2019/11/28
通告に基づき、質問をいたします。
世田谷区プレミアム商品券についてです。
プレミアム商品券の事業目的は、地域経済、区内産業の活性化です。しかし、商品券はスーパーなど大型店での利用が平成二十七年で五四%、平成二十八年では六〇・九%、平成二十九年は六四・五%へと拡大しています。
我が党は、プレミアム商品券の大型店での利用が拡大している現状を指摘し、事業目的に照らして、商品券事業の改善、見直しは不可欠だと質しました。商品券を利用できる区内事業者を商店街中心から、教育、介護、工務店など区内のさまざまな業種に広げることを提案してきました。これに対し、区は、大型店での利用が著しく偏っていることについては好ましい状態ではないと答弁し、改善を約束しました。
そこで、この間、区はどのような改善策を実施したのか、その結果、昨年度のプレミアム商品券事業のスーパーなど大型店の利用率はどうなったのかについて伺います。また、区内産業の活性化という事業目的に照らせば、区内事業者での利用率が少なくとも五割を超えていることが必要と思います。今年度の実績の見通しはどうか伺います。
この事業については、他党からも繰り返し見直しの提案が行われてきましたが、改善の兆しは見えません。日本共産党区議団としては、今年度の大型店での利用が相変わらず五割、六割を超えるようなら、この事業は一旦廃止をすべきと見解を表明しておきます。
次に、一時保護所における子どもたちの学びの権利の確保について伺います。
来年度から、世田谷区児童相談所、一時保護所が開設されます。一時保護所は、児童相談所に附属し、保護を必要とする子どもを一時的に預かるところです。また、子どものこれからの養育に備えて、生活状況の把握や生活指導なども行います。入所した場合、子どもの安全保障の観点から、子どもは学校に通うことは困難となります。
我が党はこの間、一時保護所で子どもたちが安全安心に過ごすために、子ども一人一人の権利を尊重した運営を行うことを求めてきました。この立場で、子どもたちの学びの権利を保障することを求めます。
先日、各自治体の一時保護所の職員からお話を伺ってきました。都の一時保護所では、現状、学習の時間を設けており、教員免許を持った指導員が対応しています。しかし、入所定員を超えているため、プリントを解くなどの自習が多く、子ども一人一人へのきめの細かい学習指導ができていないと伺いました。
また、子どもたちが学校に戻った場合、学習のおくれから不登校になる子どもがある、子どもたちの年齢の違いや障害などに対応した個別の学習指導が必要だと伺いました。
区の一時保護所においては、教員免許を持った指導員を三名配置するとしています。入所した子どもたちの学びの権利を保障するため、学習は子ども一人一人の現状に合わせた個別の指導を行うべきです。見解を伺います。
また、区の一時保護所は東京都の一時保護所と連携を行うことになっており、どこに入所しても子どもの学ぶ権利は保障されなければなりません。東京都に対し、都の一時保護所での子どもの学ぶ権利を守るための積極的な対応を求めるべきです。見解を伺います。
次に、聞こえのバリアフリー支援について伺います。
国立長寿医療センターの調査によると、六十五歳以上の高齢者のおよそ半数に難聴があると推計されています。多くの高齢者にとって、難聴は身近な問題です。デイホームの職員の方から、デイホームに来ている方で難聴と思われる方は三分の一ほど、補聴器を持っていてもうまく使えないなどの理由でつけていない方がいる、難聴によりうまくコミュニケーションがとれずにデイホームをやめてしまう方もおり、中にはひきこもる方もいらっしゃると伺いました。
先日、日本共産党都議団主催の聞こえの問題の学習会で、慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科の小川郁教授のお話を伺いました。補聴器は、難聴が進行してからではなく早期の使用が必要であり、高齢者の日常生活の質の向上を図る上でも有効だと述べています。しかし、補聴器を購入しても使われなくなることが多く、私の周りにもたんすの肥やしとなっている方が大勢います。
補聴器の調整を行う専門家、認定補聴器技能士などが行う補聴器を調整するフィッティングと、脳が補聴器の音に訓練され、音を聞き取れるようにするトレーニングを一体に行うことにより言葉が聞き取れるようになっていく、つまり補聴器は専門家の支援なくして使えるようにはならないということでした。区として、補聴器の正しい知識など周知、啓発に積極的に取り組むべきです。見解を伺います。
また、第八期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定の中で、高齢者の難聴の状況などを調査し、聞こえのバリアフリー支援の検討を求めます。区の見解を伺います。
次に、障害者のがん検診について伺います。
