2020/10/05
日本共産党の質疑を始めます。
まず、私からは、区民生活を支える区内産業への支援を求め、二点伺います。
一つ目は、区内事業者への支援についてです。
区は今般、政策方針の一つとして、区民の生活と区内事業者の活動を守る取組を掲げました。この方向性を支持し、その立場で実効性ある取組が行われるよう求め、伺ってまいります。
この間、区内業者の声を伺ってまいりました。左官業の方が、三月から九月までコロナで仕事が激減、この間働いたのは合計で三十日ぐらいしかなかった。持続化給付金を受け、子どももいるし、生活費も足りない中、大変これは助かったと。少しずつ仕事が入ってきているが、まだ先は見えない。
フリーランスのITシステムの開発保守の仕事をされている方は、期間単位の仕事をしており、今年の六月まで仕事をしていたが、七月からばったりなくなってしまった。今は失業状態であると。仕事を探している。そんな中で持続化給付金を得て助かった。引き続き給付金や家賃支援など、対策を行ってほしい。
イタリアンレストランでは、都の助成金でテイクアウト用のスペースを確保し、客室は狭くなったけれども、何とか営業していると。しかし、狭くなった上に、社会的距離の確保のために店内利用を制限していると。売上げは前年度比で四割、経営は逼迫している。持続化給付金の申請中だというふうに伺っています。
緊急事態宣言などにより、多くの事業者が苦境に陥りました。当初、国は補償しないという態度でしたけれども、我が党を含め多くの会派、そして世論が国を動かして、持続化給付金、家賃助成、都は協力金など、一定補償策が実現しています。しかし、現状のままでは不十分という実態があります。
区はこの間の国の持続化給付金制度や都の感染拡大防止協力金、こういったことをやっておりますけれども、どのように効果があったと考えるのか認識を伺います。
新型コロナウイルス感染症が拡大した時期、特に四月とか五月とか、国の緊急事態宣言等もありまして、経済活動が一時的に停止状態にありました。市場において需要が一気に消滅、蒸発しているような状態になっておりましたので、国の持続化給付金ですとか、都の感染拡大防止協力金などはその需要の消滅によって激減した事業者の売上げですとか、利益を補う効果はあったと認識してございます。
一方、こういった制度に無論条件、期限等があります。例えば持続化給付金では、対象者は五〇%の減収があったり、三〇%というような上限がありますし、そして期限についてもあります。問題は、これらの制度のはざまで適用外となってしまい、取りこぼれてしまった方、こういった方が一定いるということです。
この間、またお話なんかを伺っている中で、パン屋さんを営んでいる方は、賃貸ではないために、持続化給付金の対象とはならなかった。ローンを抱えているため、その支払いで四苦八苦しているという状況も伺いました。
またコロナ感染予防協力金、これも対象がやはり決まっていまして、それに外れた方、例えば喫茶店経営者はこれに対応できないということで、受けることができなかったという声もいただいています。
国や都、区の支援からこぼれた事業者は一定数あります。協力金についても金額が少ないとの声も伺いました。事業者への施策が隅々まで行き渡っていないということは明らかです。
この間、他の自治体でも、家賃補助や感染拡大防止協力金への上乗せなどを行っています。これについても、例えば文京区では、中小企業継続支援補助金と言いまして、これは必要経費を最大三十万円まで補助するというふうになっています。対象も割と緩くて、減収があったところというふうになっておりまして、多くの事業者が使える内容になっています。
そして、こういった中で上乗せなども行っているところもあります。区として、区内事業者がどんな状況なのか、どんな状況にあって、どのようなことが必要なのか、実態を把握しているのでしょうか。区や国や都の制度から漏れた事業者に対する独自支援を検討するべきではないかというふうに思っています。政策方針の区内事業者の活動を守る取組、こういった立場で取り組んでいただきたいというふうに思っています。
区内事業者への直接支援をぜひやっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
まず、実態把握のことについてなんですけれども、先ほどお話にもありましたけれども、例えば持続化給付金は今年の一月から十二月までの月で、前年同月期の売上げが五〇%以上減っているという場合に当てはまるというような基準がございますので、条件に当てはまらなかった事業者も相当数いるとは思われます。ただ、その実態が今どうなっているか、実際に漏れたことによってどう困っているかというところまでは詳細には把握できておりません。
今、支援策について、独自策を取ることとありましたけれども、今状況としては、コロナ禍がまだ続いておりますので、地域経済が以前の状態には回復していないと。ただ、感染予防策を取りながら経済活動を再開する段階には来ていると。また人々の需要も、このコロナ禍を経験したことによって大きく変わっているという状況にあるかと思います。
