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令和2年 予算特別委員会 文教委員会所管分

2020/03/17

質問項目

新型コロナウイルス感染症に対する区の対応について

たかじょう訓子 委員

おはようございます。日本共産党の質疑を始めます。

まず、新型コロナウイルス感染症に対する区の対応について伺います。

一斉休校と再開の判断について伺います。

区は、世田谷区健康危機管理対策本部において新型コロナウイルス感染拡大防止策として、三月二日から十四日までの間、小学校、中学校を休業としました。さらに、十六日から二十五日までの期間についても継続休業といたしました。この間、保護者の方から子どもの様子、休校による影響などを伺ってきました。

休校そのものは支持するが、いつ再開するのか。この状態がいつまで続くのか。子どもは感染したときのリスクは少ないと聞いている、休校の効果のほどはどうなのか。子どもの学習がとまってしまった。

学習できなかった部分への保障はどうするのか。子ども同士で出かけてしまっている。むしろ学校で手洗いの励行などを行い、過ごすほうが安全なのではないかなど、先が見えない不安や疑問などの声が寄せられました。

今回の一斉休校は、安倍首相が科学的に根拠もなく各自治体に要請したものです。それを受けて、世田谷区健康危機管理対策本部において、この決定が下されたということになっています。

今後、学校再開について、国の動向を見るだけではなくエビデンスに基づく区独自の判断が必要だと考えますが、いかがでしょう。

池田 教育政策部長

学校の休業期間を延長させていただいたわけでございますが、学校を休業したことの感染症拡大防止への効果、学童クラブ、BOPなどの事業の子どもたちの受け皿としての評価、都内感染者数の推移などから、先ほどおっしゃっていただいたように、三月十一日の世田谷区健康危機管理対策本部において、総合的に判断したものでございます。

今後、学校を再開するための要件でございますが、この感染症が人類がこれまで経験したことのない未知の感染症であり、今後どのような展開となるか予測困難であることから、現時点で明確に申し上げることは困難であると考えております。

政府において、学校の再開に際しての一定の判断基準を示すとの報道もされておりますが、今後、日々明らかとなる最新の情報を収集しながら、感染症の拡大を防止するという視点からの必要性、子どもたちや区民の生活に与える影響などを総合的に勘案しながら、その時点において最善と思われる選択を行うよう努めてまいります。

いずれにいたしましても、子どもたちや区民生活に影響のある重要な事案となりますので、方針の決定に際しては丁寧な説明、情報提供を行ってまいりたいと考えております。

たかじょう訓子 委員

本当に区民の皆さんは不安を抱えておられるというふうに思います。子どもを公園に連れて行くと、そこでは多くの若者も含めて遊んでいるという状況の中で、本当にこれがいつなのかというのは、皆さんに早い、そして正確な周知をしていただくことを求めたいというふうに思っているんですが、今回、区の判断理由などを区議会には報告されております。

これは、こういった保護者の不安などを考えると、しっかりと保護者の皆さんや区民の皆さんにも、これをお知らせしたほうがいいというふうに思っています。

例えばホームページの一番トップに、コロナウイルス対策のトピックがありますけれども、そこで見ることができるとか、あるいは学校のホームページなどでも御案内をすると、ちゃんとその理由などもしっかりとわかるようにするということなど、工夫が要るのではないかというふうに思っています。この辺、いかがでしょうか。

池田 教育政策部長

今回の学校休業ですとか卒業式の取り扱いの情報提供につきましては、区のホームページのトップページの新型コロナウイルスに関する情報ですとか、あと同じくトップページに注目情報という欄がございます。そちらのいずれにも掲載いたしまして、区民の方にごらんいただくように手配させていただいているところです。

あと、一番知っていただきたい保護者の方については、学校のホームページに同じような情報を掲載させていただいて、学校のホームページに掲載しておりますという情報を保護者の方に緊急メールという形でお送りして、ごらんいただくよう努めているところでございます。

