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令和2年 第2回定例会 一般質問

2020/06/12

質問項目

答弁 >>

新型コロナウイルスから区民の生活を守り、事業活動を支える対策について

たかじょう訓子 議員

質問通告に基づき質問いたします。

新型コロナウイルスから区民の生活を守り、事業活動を支える対策について伺います。

まず、介護分野への支援についてです。感染拡大から介護崩壊を防ぐため介護の緊急対策を求め、二点伺います。

まず、運営への支援です。

この間、私どもは介護事業者から聞き取りを行い、切実な現状を伺いました。あるデイホームの事業者は、利用が四、五月で通常の六五%に落ち込んだ、介護報酬は二か月後であり、この六月からの減収は否めない、このまま続けば経営を続けられなくなる。

また、ある特養ホームでは、四月分の一か月だけでショートステイ、デイサービス合わせ約五百万の減収となると伺いました。

共通して、物資の不足を訴えられました。介護事業者の経営破綻は、すなわち高齢者の生活の質、介護度の低下に直結します。さらに、こうした厳しい現状の中で介護職員の心身の疲労、ストレスは切迫しています。

介護職員の方は、利用者が発症すれば介護者の責任が問われる、事業所の風評にも影響する、感染予防のため外出も控え、プライベートも犠牲にしてストレスがたまっている。こうした状況が続く中、離職する職員があるなど伺いました。

区長はこうした声を受け、厚労省に区内特養ホーム施設長会の方々と一緒に、介護事業者への支援を要請したと伺いました。国の支援を引き出す積極的な対応は重要です。それを待つだけではなく、区としての早急な対応を求めます。

練馬区では、介護、保育、学童などの職員に対し、二万円の給付を行うと報道がありました。介護事業者への収入補填や特別給付など、事業者の声をよく聞き、緊急対策を求めます。見解を伺います。

二点目は人材確保、職員への処遇改善策についてです。

恒常的な職員不足を背景に、今般のコロナ対策による職員の負担増が深刻です。区はこの間、事業者とともに、介護人材対策ワーキンググループと検討を重ねてきました。

その声を受け、新たな宿舎借り上げ支援策を示しました。しかし、都の補助事業と内容を合わせたので、当初の補助数が四十戸から二十二戸に減少しました。既に事業者との事前協議をしているとのことですが、必要な支援が確実に行き渡るよう、拡充を求めます。

子ども分野の支援について

たかじょう訓子 議員

次に、子ども分野の支援について二点伺います。

まず、休校に伴う諸課題についてです。

この間、保護者から子どもの思いがつづられた手紙が届きました。皆様のところにも届いていると思いますけれども、引用します。子どもはいつも通っている学校が休みになり生活が乱れています、そして友に会えない、それが私の心の傷、でも、一緒に遊べなくてもみんなでいるとほっこりする、お願いします、子どもの居場所をください、こういった手紙が届きました。このたびの休校や子どもの居場所の閉鎖などが、子どもの心の傷となっていることを改めて実感しました。

学校によっては図書館を開放するところもありましたが、子どもの居場所確保については課題が残ります。ある両親とも医療従事者で子どもを学童に預けざるを得なかった保護者からは、帰宅後、子どもの宿題を見る時間的・身体的余裕がない、親の働き方で学習格差が生じているとの声が寄せられました。

また、教員からの子どもの現状を確認するための電話も一、二度だけ、さらに、家庭からの質問や相談などができるホットラインが欲しかったなどの声が寄せられました。区は、子どもや保護者と連絡用の携帯電話を学校の規模に応じて一定数確保しましたが、十分とは言えません。今後通常の授業に戻りますが、区教委としては、こうした保護者、子どもの実情をよくつかみ、学習、課題を詰め込むのではなく、子ども一人一人に寄り添った学習支援と心のケアが必要です。

なお、ICTの推進については、保護者や教員への負担、長時間のタブレット視聴による子どもへの影響などを危惧いたします。子ども、保護者、現場の教員の意見を聞きながら丁寧な対応を求めます。

休校に伴いこれらの諸課題が明らかになる中、今般の対応について検証を行い、第二波、三波へ改善を要望し、伺います。

二点目は、学童クラブの感染予防対策についてです。

間もなく学校が全面再開となり、現場からは感染予防のためのスペース確保と体制強化が必須との声が寄せられています。子どもたちの命と健康を守るため、区として全力で取り組んでいただきたい。

