2019/10/10
おはようございます。日本共産党の質疑を始めさせていただきます。
就学援助についてお話しします。
この十月から就学援助の支給範囲が生活保護基準の一・四倍に、給食費は東京都の高校授業料無償化ラインまで支給されることになりました。昨年、就学援助の申請率が五〇%であることが明らかになり、必要な方に支援が届くよう就学援助の充実とともに、申請率を高めるため、周知強化を求めてきました。
今回、十月一日現在で一万千四百三十七世帯から申請があり、一万七十八世帯が認定されたと伺いました。今回の対象者は一万五千九百五十二と見込んでいる中で、申請率は約七二%、認定率は約六三%という状況です。前年度同様、支給所得ラインの生活保護基準の一・二四倍の認定者の数を比較しますと、昨年が四千九百六人、今回は六千七百十二人ですから、上回っているという状況だというふうに思います。
我が党は、区が就学援助支給範囲を拡充し、区立小中学生を持つ世帯の半分の世帯まで、その支給範囲を広げたこと評価しております。この就学援助充実の周知にさらに取り組んでいただきたいというふうに思っております。
この間、我が党は、就学援助の入学準備金を入学前にと求め、その時期についても、制服や体操着など支払いが生じる月にと求めてきました。区は、入学準備金の支給時期について、平成二十七年に中学生分、令和二年度の小学生入学分から入学前支給が実現をします。
また、区は来年度の入学生から三月に支給をしていたのを二月にさらに前倒しをする、つまり、制服や体操着などの支払いが生じる月に、さらに前倒し支給を決めました。就学援助受給者の中には、入学準備が七万円から十万円と高額なため、一時的な負担が困難だと借金をした方が少なからずおられました。二月に支給されれば借金しなくても制服などを購入することができると喜ばれています。
就学援助を受給しているシングルマザーから、毎月の給料は家賃、食費、通信費、光熱費などの支払いでほとんど手元には残らない、緊急に支払いに対応しかねるときもあると述べていました。手元に現金は残らない生活のため貯金もなく、学校で必要なものを買えず、忘れたふりをしてずっと過ごしていた息子さんの話を伺いました。四カ月に一回ではちょっときつい、こういった声をいただきました。
現在、当区では就学援助の支給回数は基本、年三回、七月、十一月、三月に支給されています。この回数をふやすことが必要だと考えます。見解を伺います。
就学援助制度は、子どもの就学の機会の確保、経済的支援を必要とする保護者への負担軽減策として、学用品費や給食費などを支給しており、例年、年度当初の四月から五月に多くの申請を受けた後、六月末に認定結果の通知をいたしております。
先ほど委員からも御紹介いただきましたが、今年度につきましては、小学校の新入学用品費を二月より支給、あわせて中学校の新入学用品費の支給も二月ということで、この関係では支給回数はふえることになります。
なお、委員の御指摘のとおり、現在は年三回支給のほうをしておりますが、必要な支援を必要な時期に行うことが望ましいと考えており、支給時期、回数につきましては、引き続き課題等を整理しながら、より適切な時期と回数について検討し、早期の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、図書館について伺います。
砧図書館の運営についてです。この間、区は、砧図書館で地域の活動団体の方々と利用者懇談会を開催して、住民参加による運営体制について検討していると伺っています。砧図書館ではおはなし会など、世田谷の図書館を考える会、子どもの本を読む会、世田谷親子読書会、祖師谷親子読書会、山の木文庫さんが長年活動を続けられています。砧地域と地域の子どもたちにとって欠かすことのできない存在だというふうに思っています。
今回、砧図書館の区民参加の運営について検討したいとして、区との間で話し合いを五回続けてきたが、現在膠着状態になっていると伺っています。これまでの検討状況について伺います。
まず、住民参加による運営体制の検討につきましては、多様な運営体制を考える中での取り組みの一つとして、第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画に掲げております。
