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令和元年 第3回定例会 一般質問

2019/09/18

質問項目

答弁 >>

産業政策について

たかじょう訓子 議員

質問通告に基づき質問いたします。

まず、産業政策について四点伺います。

消費税増税の区内事業者の影響について

たかじょう訓子 議員

目前に迫る消費税増税の区内事業者の影響について伺います。

経済指標は悪化の一途であり、GDPの低い伸び、実質消費支出の減少や実質賃金の低下など深刻です。増税により倒産する事業者がふえることが懸念されます。区議団は、商店街などに暮らしの実態調査アンケートを実施しています。八百屋の店主は、今でも商売は苦しい、売り上げが今後上がる見込みもないのにレジやキャッシュレス対応などに投資できない。

クリーニング店の店主は、お客は減っている、増税されればさらに減るだろう、商売を続けていけるのか存続がかかっている、こうした声を伺っています。区内業者にとって消費税増税は大きな影響が見込まれます。産業政策としてどう対応していくのか、区の姿勢が問われます。区としての区内業者の状況把握と消費税増税の区内事業者の影響についての認識を伺います。

キャッシュレス対応への支援について

たかじょう訓子 議員

二つ目に、キャッシュレス対応への支援について伺います。

増税に伴いキャッシュレスポイント還元策を進めていますが、私どもが行ったアンケートでは、高齢者の客が多くキャッシュレス対応は考えていないという声も多い一方、これからキャッシュレスが進むならその流れについていく必要があるとの声が聞かれました。今後の区内産業の発展のため、キャッシュレス導入に意欲を持つ事業者への支援を検討することが必要です。見解を伺います。

プレミアム商品券について

たかじょう訓子 議員

次に、プレミアム商品券について伺います。

我が党は、これまでプレミアム商品券については実際に利用されている商品券の多くが大型店で使用されており、目的である地域経済の活性化を果たすための政策とはなっていないと指摘してきました。地域経済の活性化を果たすための制度見直しを行うべきです。

三月の世田谷区産業白書によると、世田谷区は福祉関連、教育支援、情報関連などの事業者が東京都内で一位です。プレミアム商品券の政策目的実現のため、商店会中心から福祉や介護、建設業、情報関連、教育支援などより広い業種の拡大が必要です。来年度に向け、プレミアム商品券対応事業者を多様な事業者に広げることを求めます。見解を伺います。

産業振興基本条例の見直しについて

たかじょう訓子 議員

次に、産業振興基本条例の見直しについて伺います。

我が党は、産業政策が商業、農業、工業の三団体への取り組みとどまっていることを指摘し、産業振興基本条例の見直しを求めてきました。区は、これに対しこの間多様な産業に対応するため産業振興基本条例を見直すとしています。

産業振興基本条例の見直しを今後どのように進めていくのか。また、現在条例に規定されている検討会の構成は、農業、商業、工業の三産業としています。範囲が狭く十分とは言えません。条例見直しに当たって、検討会には多様な業種、団体を加えることを求めます。

児童虐待防止について

たかじょう訓子 議員

次に、児童虐待防止について伺います。来年の区立児童相談所開設に向け、児童虐待を予防し子どもの命、人権を守るため、二点伺います。

一点目は、児相における警察との情報共有についてです。

児相は、措置を伴う強権的対応、子どもと保護者に寄り添い、子育て力、家庭機能を回復させ、地域での安定した生活に戻す、相反する二つの機能を持っています。どちらも充実が必要であり、どちらか一方に傾いても児童虐待を未然に防ぐ行政、地域づくりはできません。他自治体では、警察と児相通報の全ケース共有実施例がある中、区は今議会に警察との全件共有ではなく、共有事例案を示しました。区が警察との情報共有について定義を定めた理由を伺います。

二点目は、一時保護所の子どもの権利についてです。

ことし七月、一時保護所について、東京都の第三者委員会が子どもを管理するルールを過剰な規制で人権侵害に当たるとして改善を求める意見書を都に提出していたことが明らかになりました。報告書では、私語や目を合わせることを禁止しています。また、ルールを破ると、指導の名のもとに罰を与えているなどと指摘されました。報告書では、子どもの声として刑務所みたい、安全だけれども安心ではないなど、過剰なルールに縛られて心が休まらない生活を強いられる子どもの叫びもつづられています。