先般、教育長から各学校長に、学童のスペース確保の協力、それに伴う必要な体制への協力依頼、さらなる協力のお願いが発出されました。実現に向け最大の努力を求めますが、課題も大きいと考えます。具体的には、大規模校では普通教室も不足の状態がある中、教室の私物管理の問題などです。

文書の発出にとどまるのではなく、子どもの活動場所が確実に確保できるよう、教育委員会として現場の声もよく聞きながら、実現のため最大限の支援、調整を継続的に行うよう求めます。見解を伺います。

そもそも学童は大規模化が進み、校内に基本二教室のスペースではもはや対応できないことは明らかです。分割化、また校外施設の利用や校内にプレハブ設置するなど抜本的な対策を求めます。見解を伺います。

分割化には、さらなる指導員の確保が必要です。恒常的な指導員不足への対応は、国の補助金を活用し、非常勤、アルバイト職員の時給を今般の事態に限り一時的に上げて確保に努めるなど、進めていただくことを要望します。

千歳烏山駅周辺のまちづくりについて

たかじょう訓子 議員

次に、千歳烏山駅周辺のまちづくりについて伺います。

区は、駅前広場と都市計画道路補助二一六号線に挟まれる地区について、再開発事業等の街区再編など、駅前にふさわしいまちづくりを誘導するとしています。今回の地区計画で用途地域が商業地域となった場合、建蔽率、容積率が増加するとともに高さ制限もなくなり、小さく分かれた敷地を約九千平米のまとまった土地に統合し、高い駅ビル建設など再開発を行うことが検討されています。

例えば、キャロットタワーの場合、敷地面積九千二百平米に対して、再開発の都市計画決定により上がった七〇〇%の容積率を使い、延べ六万四千平米、高さ百五十メートル級の建物が建っています。烏山でも約九千平米の一体型の再開発を行った場合、同様の建物の建設が可能となることが想定されます。再開発を行った場合、多額の税金投入も行われます。

他の再開発の事例では、再開発ビルでの地権者の土地の面積は現状の十分の一となり、介在する大手デベロッパーが利潤追求に活用するなど、多くの地権者にとって必ずしも思うようにいかず、逆に立ち行かなくなり、地元の地権者が結果的に離れるケースも多いと聞いています。

区は、再開発のメリットだけでなくデメリットについても情報を伝えて進めているのか疑問です。実際に、地権者の方から現状と同様の床面積を確保できるのか不安に思う、テナントとして入っているが不安が大きいなどの声も出ています。

再開発の手法は大変難解であり、理解不足や不安を抱えた状態のまま検討を進めるべきではないと考えます。また、周辺住民の方からも、ビルの高度化による影響や町の様相の変化などへの不安の声が寄せられています。

地権者のみならず、周辺住民の理解や合意形成のもとにまちづくりの検討を進めていただきたい。検討の進捗と今後の対応について伺います。

災害対策について

たかじょう訓子 議員

次に、災害対策について二点伺います。

まず、避難行動要支援者への支援についてです。

昨年の台風十九号では、要介護など高齢者の避難が問題になりました。区は、現在避難行動要支援者に対するアンケートを実施しています。自助、共助による助け合いが重要としていますが、当事者や家族の声を聞き、公助である区としての支援の構築を求め、伺います。

二点目は、福祉避難所の非常用電源の強化についてです。

災害弱者が避難する福祉避難所では、人工呼吸器など避難者の生命維持のために電源確保は必要です。避難所の非常用電源強化については、まず福祉避難所を優先するなど計画的な取組を求め、伺います。

ふじみ荘について

たかじょう訓子 議員

ふじみ荘について伺います。

ふじみ荘廃止問題については、コロナ禍により孤立、活動量の低下、健康が維持できないなど高齢者の現状が大きな問題となる中、高齢者の居場所、コミュニティーの場をなくすなとの世論が広がっています。

区は、高齢者の地域参加促進施策を新たに提案するとしていましたが、まだ示されていません。区民、ふじみ荘利用者とともに、参加と協働で進めることを求めます。見解を伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)

答弁

澁田 保健福祉政策部長

私からは、三点についてお答えいたします。

一点目でございます。福祉サービスの事業所へのさらなる支援についてでございます。

介護事業者につきましては、今般の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う利用者の減少により事業収入も減少しており、事業経営に影響を及ぼしていると認識しております。国は、介護・障害福祉事業所に勤務する職員に対する慰労金の支給のほか、感染症対策を徹底したサービスを継続的に提供するための支援策を取りまとめた補正予算案を本国会に提出しております。