区立図書館が地域の中の学びや交流、活動の空間として地域の方々の協働によって、その地域に見合った特色ある図書館の姿を形づくれないかとの考えがございます。これに向けた検討のプロセスといたしまして、ワークショップなどを通じて、広く地域の方々に図書館へ望むことなどを考えていただきながら、検討を積み上げていくことを想定しております。
砧図書館では、読み聞かせや読書会などの活動をされている団体による懇談会がございます。まずは、この懇談会の方々との間で地域の住民や団体によってどのようなことができるのか、昨年十月以降、これまで五回の意見交換を重ねております。
これだけ検討を行っているということですけれども、出席者からの意見はどのようなものだったか伺います。
これまでたくさんのお時間をいただきまして、さまざまなお話もさせていただきました。主な意見といたしましては、図書館運営に住民がどのように参画できるのかイメージがつかない、これまでのように読み聞かせなどの事業には協力できるが、図書館業務は区が担うべきであるといった御意見などがございました。
また、図書館運営での業務委託や指定管理など、民間事業者が運営にかかわることについても意見がございました。従事者が入れかわることや事業者自体が変わってしまうことで、図書館運営の知識などを引き継いでいくことが難しくなるのではないか、ほかの公共施設と異なり、区職員の直営で運営していくべきであるといったような御意見がございました。
ここで述べられている住民の方々からの意見というのは、私たちも繰り返し述べてきたことです。さらに、これまで検討が膠着状態にある、進んでいないという理由について、どのように認識しておられるのか伺います。
意見交換をさせていただいております懇談会の方々は、本の楽しさ、すばらしさを子どもたちに伝えようという強い意志を持って読書にかかわる活動を長く続けておられます。そういった活動をしておられる方々の中には、図書館運営を民間事業者が担うことに慎重な考えを持っておられる方が多く、そのことが砧図書館の運営体制の検討でも強い関心事になっております。この検討の結果、どのような運営体制になるのか懸念があり、皆様が慎重になっていることが大きな要因と受けとめております。
続けて聞いてしまいます。そうしたら、出席者からの意見などについての受けとめ、これを伺います。
先ほど御紹介させていただいた主な意見などを踏まえまして、まず、区立図書館の運営を考える上で、区職員が知識や能力を高め継承していく体制は重要です。一方で、知識やノウハウを継承していくためにも、効率的な運営体制を考え、確立することが必要です。
また、施設の効果的な活用を図る方法として、民間事業者の活用が有効な場合もあり、館の状況に応じて考える必要もございます。砧図書館での住民参加による運営体制の検討につきましては、引き続き懇談会の皆様との意見交換を重ねたいと考えております。
現在、区立図書館全体の運営体制の考え方などを検討しております。これと並行いたしまして、区立図書館での住民参画についても、区として考え方を整理し、検討した上で、今後の方向性などをお示ししていきたいと考えております。
私も、参加者の中の世田谷の図書館を考える会の活動をされている方とお話をさせていただきました。この中で、こういった検討会の中で、こういった図書館利用者懇談会として、主要質問として二つ、そして個別質問として十三問、図書館関連の質問が文書で届けられたというふうに聞いています。
これの回答がないということに、最も不満を覚えておられるというのが実態でした。正直、利用者懇談会の検討会を通しての区の対応が真摯な対応とは言えないのではないか、質問に対してお答えがないというのは大変問題だというふうに思います。
ここに書いてある何問かをちょっと御紹介します。これはお答えいただいたものだと伺っていますけれども、区が描いている理想的な公共図書館像の実現について伺います。世田谷区立図書館ビジョンでは、知と学びと文化の情報拠点という基本理念を掲げ、これを踏まえて事業方針四点と運営方針二点を挙げています。このような理想的な図書館を実現するためには、指定管理者制度や業務委託は適さないと私たちは考えます。世田谷区ではどのようにお考えでしょうか。