がんは日本国民の死因の第一位であり、増加傾向です。当区において、平成二十七年、世田谷区がん対策推進条例を施行し、平成二十八年に世田谷区がん対策推進計画を策定しました。がんの早期発見、早期治療実現のため、がん検診の受診率の目標値を定め、取り組んでいます。しかし、障害者の中には、検診を受ける意向がありながら諦める場合があります。
障害者の親の会から、障害特性により通常の検診の内容に耐えられないため一度も検診を受けていない、安心して検診を受けられるようにしてほしいとの悲痛な声を伺いました。がん検診での合理的配慮を欠いた状況を放置してはなりません。
堺市立重症心身障害者(児)支援センター「ベルデさかい」では、障害者のがん検診時には、障害者の看護になれたスタッフが介助を行っています。障害者が安心安全にがん検診を受けられるよう、区の積極的な支援を求めます。見解を伺います。
次に、烏山地域のスポーツ施設の整備について伺います。
世田谷区スポーツ推進計画では、いつでも、どこでも、誰でも、スポーツに親しみ、楽しむことができる生涯スポーツ社会の実現に向けたスポーツ環境づくりを目指し、令和六年までに成人の週一回以上のスポーツ実施率六五%以上を目標としています。
しかし、区民意識調査によると、週一回以上スポーツに取り組む区民は、昨年は四七・三%、今年度は四二・〇%と減少し続けています。その理由として、スポーツの場の不足と利用料が高過ぎることが理由です。全区的にスポーツ施設の不足解消は喫緊の課題です。
烏山地域の方々からは、スポーツ施設が少ないためけやきネットでスポーツ施設を確保できない、何とかしてほしいとの切実な声が届いています。烏山地区で行われた車座集会でも、京王線連続立体交差事業で生まれる新たなスペースにスポーツ施設の整備を求める声が寄せられました。
場所の確保と言いながら、公共施設整備方針では公共施設整備を抑制する内容になっており、スポーツ推進計画との矛盾があります。基本計画での位置づけはどのようになっているのか、そして、今後、スポーツ施設の整備をどのように進めるのか見解を伺います。
以上で、壇上での質問を終わります。
プレミアム付商品券の改善策、利用率、今年度の見通しについて御答弁いたします。
スーパーやドラッグストアなどのいわゆる大型店での利用率は、御指摘のとおり増加が続いております。平成二十八年度以降は六〇%台となり、平成三十年度は約六七%、令和元年度については、まだ利用期間の途中の状況ですが、約六八%程度まで増加する見込みです。
商品券の利便性の確保の観点から、大型店での利用についても区の補助対象としておりますが、利用が大型店に偏ることは、事業目的の一つである消費喚起による区内中小事業者を中心とした地域経済の活性化を図る観点から課題があると認識しております。
区では、商店街連合会に個店での利用促進の働きかけを行っており、各商店街では、プレミアム付商品券を活用したスタンプラリーやスタンプの追加付与、抽せん会といった取り組みを行っているところがあります。現在、来年度に向けた事業検討を進めており、区としても、区内中小事業者での利用につながる手法を検討するとともに、商店街連合会にも働きかけを続けてまいります。
私からは以上です。
私からは、二点お答えいたします。
一点目、区の一時保護所での学びの権利の保障についてでございます。
一時保護される児童は、学習の習慣が身についていない児童や学習に自信がない児童が多いことから、その支援のため、区は、教員免許を所持する学習指導員を会計年度任用職員として三名配置することとしております。
学習指導員は、子ども一人一人の学習の到達点や習熟度を見きわめ、子どもの状況に合った教材を用意し、児童指導員や保育士とともに個別学習による学習支援を行ってまいります。
また、さらには子どもの通う学校と連携を図り、定期テストの受験や行事等の参加などにも可能な限り保障してまいります。子どもが自信を持ち学習の習慣を身につける契機とする子どもの将来につなげる重要な支援として、一連の学習指導に取り組んでまいります。
二点目でございます。都の一時保護所の子どもの学びの保障についてお答えいたします。
都の一時保護所におきましても、学習指導員等を配置し、さまざまな背景を持つ子どもに合わせ、子どもの学習の習慣や学力に応じた学習の指導を行っているものと認識しております。子どもの学びの保障につきまして、都も、区もその考えに相違はございませんが、しかしながら、都は、入所者が定員を大幅に超過する中、丁寧な支援の不足や、私語の禁止などの集団生活のためのルールが指摘されるなど、多くの課題を抱えていると伺っております。
区は、子ども一人一人が学習の習慣を身につけ、学ぶことの楽しさを知ることができるよう取り組むと同時に、都と一時保護所の運営について積極的に意見交換を行うことで、双方ともに運営の改善向上が図れるよう努めてまいります。
以上でございます。
聞こえのバリアフリー支援について、二点お答えいたします。