区では、今回御提案する補正予算案の中で、高齢者・障害者施設への喫緊の支援として、感染拡大防止措置を行うための物資備蓄等の補助金などを計上したところです。

さらなる支援につきましては、区は新型コロナウイルス感染症の長期化に備え、今後の国や都による支援の動向や施設等の運営状況、サービスの利用状況等を踏まえ、補正予算の提案等を含めた対応を検討してまいります。

二点目でございます。避難行動要支援者への支援についてお答えいたします。

区では、避難行動要支援者支援事業として町会・自治会との協定の締結を進めており、地域での支え合い活動の推進を目指しているところでございます。現在、避難行動要支援者の方は、令和二年二月の時点で約八千四百人、協定は、令和二年四月時点で百九十五団体中百一団体と締結している状況です。

避難行動要支援者である高齢者や障害者の方につきましては、避難行動だけではなく、避難後の生活についても配慮を要する場合が多く、いずれも避難行動要支援者避難支援プランに示すとおり、自助、共助、公助の役割分担と一層の連携が重要と考えております。

引き続き、地域防災計画や避難行動要支援者避難支援プランに基づき、協定締結の推進による支援の担い手の発掘、育成や、避難行動要支援者の方の避難行動を把握しまして、最適な誘導方法や避難所運営の在り方の検討を行うなど、関係各課と連携し取り組んでまいります。

三点目でございます。福祉避難所の非常用電源の強化についてでございます。

区では、福祉避難所として協定を締結した施設に対し、食料の備蓄や応急給水用資機材の貸与を行うとともに、地域防災計画に基づき、広域用防災倉庫に福祉避難所に必要となる資機材や介護用品を備蓄し、定期的な更新を行っております。

また、福祉避難所には人工呼吸器やたんの吸引が必要な方の避難も想定されております。電源がなければ避難生活が困難になるなど配慮を必要とする方がいらっしゃるものと認識しておりまして、福祉避難所における電源確保については重要な課題と認識しております。

区といたしましては、災害時には被害状況に応じて福祉避難所を開設するとともに、平時より協定を締結している事業者や関係各課と連携し、福祉避難所の備蓄における必要な資機材や物資の検討におきましては、多様な電源の効果や有効性を見極めながら、その活用に向けた検討をしてまいります。

以上でございます。

長岡 高齢福祉部長

私からは、区の介護職員等への宿舎借り上げ事業についてお答えいたします。

ハローワーク渋谷管内における三月の介護サービス関連の職業の有効求人倍率につきましては十・三八倍と高い状況にあるとともに、新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、例えば、保育園や学校の休業により出勤が困難な職員が生じるなど、介護人材を取り巻く環境は厳しい状況にあると認識しておるところでございます。

区では、介護人材確保に向けた新たな取組といたしまして、特別養護老人ホーム介護職員宿舎借り上げ支援事業を今年度より開始いたしました。補助対象者は、介護職員のほか、看護職員や機能訓練指導員など施設に配置すべき従事者とし、都事業の対象にならない職種にも拡大しております。

先月下旬より事前協議の受付を行っておりますが、今後の協議の状況によっては、想定を超える場合には、予算計上を含め、拡充も検討してまいります。

以上でございます。

池田 教育政策部長

私からは、学校臨時休業中における課題について御答弁いたします。

臨時休業期間中において、教員と子どもたちとのコミュニケーションが十分に行われていなかったケースや、各学校から出された家庭学習用の課題が、子どもたちや保護者への過度の負担になってしまったケースなどの報告を受けているところであり、教育委員会としても課題として認識しております。

今後の感染症の第二波、第三波による学校休業の可能性も想定し、校長会と協力して原因の把握と改善に取り組んでまいりたいと考えております。

教育委員会といたしましては、教員と児童生徒や保護者の方との適切なコミュニケーション、適度な課題の設定、子どもたちの居場所の在り方などを検討するとともに、子どもたちの学習支援や心のケアに取り組んでまいります。

以上でございます。

林 生涯学習部長

私からは、新BOPにおいて学校のスペースが確実に確保できるよう、教育委員会として支援、調整を継続して行うべきについて御答弁いたします。

国の緊急事態宣言及び東京都の緊急事態措置解除を受け、新BOPは六月一日から学童クラブを再開いたしました。感染防止の観点から、自宅で過ごすことが可能な児童につきましては利用を控えていただいておりまして、BOPは引き続き休止といたしております。