事業者に対する支援については、国がGo Toキャンペーンなどを打っておりますが、消費刺激策による需要の回復と、あとコロナ禍を経て、先ほど申し上げたように需要が変わりましたので、その需要に合わせてサービスや業態を変えるための支援、感染対策を取りながら事業活動を再開するための支援が必要になっていると考えております。
区としても、それらのこととして、需要喚起策としては、個店支援プロジェクト、新たな顧客や売上げ確保に向けた業態転換支援補助金、また具体的な相談のための総合経営相談を実施しております。引き続きこの方向で支援策を進めることが重要であると考えてございます。
つまり事業者への直接支援は行わないという答弁というふうに受け止めました。実際、区の行おうとしているプレミアム商品券などの施策は否定するものではありません。しかし、来年二月からというスタートになりますし、そういう今までの支援が受けられなかった方に、自分だけで頑張れというように言っているようなことと同意だと私は思います。
この間、そういった自助努力、頑張れというだけの区の認識なのかというのはすごい問題意識を持っております。この辺、副区長に伺いたいというふうに思います。
事業者の実態をつかむということは、政策立案、判断をする上で非常に重要だというふうに考えております。
現在、産業振興公社で行っております総合経営相談では、事業者の直面する困難な状況が直接伝えられておりますし、また、所管課では、事業者アンケートも今後実施するというような報告を受けております。これらから得られた情報を分析いたしまして、必要な追加支援策を検討してまいりたいと考えております。
実態把握に努めていただくというのは本当に重要なことだというふうに思います。本当に実態に合った支援をぜひ進めていただきたいというふうに思いますけれども、その上で、区として、国や都へ持続化給付金や協力金、継続的支援とか、現状に合った、実情に合った対象緩和を求めていただきたいというふうに思っております。
今日は参加されていないですけれども、区長にもリーダーシップを発揮していただき、特別区長会からも声を上げていただきたいというふうに考えていますが、いかがでしょうか。
さきにも御答弁差し上げましたけれども、国は、今売上補償的な給付から、だんだんと売上げを回復するための景気刺激策だとか、そういったところにシフトしていると思っているんですけれども、またあと持続化給付金ですとか、家賃支援給付金はかなり対象要件は広いと、そういうものだと考えておりますが、ただ、経営相談や事業者アンケートで、実態をよくつかんで、実情からすると、今までの政策だけではまだ足りないというところが見えてくれば、実情に合わせた支援策を行うように国や都に対して必要な申入れは行っていきたいと思います。
今の事業者の状況というのは、昨年の消費税増税、これも大変大きな痛手となっています。そしてコロナと、本当に大きな痛手を被っている状況だというふうに思っています。実態をぜひつかんでいただき、政策に生かしていただきたいというふうに思っています。
次に、災害時の事業者への支援について伺います。
昨年、台風十九号により多くの方が被災されました。区は、自然災害で被災された事業者を対象とする中小企業者向け災害応急資金融資あっせんの利子を〇・九から〇・三に下げる対応も行ってきました。その結果、〇・九の金利時代のときは実績がなかったということでしたけれども、〇・三になったときには実績が生まれてきたというふうに伺っています。これは大変効果があったというふうに思っています。
今後、こういったことは、今年も水害が起こらないということも限りません。ぜひコロナの中で大変厳しい状況にある事業者に対して、この水害があったときの災害支援、ゼロ金利をぜひやっていただきたいというふうに思っていますけれども、いかがでしょうか。
今年、新型コロナウイルス感染症対策の緊急融資で、これはゼロ金利で行ったんですけれども、こちらについては、かなり広い広範囲な事業者へ影響があったということと、サプライチェーンも含めて全て経済活動が止まってしまうみたいなことがありまして、連鎖倒産の危機もあるということで、事業者の負担を最低限に抑えるべくゼロ金利にしたというものでございます。
今後、また台風等水害が発生した場合ですけれども、このコロナ禍と同じような状況に区内事業者は置かれるという可能性もあります。迅速な事業再建を支援するという目的に沿って考えますと、金利は当然低いほうがいいと思われますので、災害規模や被害状況が事業者へ及ぼす影響がどのくらいかということはよく見極めた上で、利率だとか、貸付限度額、返済期間等の制度設計を迅速に行っていきたいと、このように考えてございます。
ぜひよろしくお願いいたします。
中里委員に替わります。