子どもの安全のため一定のルールが必要ですが、運営に当たり、子どもたちの人権保護は大前提です。運営面での都の一時保護所のルールを横引きするのではなく、区独自に子どもの人権を大切にした運用ルールを定めること、第三者評価など外部に開かれ、その質がチェックできる制度導入を求めます。

児童館再整備について

たかじょう訓子 議員

次に、児童館再整備について伺います。

児童館は、遊びが基本にある児童健全育成の場です。これまで児童館では遊びなどを通じ、職員の気づきなどから支援の必要な子どもへの緩やかな支援、また子ども家庭支援センターなどと連携をしてきました。職員に伺ってきました。さまざまな問題を抱える子どもや家庭に数カ月から一年以上かかわり、心を開いてくれる関係性をつくることで適切な支援につなげることができた、そういったケースも少なくないとのことです。

職員の質の高いかかわりと区や地域との密なつながりの中、現在も継続的で効果的な相談支援が実施されています。今般、子ども計画二期後期計画素案では、児童館が身近な地域の中で多様な地域資源と連携協力し、相談支援や見守りのネットワークの中核的役割を果たすことが示されました。児童館が新たな役割を担うことを否定しません。しかし、全地区展開によって区の公的な責任の後退、弱体化があってはなりません。区として、児童館を身近な地区での相談支援、見守りネットワークの中核的役割と位置づけるなら、公設民営での再整備が必要と考えます。区の見解を求めます。

深刻な介護職不足について

たかじょう訓子 議員

最後に、深刻な介護職不足について伺います。

区がこの間特養ホーム千人分計画を推進してきたことを評価しますが、それに伴う介護職確保策はさらなる強化が必要です。区内特養ホームのうち、平成二十九年度、三十年度に開設の特養ホームにおいて、いまだに介護職が集まらず、入所率が七〇%という状況が続いています。この夏、特養ホーム施設長会からの予算要望を受けました。深刻な介護職不足の状況にますます拍車がかかり、やむなく人材派遣会社を利用しているが、そのため現場の質が低下しているなど、深刻な訴えでした。

現場からの要望が強い介護職員の宿舎借り上げ支援拡充を求めます。区は、この間独自に地域密着ホームへの宿舎借り上げ支援を実施しており、これを評価します。しかし、使いにくいという不満が大きく、実績は伸びていません。区として都への制度改善の要望はもちろん、区独自に制度検討、対応を求めます。見解を伺います。

ことし十一月から第八期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定に向けた地域保健福祉審議会の検討が始まる予定です。区として介護職確保策を喫緊の課題と位置づけ諮問するのはもちろん、八期計画においてその確実な実行を求めます。見解を伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。

答弁

田中 経済産業部長

私からは、産業政策について順次答弁いたします。

まず、消費税関連についてです。

本年三月発行の世田谷区経済産業白書では、区内中小事業者の景況感は回復の兆しが見られるものの、いまだ厳しい状況にあると分析しました。また、直近の世田谷区における中小企業の景況として、「せたがやエコノミックス」で調べた本年四月から六月の景気動向指数は悪化しており、業種別では、卸売業、小売業、製造業が厳しい状況にあると伺えます。

消費税増税による影響については、先ほど区長より消費税の増税が区民生活に与える影響に注視し、必要な検討をするとの答弁をいたしました。前回の消費税の増税時では、個人消費の落ち込みや企業の設備投資が伸びず景況が悪化したと中小企業白書の報告がありました。これらを踏まえ、今回の増税による区民生活及び区内中小事業者への影響を注視しなければならないと考えております。

区では、産業振興公社と連携し、区内中小事業者へ各種支援策の丁寧な情報提供を行い、増税後の景況動向については区内事業者と機会を捉え意見交換などを通じて実態把握に努めてまいります。