学童クラブにつきましては、感染リスクを最大限軽減できるよう三密の回避を行いながら運営をしているところでございます。そのためには、学校の協力は不可欠であり、教育長から学校長宛てに依頼文書を通知いたしております。内容といたしましては、活動スペースの確保のため、体育館、図書室、ランチルームをはじめ、ケースによっては普通教室などの学校施設の利用について最大限の協力をすること。また、その他学校側による可能な限りの運営サポートを求めております。

今後、感染症の第二波、第三波が来ることを想定しつつ、新BOPにおいても感染防止対策を徹底し、子どもたちが安心して過ごすことができるよう、学校をはじめ関係所管と連携して対応してまいります。

以上です。

加賀谷 子ども・若者部長

私からは、大規模学童クラブの抜本的な検討について御答弁いたします。

現在、新BOP学童クラブの運営では、学校の協力による活動スペースの拡充や、児童館職員の応援体制などにより、新型コロナウイルス感染症予防対策の上、取り組んでございます。

今後、学校の通常再開を踏まえた学童クラブ運営においても、引き続き教育委員会と連携しつつ、活動スペース及び人員の確保のもと、感染症防止対策を徹底し、安全に配慮した運営を最優先に行うことが必要と考えてございます。

区では、保護者へのアンケートをもとに抜本的な新BOP学童クラブの在り方を検討することとしておりますが、そのためには、今回の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生活様式の変化や緊急時の対応等を加味した上で、実効性のあるニーズを収集する必要がございます。

御指摘の大規模学童クラブにつきましても、適正な人数で運営するためのより有効な新BOP学童クラブの在り方検討が進められるよう、当初スケジュールを見直した上で、改めて区議会にも御報告をしてまいりたいと考えてございます。

以上です。

皆川 烏山総合支所長

私からは、千歳烏山駅周辺まちづくりについて御答弁いたします。

千歳烏山駅前広場の南側街区では、地区内の土地や建物を所有する権利者による勉強会を重ね、まちづくり手法の研究や事例視察など、将来のまちづくりについて意見交換等を行っております。

昨年十一月に開催された第四回勉強会では、駅前広場を含めた地区内の地権者により市街地再開発事業手法を活用したまちづくりの検討を進めていくこととし、事業手法の仕組みや特徴などを確認しながら、権利者が主体となった議論が具体的に始まっていく段階と認識しております。

今後、権利者が主体となった議論の中で、再開発事業の手法を活用した場合の具体的なメリットやデメリットについて確認しながら検討を進め、検討の段階を経て、周辺住民等の御意見をいただきながら、まちづくりについて理解を深めていくことが大切あると考えております。

引き続き、駅前広場の南側街区の権利者による勉強会等で、まちづくり手法や特徴を紹介しながら理解の促進を図り、また、かわら版の発行によって情報提供に努めるなど、まちづくりの検討を支援してまいります。

区といたしましては、主要な地域生活拠点である千歳烏山駅周辺地区まちづくりのルールである地区計画の導入とともに、駅南側地区においては、権利者が主体となったまちづくりの検討の段階に応じて、周辺住民等への情報提供や意見をいただく機会を設けるなど工夫してまいります。

以上でございます。

松本 生活文化政策部長

私からは、新たな高齢者施策の構築についてお答えいたします。区の高齢者人口は、本年四月現在約十八万五千人となっており、今後も増加が見込まれております。高齢者施策におきましては、孤立防止や健康長寿などが課題となっており、策定を進めております第八期高齢者保健福祉計画の検討でも、地域活動への参加促進が重要なテーマとなっております。

こうしたことから、区では、身近な場所での地域活動への参加促進や就労支援の強化などを図ることとしており、この間、おたがいさまbankの活用などについて、関係団体と協議を行ってきております。

今後、高齢者クラブなどの活動団体等との意見交換や、第八期高齢者保健福祉計画の検討を踏まえつつ具体的な取組を取りまとめてまいりますが、併せて、ふじみ荘の廃止に関する利用者説明会などにおいても、新たな高齢者施策の構築に関する区の考えを御説明するとともに、利用者の声も頂戴しながら高齢者施策の充実に努めてまいります。

以上でございます。

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