たかじょう訓子 委員

いずれにしても、やっぱり情報提供は細かくやっていただきたいということを要望したいというふうに思います。

児童生徒の成長、健康について

たかじょう訓子 委員

続きまして、児童生徒の成長、健康について伺います。

休校により給食が停止したため、昼食の機会が確保できないと、経済的や健康上の問題を抱えた家庭の子どもたちに向けて仕出し弁当を届ける事業が始まりました。これは昨年、一昨年やっておりました子どもの生活実態調査により、子どもの一割が貧困、生活困難層だということがわかりました。その中で、経済的な理由で食料を買えないことがあるといったように答えた方が一定おられた。そういった方々に向けて、昨年の七月から食の支援が始まったんですね。例えば仕出し弁当をそういった家庭に届ける。

それから、料理をつくってくださるサポーターの方が、ボランティアの方が訪問して、そこで食事をつくってくださる、こういった事業が始まったわけですけれども、今回、そのスキームを活用して仕出し弁当を届けるといったことが始まりました。生活の困難な家庭にとって、健康と成長を保障するために給食というのは大変大きな役割を果たしてきたので、こういった対応は大変重要だというふうに思っております。

早速、二日間のお申し込みの期間に、なんと二百五十件も申し込みがあって、これを実施のために、大変、子ども家庭課が働いておられるんですけれども、本当に食の支援のニーズというのが、そういった背景があるんだなということをすごく感じました。

現在、学童に通う子どもたちは、学童では弁当を受け取ることができないんですね。今、学童は親が弁当をつくって、それで持たせているという状況です。家庭によっては、まだ十分な準備ができないというところもあるわけですね。

今、休校であっても学校に来る子どもに対して給食を提供している自治体があります。今後、状況によって、子どもの健康、成長の保障の面から、困難家庭のみならず、食の対応を検討することが必要と考えますが、いかがでしょうか。

桐山 学校健康推進課長

区立小中学校につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、三月二日からの臨時休業の方針に基づき、給食の提供を中止いたしました。今後、学校給食の目的でもあります児童生徒の体力向上や健康の保持増進を図るという観点からも、今後、影響があるものと考えております。

児童生徒への食の対応につきましては、新型コロナウイルスの感染状況や国の動向を注視しながら、どのような対応が可能か、関係所管等と連携を図りながら検討してまいります。

たかじょう訓子 委員

今後どうなるかわかりませんけれども、今のところは四月にかからない、今のところは春休みまでということになっておりますけれども、今後の動向を見て、ぜひ検討いただきたいというふうに思っています。

子どもの学ぶ機会の保障について

たかじょう訓子 委員

次に、子どもの学ぶ機会の保障について伺います。

休校中の子どもの過ごし方について、保護者からドリルや宿題、東京都のポータルサイトの案内があり、それなりにやっていますが、理解しているのかどうかというのはわからない。自主的な学びだけで大丈夫か。毎日ユーチューブ漬けになっているなど、不安を訴える保護者からの声が寄せられています。

塾の講師の方にも伺いましたけれども、この方は子ども食堂もやっていたり、それから、せたゼミという生活困難層の家庭の子どもの学習の場というのも運営しているような方なんですが、こちらの方にお話を伺いますと、保護者の方からの聞き取りだと、生活のリズムが夜型にずれてしまっているという方が多いようだというふうに伺いました。

子どもたちは、突然の休校により学ぶ機会、子どもの時代の貴重な体験の数々を失ったという状況だというふうに思います。子どもたちの人権、学習権をいかに保障するのかという観点から、今とられている対応を検討する必要があると思います。

子どもの学びの保障をどういうふうにしていくのか、これを伺いたいと思います。

青木 教育指導課長

今御指摘をいただきました学校の臨時休業中の学びについてですが、現在、学校ホームページ等で具体的に学習の範囲ですとか、興味の持てる課題などをお示しして、子どもたちの学びを支援しているところでございます。

