゾーンにおきましては、子育て支援施設や高齢者、障害者の福祉施設整備について別途協議いただくよう東京都に対し要望し、これについては別途協議するとの回答を東京都より得ております。

今後も、東京都に福祉施設整備への活用を要望していくとともに、創出用地の規模や地域性等も考慮し、関係所管と調整してまいります。

子どもの貧困対策について

たかじょう訓子 委員

最後に、子どもの貧困対策について伺います。

今般、区は、新たに子どもの学習・生活面の支援や相談機能を担う拠点事業の検討を進めるとしています。拠点事業は、貧困の背景や収入が低いことから発生する親子の問題に丸ごと対応する仕組みとする必要があります。貧困の連鎖をすることなく、子ども一人一人が夢や希望を持つことができるようにするため、拠点事業をしっかりと進めていただきたいと思います。

その立場で伺います。拠点事業では、親子が安心して支援を受け生活ができるよう、地域での見守りの仕組みと連携が必要です。要保護児童支援協議会、家庭支援センターや教育機関との連携が必要ではないかと考えます。見解を伺います。

増井 子ども家庭課長

平成三十年度に行いました子どもの生活実態調査の中では、生活困難を抱える家庭の子どもには様々な課題があることが分かりました。このことから、生活困窮世帯の子ども、保護者のための一体的かつ継続的な支援をする場所として、拠点となる事業の実施に向けた検討を進めているところです。

御指摘のとおり、現在検討している子どもの拠点事業を利用する子どもは、要保護児童支援協議会で見守っている子どもも含まれると想定しております。様々な関係機関との連携を重要と考えております。

本事業の検討をする中では、全ての子ども家庭支援センターや児童相談所とは、対象となりそうな子どもの調査等を通じて連携を始めているところでございます。

今後は、学校をはじめとする教育委員会、また地域に根差した児童館、青少年交流センター、さらに主任児童委員ですとか民生委員、青少年委員など、また子ども食堂といった子どもを支援する担い手の方々も含めまして、地域と連携しながら継続的に見守っていく事業となるように検討してまいります。

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