次に、キャッシュレスへの対応についてです。

国は、十月からの消費税率引き上げに伴い、キャッシュレス関連事業についてさまざまな形で啓発活動など制度の周知を進めています。こうした状況を踏まえ、区では、国の取り組みについてホームページを通じて情報提供するとともに、区内中小事業者向けのキャッシュレスセミナーの開催を予定しています。

区としては、産業振興公社などと連携を図り、意欲を持ちながらも情報が少なくお困りの中小事業者に寄り添った相談支援を行いながら、効果的な情報提供に努めてまいります。キャッシュレスによるポイント還元等の事業や東京二〇二〇大会終了以降についても、我が国全体のキャッシュレス進展の状況などの最新情報も中小事業者に情報提供してまいります。

次に、商品券の取扱事業者についてです。

プレミアム付区内共通商品券は、世田谷区商店街振興組合連合会が発行し、区が支援しているものです。商品券取扱店については、商店街に加入している事業者のほか、商店街に加入していなくても一定の条件に適合すれば商品券取り扱いが可能となっております。現在でも、小売業や飲食店のほか、工務店や自動車整備工場、学習塾、医療機関など多種多様な事業者が商品券取扱店となっております。

御指摘のとおり、世田谷区の産業構造は変化しており、医療、福祉や学習支援、情報通信業などの事業者が大きく伸びております。商品券取り扱いを多様な事業者に広げていくことは、小売業、サービス業にとどまらない地域経済の活性化や、区内消費の拡大、区民の利便性の向上の観点から望ましいものと考えており、区としても商店街振興組合連合会に取扱店の拡大に向けて働きかけをしてまいります。

次に、産業振興基本条例の見直しの進め方と検討会についてお答えします。

産業振興基本条例の見直しに当たっては、多様化する区民ニーズへの対応、新たな産業や多種多様な事業者の育成支援の充実など、区を取り巻く社会経済環境の変化に適切な対応ができるよう、産業横断的な視点からの見直し検討が必要であるものと考えております。見直しの方向性については、今後改めて議会に御報告した後、検討会の開催に向けた準備に着手してまいります。検討に当たっては、外部からの御意見を伺い進めていくことは重要と捉えており、検討委員の選定については、産業ビジョンの懇話会を参考にしつつ、学識経験者のほか幅広い分野から選出し、多種多様な方々が一堂に会し議論できるような体制づくりを検討してまいります。

私からは以上です。

澁田 児童相談所開設準備担当部長

私からは、二点お答えをさせていただきます。

まず一点目でございます。児童相談所と警察との情報共有についてでございます。

区は、令和二年三月を目途に、児童虐待対応に係る警察との情報共有協定を締結することとしており、現在、警視庁少年育成課と具体の協議を進めているところでございます。これは、本人の同意なしに区と警察との間で、それぞれが持つ区民の情報を相互に提供し合うものであることから、共有の必要性を明らかにするとともに、提供する情報の範囲につきましても、子育て家庭に寄り添い、温かく見守られる地域づくりを進めることを基本にしつつ、子どもの安全確保を最優先とする視点から定義をする必要があると考えております。

こうした考えのもとで現在協議を進めているところであり、国の児童相談所運営指針に沿いまして、虐待による外傷があると考えられる事案や、通告受理後四十八時間以内に子どもの安全確認ができない事案等を基本に、これに加え、自治体間の転出入により新たなケース移管があった事案など、今後警察と連携して対応することが想定される事案について、区が適切にリスクアセスメントを実施した上で共有するなど、確実に子どもの生命と安全が守られる情報共有を図ってまいります。

二点目でございます。一時保護所の子どもの権利についてでございます。

一時保護所では、児童福祉法の理念のとおり、一人一人の子どもが権利の主体として尊重されることが重要であり、指導に起因する人権侵害や生活上のストレスによる精神面への悪影響などの問題が指摘されることがあってはならないものと認識しております。子どもたちが安全安心に過ごすために集団生活を行う上での最低限のルールは必要不可欠となりますものの、区の一時保護所では、就学児の居室を原則個室とすることや、食事をゆったりとした家庭的雰囲気の中で楽しめるようにするなど、子ども一人一人の権利を尊重した運営を行ってまいります。