たかじょう訓子 委員

三月の授業に係るまた取り組み、いろんな行事がいろいろ予定されていたというふうに思うんですね。

子どもたちも大変楽しみにしていた機会が失われましたけれども、今後、学びに関しては、これからも保障するために、何らかの手だてをぜひしていただきたいと思いますし、私立の学校では、夏休みに補習を行うということを決めているところもあります。ぜひさまざまな検討をしていただきたいというふうに思っています。

学童との連携について

たかじょう訓子 委員

次に、学童との連携について伺います。

私はこの間、子どもたちの状況や子どもの居場所の実態を把握するために、登録者が二百人に達する超大規模な学童である芦花小学校であるとか塚戸小学校を視察してきました。

職員の方々やアルバイトの方などにもお話を伺って、感染予防の観点で、密集を避けるためのスペースの確保や教室の提供、同時に教室の清掃、消毒、換気など、スペースがふえるごとにふえる、こういった仕事に対しても手が必要だということ、それから学校との連携がとりにくい状況があるんだということをこの間、聞き取って、それを教育委員会にお話しをさせていただき、対応もしていただきました。個別にも対応していただきました。

この後、この状況というのは改善されつつあるというふうに伺っていますけれども、学童の三分の二が九十五人を超える大規模学童となっている中で、二百人を超える学童が四カ所あります。現在は四〇%の利用率だということですけれども、少しずつふえているという話も、現場からも聞いています。

今後、現場の学童や学校、教育委員会も、今までも大変な努力をしていただいていたというふうに思いますけれども、今後の連携の仕方について、今、どういうふうになっているのか、今後どういうふうにしていくのか伺いたいと思います。

田村 生涯学習・地域学校連携課長

このたびの臨時休校中における新BOPの運営に当たりましては、感染リスクを低下させるために、手洗い、せきエチケット、部屋の小まめな換気などのほか、昼食や間食時においても、児童の接触の機会を極力減らす対応を行っております。

そのため、学校とも連携を図り、可能な限り、密集度が高まらないように、体育館や教室、多目的室、学校図書館等を新BOP事業に活用し、より多くの活動場所の確保に努めております。

また、人的な協力につきましても、校庭遊びにおける教員の見守り、学校包括支援員等による配慮を要する児童への対応、図書室での活動に、司書のほかに特別学級支援員等によるサポート、主事による消毒対応などの活動場所の環境整備等、学校との連携をしているところでございます。

臨時休校期間中の新BOPの利用状況につきましては、各新BOPに調査をかけて、利用状況の把握をしております。学童クラブの登録者数の約四割、新BOPは徐々に参加者が増加してきておりますが、一日四百名弱と通常よりも少ない利用になっています。

今後も感染拡大や人員確保などの状況を見きわめながら、新BOPや学童については、子どもの健康管理や衛生管理を徹底し、学校を初め関係所管と連携を図り、子どもの安全安心な居場所としての確保に努めてまいります。

たかじょう訓子 委員

ありがとうございます。

本当に子どもたちの家庭で過ごすとか公園で過ごすというのが大変ふえていますけれども、それでも学校に行きたいという思いというのが、最初のうちは大変喜んでいるという状況でしたけれども、本当にどこに行っても子どもでいっぱいという状況で、そこの遊びの保障ということは、ぜひ協力をしていただきたいなというふうに思っております。

教員の勤務状況に関する調査の結果(最終報告)について

たかじょう訓子 委員

続いて、教員の勤務状況に関する調査の結果(最終報告)について伺います。

昨年の十月、アンケート調査が行われて、二月二十五日の文教委員会で最終版の発表がされました。アンケートには二千三十四人が回答し、回答率は八〇%となっています。教員の改善してほしい、こういった思いがあらわれているというふうに感じます。中間報告にはなかった多忙感、負担感を解消するための提案の部分の集計も加わりました。より切実な状況が明らかになったというふうに思います。