もう一問は、砧図書館における住民参加型図書館について伺います。砧図書館を住民参加型図書館にすると議会でも答弁されていますが、そのビジョンが見えません。世田谷区はどのような問題意識を持って、どのような住民参加型図書館を考えているのでしょうか、具体的に示してください。
こういったことを質問されています。これに対してなかなかはっきりとしたお答えがないということで、それについては大変怒りを覚えるというような状況が今あるというふうに思います。やはり、この住民との関係です。このままでは来年度からの――住民合意もないので、来年からのスタートというのは反対だというふうに私たちは考えておりますけれども、それについての見解も示していただけますでしょうか。
住民の合意に関してですけれども、まず住民参加による運営体制の検討につきましては、区ともう一方の主体である地域住民の方々との話し合いによって形づくり、コンセンサスを図っていくプロセスが必要と考えております。運営体制を決めていくには、まだ懇談会の方々との話し合いを積み重ねていく必要があり、時間も必要と考えております。砧図書館につきましては、これからの意見交換の内容などとあわせて、進め方についても今後検討してまいります。
今後、地域の方との話し合いが必要だというふうに思いますけれども、それにはやっぱり条件があって、お応えしていかなければならないというふうに思うんですね。それについてはどうでしょうか。
先ほど申し上げたとおり、こういったコンセンサスを図るプロセスが必要と考えておりまして、今後も話し合いを引き続き、続けさせていただきたいというふうに考えております。区立図書館の運営は図書館の従事者だけではなくて、さまざまな方々の力によって支えられております。
中でも、おはなし会や読み聞かせなど、読書にかかわる活動をされている方々は、図書館や図書館の本、それから、子どもたちとを結びつけ、子どもが本に親しみ、本によって成長を育む機会を与える大事な役割を担っていただいております。
今後も、さまざまな団体に図書館に御協力をいただき、学びの場としての図書館をこれからも支えていただきたいと、このように考えております。砧図書館での検討につきましては、まずは懇談会の方々との意見交換を丁寧に進めてまいりまして、一つ一つ共通認識を深めていただけるよう進めてまいります。
ことしの予特で経堂図書館の問題で質問させていただきました。経堂図書館発足以来、子どもへの読み聞かせ、手遊びなどの活動をしてきた山の木文庫さんが、区の図書館の政策に対し失望し、経堂図書館から撤退したことを取り上げました。今回また、砧図書館の運営をめぐって信頼関係が崩れようとしていると、こういった結果になっています。図書館運営において、地域の活動団体との関係悪化というのは、これは大きな後退であると考えます。
図書館は、区の職員と地域の活動団体の皆さんとともに、学び合い協力して、さまざまな取り組みを行っている施設です。子ども連れでおはなし会に参加していた子どもや親が、こうした活動の担い手となって引き継いで地域のコミュニティーをつくってきた。そのかなめになってきたのが地域の図書館であり、館長を初め職員の皆さん、そして地域の皆さんです。
区が行おうとしている住民参加の運営、これを進めるのならば時間をかけて、合意のもとで進めていただきたいというふうに希望します。見解を求めます。
ちょっと繰り返しになりますけれども、図書館の従事者だけではなく、さまざまな方々の支えによって成り立っている図書館につきまして、こういった利用者懇談会の方々との話し合いをこれからさらに進めていただきまして、区といたしましても考え方を整理し、丁寧にお話し合いを進めさせていただきまして、共通認識を持てるように進めてまいりたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
それでは次に、性教育について伺います。
昨年、足立区立中学校の総合学習授業について、自民党都議からの質問に対し都教育委員会から、性交、避妊など、指導要領を超えた内容に課題があり指導するとの答弁があったことを発端に、性教育への不当な介入だ、性についての正しい知識は子どもに必要だとの世論が広がり、議論もされてきました。