まずは一時保護所職員が子どもの意見を聞くことを基本とし、意見箱の設置などを取り入れるとともに、適切な運営が行われているかについて外部からの客観的な検証を可能とするため、第三者委員の導入や外部評価の実施、子どもの人権擁護機関せたホッととの連携などの検討を進めてまいります。

以上でございます。

澁田 子ども・若者部長

私からは、児童館の再整備についての御質問にお答えいたします。

児童館は、児童虐待から子どもたちを守るために新たに開設する区立児童相談所や、地域の子ども家庭支援センターと密に連携し、子どもの安定した日常生活の支援や子どもと子育て家庭が抱え得る課題の発生予防及び早期発見と対応を強化し取り組んでいく必要がございます。

特に、児童館は最も身近な遊びの拠点であり、安心して過ごせる居場所として地域の子どもたちが集まりますので、こうした子どもたちの日々の様子や変化、悩みなどに気づきまして、巧みに事情を探りながら必要な支援に向けて関係機関につないだり、地区ネットワークの中核となって見守りを行うことが児童館の役割であると考えております。そのために、児童館の職員が虐待防止に対する問題意識を強く持つとともに、職員の気づきや発見、課題を把握、整理し、適切な機関や地域資源につなぐことができる力をより一層強化してまいります。

児童館の再整備に当たっては、児童館職員の相談におけるソーシャルワーク機能を強化するとともに、秘匿性の高い情報を扱うことも考えられることから、今後も行政として果たさなければならない機能を核に、子どもたちや区民など利用者の声を聞くとともに、議会での御議論も踏まえまして検討を進めてまいります。

以上でございます。

長岡 高齢福祉部長

私からは、介護人材不足の解消について二点御答弁申し上げます。

まず一点目は、第八期計画に介護職確保策を位置づけ確実な実行をとの質問についてでございます。

現行の第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定しました平成二十九年度におきましても既に介護人材不足の課題がありましたことから、第七期計画におきましても、福祉介護人材の確保・育成・定着支援について定め、さまざまな施策を展開しているところでございます。しかしながら、高齢者人口の増加に伴い介護需要が高まる中、介護人材不足はますます厳しい状況となっておるところでございます。

第八期計画の策定におきましては、高齢者福祉及び介護保険事業を取り巻く課題が健康寿命の延伸、認知症施策、権利擁護など多岐にわたりますが、介護人材不足への対応は喫緊の課題であると認識しておるところでございます。介護人材の確保・育成・定着支援につきましては審議会において御議論いただき、区議会を初め区民及び介護事業者等の御意見を伺いながら第八期計画に位置づけていくとともに、具体的な施策の充実に向けて取り組んでまいります。

次に、二点目としまして、介護職員宿舎借り上げ支援事業について御答弁申し上げます。

都は、平成二十八年度から介護人材の確保定着と災害時の迅速な対応を推進するため、区と福祉避難所協定を締結した施設を対象とした介護職員宿舎借り上げ支援事業を実施しております。助成要件は、一福祉避難所につき上限四戸、入居対象者は介護職員など一部職種に限定されており、昨年度は区内の対象三十四施設のうち九施設三十戸の利用にとどまっている状況でございます。

利用しない理由として、災害時に従事する職員は四人だけではない、災害時は他の職種の職員も従事するといった御意見を伺っており、これまでも都へ伝えておるところでございます。家賃の高い都市部においては、新規雇用者や地方からの転入者の住居に利用する場合もあり、こうした利用実態も踏まえながら、より多くの事業者に活用いただけるよう、引き続き都に要望してまいります。

なお、区による独自の戸数上乗せ拡大につきましては、今年度の都の支援事業への申請状況や都の動向を注視しながら、必要性や効果、また財源や持続可能性などの観点を踏まえ検討してまいります。

区といたしましては、現在、介護人材対策に関する意見交換や検討を区内事業等と行っておりますので、その意見も踏まえながら、介護人材対策を一層推進してまいります。

以上でございます。

たかじょう訓子 議員

言い間違いがありました。公設公営での児童館の再整備を求めるというふうに訂正します。

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