調査結果を受け、今後、必要な対策を早急に進めるべきと考えますが、いかがでしょう。

それで、自由記述で教員不足、特に業務の多さなど大変深刻な状態が最も多かったというふうに思います。これについては、教員や講師の増員を求める意見、二百五十八件、これが一番多いと。次が教員以外の方の配置、二百十四件、そして学級定数、通常学級三十五人以下学級の実現、これが百二件となっています。この実態への受けとめ、どのように受けとめたか伺います。

青木 教育指導課長

昨年十月に実施いたしました教員の勤務状況に関する調査では、教員の多忙感、負担感を解決するための提案を記述式で調査いたしました。全部で千六百三十件の回答を得ましたが、回答は、お話しがあったように、人員配置に関すること、従事業務等の縮減に関すること、業務環境の改善に関することとなっております。

最も多かったものは、教員の増員を求めるもので、あるいは教員以外の人材の配置、行事の見直し、校務支援システムの改善等の要望も多くございました。

教育委員会といたしましては、教員の増員などについては、国や都に対して要望するとともに、校長会と連携して業務の削減や業務環境の改善など、区として取り組むことのできる課題の解決に努めてまいります。

たかじょう訓子 委員

教員以外の配置が大変多かったということで、先日、委員会で報告されたのは、スクールサポートスタッフを三十名配置するというふうにしています。これは学校の数からしても不十分ではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

青木 教育指導課長

本年度は、教員の事務的な業務削減に向けてスクールサポートスタッフを小中合わせまして十二校に配置し、各校からは授業準備や評価など学習指導にかかわる時間がふえたとの報告を受けております。

教育委員会といたしましては、来年度、各校に配置するスクールサポートスタッフの活用状況なども踏まえながら、さらなる拡大について検討してまいります。

たかじょう訓子 委員

これは大変ニーズが高いというふうに思います。区ができることとして、ぜひこの拡充をお願いしたいというふうに思います。

また、業務の見直しについてですけれども、私どもは、この間、教科「日本語」の廃止であるとか、学力テストの廃止などを検討すべきというふうに言ってまいりました。今回、この調査で本当に大変だという状況の中、ぜひこのことも検討していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。

青木 教育指導課長

教科「日本語」につきましては、新学習指導要領の改訂に伴いまして、必修十八時間と選択十七時間を各校が設定できるようにし、新しい教科書等において狙いなどをはっきりさせ、教員誰もが指導しやすい工夫を施しております。

区の学力調査につきましては、国や都の学力調査だけでは把握することのできない子どもたち一人一人の学習習得の状況と、それを活用した思考力、判断力、表現力などを把握して実施しているものであり、結果を学力向上に役立てるための研究、検討を教育総合センターの開設に先行して実施しております。

たかじょう訓子 委員

この教科「日本語」や学力テストの問題については、この間、私ども、教員の皆さんなどにお話を伺ってきて、子どもたちの時間の確保、それから子どもたちと教員の皆さんの時間の確保というのも含めて、大変大きな負担があるというふうに伺っています。

今、検討は進んでいないというふうな答えでしたけれども、今後ぜひ検討していただきたいと、これは引き続き求めていきたいというふうに思っています。

次に、こういった教員の健康にかかわるような働き方の問題、健康にかかわる問題なんですけれども、こういったことを話し合う会議体があるというふうに伺っています。学校衛生委員会というふうにお聞きしましたけれども、名前が変わるということですけれども、この会議体について、どんなことをやっているのか、ちょっと伺いたいんですが。

内田 学校職員課長

学校衛生委員会は、来年度から学校等安全衛生協議会と名称を変え、引き続き教育委員会事務局職員や教職員、教職員団体等からの推薦者及び産業医を構成員とし、学校職員等の労働安全や衛生に関する基本方針の検討、学校等への労働安全に関する情報提供、支援の方策を協議していくことを考えております。

たかじょう訓子 委員

この会議体で教員の健康、衛生について話し合うということですけれども、ぜひここで対策を検討していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょう。

内田 学校職員課長

調査結果を踏まえまして、引き続き、教職員の健康障害防止のための対策を検討してまいります。

たかじょう訓子 委員

以上で終わります。

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