まず、補聴器の正しい知識の普及についてです。平成二十八年度に実施した高齢者ニーズ調査の結果では、聴力に支障がある方は近所の方とのつき合いの程度が低くなっております。周囲とのコミュニケーションを図るという意味からも、聞こえの大切さや補聴器の正しい知識等を知ることは、高齢者の日常生活の質を高める上で重要であると考えております。
区では、世田谷区立保健センターにおいて、言語聴覚士による聞こえや補聴器に関する個別の相談、検査、情報提供等のほか、聞こえに関する相談会の開催、あんしんすこやかセンターからの依頼による講演等により、聞こえについて理解促進に努めているところでございます。引き続き、聞こえと補聴器の正しい知識の普及に取り組んでまいります。
次に、聞こえに関する支援についてお答えいたします。区では、高齢者の難聴の状況や補聴器の利用に特化した調査は行っておりませんが、介護保険の認定調査及び高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に当たり実施するニーズ調査において、聴力について記載する項目がございますので、こちらで状況を確認してまいります。
高齢者の加齢により聞こえが悪くなる、視力が低下する、筋力が落ちて動きづらくなるといった身体機能の低下に対する支援につきましては、区民間の公平性や制度の持続可能性など多角的な視点から検討してまいります。
以上です。
私からは、障害者のがん検診についてお答えいたします。
御指摘のとおり、地域に暮らす障害者も含め、誰もががん検診を受けやすい環境を整備していくことが重要だと認識をしております。
区は、各種がん検診を地区医師会等に委託しており、その契約においては、障害のある方などが正当な理由なく検診を受診できないことを防ぐため、仕様書にその内容等を明示するなど、障害者が合理的配慮に基づき検診を受けられるよう対応しております。
一方で、国の定めるがん検診の方法では、障害の種別や程度によっては、検診受診者が不安を感じたり、安全な受診が困難な場合があることも事実です。
引き続き、がん対策推進委員会等の意見も伺い、対象となる全ての区民が安全に安心して必要な検診を受けられる方策を検討してまいります。
以上です。
私からは、二点御答弁いたします。
最初に、スポーツ施設の整備の位置づけでございます。
世田谷区基本計画におけるスポーツ施策は、重点政策の世田谷区の文化の創造と知のネットワークづくりに位置づけられております。分野別政策におきましても、暮らし・コミュニティの中で、生涯スポーツの推進として、地域におけるスポーツ活動の推進、子どもの体力向上に向けたスポーツ施策の充実、スポーツの場の確保・充実を取り組みとして掲げております。これらの取り組みを通して、生涯スポーツの推進を一層図ってまいります。
次に、スポーツ施設の整備の進め方でございます。区では、スポーツ推進計画及びスポーツ施設整備方針に基づきまして、拠点スポーツ施設、地域スポーツ施設、地区スポーツ施設と配置などを考慮しながら整備を進めております。現在、上用賀公園拡張用地におけるスポーツ施設の整備の検討を進めているほか、第一生命保険株式会社が保有する給田一丁目の野球場の利用につきまして、先方より打診があり、協議を進めているところでございます。
スポーツ推進計画の目標達成に向けまして、場の整備は重点的な取り組みであることから、今後もさまざまな機会を捉え、より多くの区民の皆様がスポーツを実施できるよう、場の確保に取り組んでまいります。
以上です。
聞こえのバリアフリー支援について再質問させていただきます。
答弁のところで、あんすこなどでもそういった要望があれば講演会を行う、そして、周知についてもやっているということでしたけれども、実際に私の周りにも、正しい知識がないということで、たんすの肥やしにしている方が本当に大勢おられるんですね。
ぜひこれについて、地域の身近なところで相談ができるといった状況がつくられることが望ましいのではないかと私は思います。これについてどうでしょうか。
再質問に御答弁いたします。
福祉の相談窓口を担うあんしんすこやかセンターや地域の保健福祉課では、聞こえに対する相談があった際には、先ほど申しました世田谷区立保健センターや専門の医療機関等の紹介をしたり、関連する制度を説明するなど、適切に対応しておるところでございます。保健センターでは、個別の相談のほか、聞こえに関する相談会の開催や、あんしんすこやかセンターからの依頼による講演等を行っておるところでございます。
身近な地域での相談支援を進めるため、現場の状況を把握していくとともに、保健センターや専門医療機関とのさらなる連携を図ってまいります。
以上です。
ぜひ現場の声を集めていただき、実際に困っている方にぜひ寄り添っていただきたいなというふうに思っております。
さらに、障害者のがん検診についてですけれども、要望したいというふうに思います。
実際にがん検診を受けておられない方ばかりだと、周りを見たらそういう方ばかりだというふうに障害者の親の方々がお話ししています。こういったことでは本当のがんの予防にはなりません。ぜひ配慮をしていただきたいというふうに要望して、私からの質問を終わります。