日本共産党は、子どもたちに科学と人権をベースに、体や心の仕組みや発達、性の違いや多様性などを伝え、自己肯定感を育む現場の工夫など、自主的な性教育を進めるべきだと考えています。現在の区の性教育の現状と課題について伺います。
区立小中学校における性教育につきましては、学習指導要領に基づきまして、体育や保健体育科の授業を中心に、特別の教科道徳、特別活動等におきまして、性にかかわる内容として実施をしております。
中学校におきましては、これまで世田谷保健所と連携をいたしまして、助産師等をゲストティーチャーとした、いのちと性の健康教育を実施しておりまして、昨年度は五校が取り組んでおります。また、これ以外に学校独自に外部講師を依頼して実施している学校もございまして、命の大切さや思春期の性に関する心と体について、生徒が深く学習するための機会を設けてございます。一方、学校長からは、学習指導要領に示されていない内容を含む指導が必要との意見も出ているところでございます。
教育委員会といたしましては、昨年度、東京都教育委員会が性教育の手引を改訂したことを踏まえまして、産婦人科医を外部講師として招き、学習指導要領に示されていない内容を含む授業や保護者の理解を得る方法等を検証する性教育のモデル授業の実施を予定しております。
今答弁していただいたとおり、学校長からも学習指導要領に示されていない内容を含む指導が必要との意見も出ているということが課題だということでした。
これはやはり、答弁で述べていただいた性教育の手引、これが三月に東京都が発表したものですけれども、学習指導要領に示されていない内容を含む性教育を実践する場合、事前に学習指導案を保護者全員に説明し、保護者の理解、了解を得た児童生徒を対象にする、こうした手順を踏まねばならず、これにより学校での積極的な性教育実施が行われにくい状況があります。
また、性教育は目の前の子どもたちのニーズや悩みを把握し、子どもの成長や実態に合わせた性教育を行うことが必要だと考えます。
実際に性に対する子どもの実態把握、そして実態に見合った性教育を進めるべきです。あわせて、教員自身が子どもの性に関する悩みに寄り添い対応ができるよう、区独自の研究を進めるべきです。見解を伺います。
性教育につきましては、子どもたちが置かれている性をめぐる現代的な環境や課題を踏まえて行う必要があると考えております。国や東京都、警察などによる調査報告でありますとか、校長会や教育研修等における現場の声を生かして、性教育の内容が最新の状況を踏まえたものになるように取り組んでまいりたいと考えております。
また、教育委員会といたしましても、外部の専門家による性教育を展開することとともに、悩みや不安を抱えた子どもたち一人一人に、教員やスクールカウンセラーなどが心に寄り添った指導や助言を行う体制を構築することも極めて重要だというふうに捉えております。今後とも、校長会や世田谷区中学校教育研究会とも連携をしながら研究を進めまして、教員の指導力向上等にも努めてまいります。
外部講師のお話ですけれども、本当でしたら、教員自身も子どもたちに寄り添える、そういった知識やスキルを高めていただくようなことを、ぜひやっていただきたいというふうにも思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、教員の多忙化について伺います。
この間、我が党は、教員の多忙化解消のための実態調査を実施すること、タイムカードの打刻を行うこと、教員の業務削減を訴え、教科「日本語」の廃止、区独自の学力テストの廃止などを求めてきました。
また、抜本対策としては、教員の増員が不可欠です。教員増と少人数学級の実現で、子どもと向き合う時間や授業、教材研究に費やす時間もつくることができると提案してきました。第二回定例会で他会派からの質問に対し教育長は、教員の多忙化解消のための実態調査を行うと答弁されています。
その後、実態調査を行っていると伺いましたが、その調査はどのように行ったのでしょうか。
教員の勤務状況に関する調査では、職層や教員経験年数などの属性と平均的な退勤時間及び多忙感、負担感の解消のための対策を質問しております。
ぜひ調査結果を生かしていただき、ぜひ多忙化解消に進めていただきたいというふうに思います。
以上で日本共産党からの質疑を終わります。